人材育成・マネジメント
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平均賃金が高い業種と職種は?稼げる仕事への就職に必要なスキルを再確認しよう

就職・転職するにあたっては、なるべく稼げるところが良いと思う人は多いことでしょう。

ここでは、業種や職種による平均賃金の違いや企業の採用活動の傾向、そして学生の時から意識して身に付けたい「稼ぐ」ための能力について紹介します。

目次

業界別の平均賃金ランキング

「稼ぐ」人の特徴とは?

IT時代の就職活動の考え方

「プログラミング的思考」の時代がやってくる

まとめ

業界別の平均賃金ランキング

マイナビの調査では、全110業種の平均賃金ランキングのうち、上位はこのようになっています(図1)。

図1 業種別モデル年収
<引用:「2020年版 業種別 モデル年収平均ランキング」株式会社マイナビ>
https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/income/ranking/02

外資系金融がダントツで高く、他では専門コンサルタント、不動産、保険と続いています。
また金額ごとの分布は

・700万円以上が4業種
・600万円台が11業種
・500万円台が38業種
・400万円台が56業種
・300万円台が1業種

と、400万円台が全体の約半数を占めるという結果でした。

また、職種別にみるとこのようになっています(図2)。

図2 職種別モデル年収
<引用:「2020年版 職種別 モデル年収平均ランキング」株式会社マイナビ>
https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/income/ranking/01

IT、専門職が上位を占めていることがわかります。

「稼ぐ」人の特徴とは?

筆者は多くの企業の採用情報に触れています。

見ていると、意外かもしれませんが、大企業の多くは初任給20万円前半(大学卒基本給)で、極端に高いというわけではありません。これは外資系企業にも言えることです。
大企業の収入の高さは、その後のスキルアップやキャリアによる部分が大きくなっています。

社会人になっても新しいことを勉強する「学び直し」が最近注目されています。

会社員を対象にしたマイナビの調査では、多くの社会人が「学び直し」に興味を持っていることがわかります(図3)。実際、半数以上の人が学び直しを経験しています(図4)。


図3 「学び直し」への興味(出所「「社会人の学び直しに関する実態・意識調査」株式会社マイナビ)
https://www.mynavi.jp/news/2020/04/post_23059.html

図4 「学び直し」の経験(出所「「社会人の学び直しに関する実態・意識調査」株式会社マイナビ)
https://www.mynavi.jp/news/2020/04/post_23059.html

大企業一般職の場合、学生の時に資格を取っておくのは悪いことでありませんし、特に技術系の資格は歓迎されることも多いでしょう。
企業は、「自分の会社の中でどう役立ってくれるか」を重視します。
入社してから積極的に勉強し、自社の中で役立つスキルや資格を身に着ける姿勢が好感されるため、研修体制を整えている企業も多くあります。

なお、学び直しと収入には相関関係が見られます(図5)。


図5 自己啓発とその効果(出所「平成30年度 年次経済財政報告」内閣府)
https://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je18/pdf/p02023.pdf p179

実際に年収が上がる傾向があるようです。また、専門性の高い職業に就く確率についても、有意差が認められています。

その一方で、コロナ禍の影響もあり、大企業で希望退職者を募る「令和の大リストラ」が進んでいます。
厳しい雇用環境の中では、例えば「管理職の経験があります」というだけではやはりアピールできるスキルとしては不十分でしょう。
これからはますます、何らかの専門知識やスキルを持っている人が優先される時代になっていくと思われます。

 

IT時代の就職活動の考え方

なお、近年の就職活動では、希望する業界・企業や業種についてどれだけ本気度があるかが試されます。
就職後すぐに退職されてしまうというミスマッチを防ぐためです。
この傾向は年々高まっています。
就職活動をする方としても、コロナの影響で最近は潮目が変わり、もはや「売り手市場」と言えなくなってきていますので、計画的に就活を進めなければなりません。

就職したい業界や企業については早めに考えた方が良いでしょう。
同業でも「なぜこの会社を選んだのか」はよく問われるからです。
興味のある業界について早めに意識し、にわか仕込みにならないよう意識して下さい。

どんな仕事をしたいのかがあまりわからなくても、興味のある企業のイベントや、機会があればインターンシップなどで「社会人の生活」を覗いてみるのも良いでしょう。
考えるきっかけを作るという意味でもお勧めします。
最近はWebでの企業イベントも多いので、その気軽さを存分に活用して下さい。

