経済活動は、そこで働く人材なしでは決して成り立ちません。「自分らしく働く」という考え方が浸透しつつある昨今、多様な働き方が認められてきています。中でも、法改正や経済状況に伴い、様々な変化を見せているのが、派遣社員という働き方です。経済の影響を受けやすい非正規雇用ですが、派遣社員の就業人数の変化や見通しについて、統計をもとに紹介します。
目次
派遣社員の就業人数は年々回復傾向
こちらのグラフは、2002年から2018年まで派遣社員の就業人数の推移をまとめたものです。
出典:総務省統計局「労働力調査」を加工
https://www.stat.go.jp/data/roudou/index.html
派遣社員といえば、2008年のリーマンショック以降、派遣切りが相次ぎ、派遣社員の就業人数が大きく減少したことを覚えている人も多いでしょう。実際、日本国内における派遣社員の就業人数は2008年を境に大きく減少、その後も数年間減少傾向が続いていました。しかし、経済の回復・働き方の多様化とともに、2013年頃から増加へ。現在も微増傾向が続いています。
派遣社員人口は男女共に増加、特に女性の伸び率が大きい
男女別で見た場合にも、男女共に増加していることがわかります。次に紹介するグラフは、派遣社員の男女比の変化をグラフ化したものです。
出典:総務省統計局「労働力調査」を加工
https://www.stat.go.jp/data/roudou/index.html
これによると、男女比は男:女=4:6程度で安定していますが、徐々に女性比率が上がってきています。前項で紹介したグラフと合わせて見ると、男性人口も増えているのですが、女性人口の伸び率が更に大きいことがわかります。
最も比率が大きいのは45〜54歳女性
こちらは、派遣社員の年齢・性別の割合をグラフ化したものです。
出典:総務省統計局「労働力調査」を加工
https://www.stat.go.jp/data/roudou/index.html
男性においては35〜44歳が最も多いですが、どの年齢層もそれほど大きな差は見られません。対して女性では、45〜54歳が最も多く、次いで多い35〜44歳と合わせて約47%を占めています。男女共に15〜24歳の若年人口がやや少ない傾向にありますが、30〜50代の、いわゆる「働き盛り」世代の人口が多く、重要な労働力となっていることがわかります。
まとめ
これらの統計から、派遣社員が現在も働き方のひとつとして選ばれ続けていることがわかります。特に、30〜50代の、経験と実績を持った労働者層においても派遣社員は多く存在しており、日本経済においてなくてはならない存在であることがわかります。最近では、働き方改革などの影響もあり、派遣社員を取り巻く環境は変化が続いています。今後も、政治的・経済的な様々な変化を受け、派遣社員の就業人数は変化していくことが考えられます。そのような風潮において、派遣社員という働き方は、ひとつの選択肢として今までと同様、あるいはそれ以上に重要視されていくと考えられます。