アルバイトの求人を見ていると、「各種保険完備」などの文言を目にすることがあると思います。実は、アルバイトスタッフであっても、一定の条件を満たす場合、社会保険に加入する必要があります。
加入が必要になる条件や加入対象の保険など、知っているようで知らないポイントもあるかと思います。今回の記事では、アルバイトスタッフの社会保険加入について紹介します。アルバイトスタッフの採用・管理をしているご担当者の方はこちらの内容を参考に適切な対応をしていきましょう。
目次
社会保険とは?
そもそも、社会保険と言われるものには次の5種類があります。
(1) 健康保険
(2) 厚生年金保険
(3) 介護保険
(4) 雇用保険
(5) 労災保険
いずれも、加入条件を満たしている場合、加入が必須となる保険です。
労働者や雇用者の都合で加入したりしなかったり、ということはできません。
(1) 健康保険
けがや病気、妊娠などのため、医療を受ける必要がある際に、給付を受けることができる保険です。健康保険に加入することで、被保険者の医療費は3割負担となります。無職の人でも市町村で国民健康保険に加入していますので、雇用に伴い加入する場合、国民健康保険から切り替えることになります。
(2) 厚生年金保険
年金受給の要件を満たすと、国民年金から基礎年金が支給されます。厚生年金保険に加入していると、基礎年金に厚生年金の支給分を上乗せして支給を受けることができます。
(3) 介護保険
介護が必要な状況になった際に、介護サービスの給付を受けることができる保険です。
(4) 雇用保険
失業した際や、育児休業や介護休業で収入がなくなってしまう際に、一時的に給付金を受けることができる保険です。
(5) 労災保険
労働中や通勤中に傷病が生じた際に給付を受けることができる保険です。
アルバイトでも社会保険加入が必要になる条件
アルバイトスタッフで、社会保険が加入対象になる条件は以下の通りです。
■ 健康保険・厚生年金保険・介護保険
次のいずれかの条件を満たす場合、加入が必須となります。
(1) 週に30時間以上勤務している場合
(2) 次の条件にすべて当てはまる場合
・ 週に20時間以上勤務している
・ 1か月あたりの賃金が88,000円以上である
・ 継続して1年以上の雇用が見込まれている
・ 学生ではない(夜間・通信・定時制を除く)
・ 従業員数501人以上の会社である
もしくは500人以下の会社で、社会保険加入について労使合意がなされている
※介護保険については、満40歳以上の人が対象となります。
■ 雇用保険
次の条件を満たす場合、加入が必須となります。
・ 週に20時間以上勤務している
・ 継続して31日以上の雇用が見込まれる
■ 労災保険
すべての労働者に対して加入が必須
まとめ
社会保険の加入は、すべての雇用者に対して、法律で定められている義務です。労働者や雇用者の都合で加入する/しないを決めることはできません。アルバイトスタッフであっても、労働者を雇用する場合は社会保険についてしっかり理解し、適切に対応することがとても重要です。
参考:
日本年金機構「健康保険・厚生年金保険の適用関係について」(https://www.nenkin.go.jp/jigyonushi/)
厚生労働省「人を雇うときのルール」(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudouseisaku/chushoukigyou/koyou_rule.html)