さて、気になる業界が見つかる前からでもやっておきたい「就活対策」があります。
企業が応募者に対して、求めている要素があります(図6)。
個別の資格より重視されているといって良いでしょう。


図6 企業が学校教育に求めること(出所「平成30年度 年次経済財政報告」内閣府)
https://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je18/pdf/p02021.pdf p166

論理的思考力、ディベートやプレゼンテーション能力といったものです。

就職面接では、多くの企業でこれらの能力を見る場面が設定されています。

また、今やITが事業と切り離せない現在、ITをきちんと利用している企業にとって求めらる社員のスキルのは下のようなものです(図7)。


図7 IT利用頻度と相関するスキル(出所「平成30年度 年次経済財政報告」内閣府)
https://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je18/pdf/p02021.pdf p163

世界的にも日本を見ても、求められるのは図7にあるような「機械では代替できない」能力です。

 

「プログラミング的思考」の時代がやってくる

ところで、2020年度から小中高の「学習指導要領」が変わったのをご存じの方はどのくらいいるでしょうか。

小学校で「プログラミング教育」が実施されることになりました*1。

といってもこれは、ただ単に不足するシステムエンジニアを養成したいという意味合いではなく、「プログラミング的思考」を身に着けさせる目的があります。

このようなものです。

図8 小学校プログラミング教育のねらい(出所「新学習指導要領のポイント」文部科学省資料)
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/05/21/1416331_001.pdf

プログラミング、というと難しくかまえてしまう人もいるかもしれませんが、身近なところではHTMLというプログラムがあります。ホームページを構成しているものです。

文字や画像の色や配置などを思い通りに表示させるためには、決まったタグをある程度決まった順番に書かなければなりません。
必要な要素は何で、それをどう並べなければならないのか。エラーが生じた時、どこからチェックするのか。
こうしたことを普段の思考の中に取り入れられるような人材を育てたいというのが学習指導要領のねらいです。

そして実際、大企業の面接ではそのような点をよく観察されます。
グループディスカッションはもちろんのこと、志望動機さえ「理路整然としているか」が重視される時代です。

こうした思考回路はすぐ身につくものではありませんので、意識して学習したいところです。

 

まとめ

「働くのなら高い収入を得たい」と考えるのは当然のことです。

ただ、それが資格やスキル、キャリアによる部分が大きくなっている現代では、学習環境を作れるようなワークライフバランスがあるかどうか。
あるいはサポート制度があるかを意識することも、就職先を選ぶにあたって考慮すべき点になってきます。

また、志望動機についても整合性が問われる中、例えば日頃の生活で自分はどんな企業のモノやサービスに囲まれて生活しているかを一度意識してみると良いでしょう。
「メーカー」と一口に言っても多種多様なものを提供しています。
ある企業の仕事が自分を含めた人々のどんなところで役に立っているのかを感じてみるのは、「働く」ということに対するアンテナを高めるひとつの方法です。

そして知っておきたいのは、コロナの影響もあって最近は「ジョブ型雇用」を導入する企業が増えていることです。
従来の日本企業の採用は「広い枠組みで採用して、のちに配属を考える」と言った「メンバーシップ型」が多いものでした。
しかし現在では、テレワークになると社員の働きぶりが見えない、と言った事情も相まって「あらかじめ業務内容の詳細と目標を決めておく」採用形式も出てきています。

どちらが良いかは、個人によって異なります。

現在は雇用情勢が変わりつつあるちょうど節目になっていますので、思い込みで過ごしてしまわないよう、あくまで自立性を鍛えておくことが必要です。

*1「2020年度、子供の学びが進化します!新しい学習指導要領、スタート!」政府広報オンライン
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201903/2.html

<清水 沙矢香>
2002年京都大学理学部卒業後、TBS報道記者として勤務。
社会部記者として事件・事故、科学・教育行政その後、経済部記者として主に世界情勢とマーケットの関係を研究。欧米、アジアなどでの取材にもあたる。
ライターに転向して以降は、各種統計の分析や各種ヒアリングを通じて、多岐に渡る分野を横断的に見渡す視点からの社会調査を行っている。
Twitter:@M6Sayaka

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