たくさんの人が気持ち新たに動き出す春。
アルバイトを探している求職者と日々コミュニケーションを取っている『マイナビ アルバイト紹介』のスタッフ宛てに、この時期特に多く寄せられる相談は、学生からの「初めてのアルバイトについての悩み」です。
「進学したらアルバイトを始めたい!」「アルバイトするのが楽しみ!」と、ワクワクした感情を持っている学生が多いですが、一方で不安な気持ちを持っている学生もいます。
新しい環境に踏み出そうとしている学生が、どんな不安を持ってアルバイトに応募するのか。
今回は、学生から多く寄せられる「働いてみたいアルバイト先」や「初めてのアルバイトへの不安」をお伝えします。
4年制大学に通う新入生の場合、定着すれば最高で4年という長い期間働いてもらえます。そんな人材を逃さないために、ぜひご一読ください。
目次
学生の不安を解消し、定着してもらうために意識するべき3つのこと
初めてアルバイトをする学生に不安を与える社会的要因
学生が初めてのアルバイトをするにあたって感じる「初めて社会に挑戦する」ということへの精神的な不安に加え、昨今では以下のような社会情勢が学生に不安を与えているケースがあります。
(1)成年年齢が20歳から18歳に引き下げ
2022年4月1日から民法が改正され、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられました。
18歳といえば、進学をしている学生は高校を卒業する年齢です。高校卒業と同時に、世間からは「1人の大人」としての役割が求められます。改正前は、高校卒業後の2年間「成人ではない立場で社会経験を積める期間」がありましたが、現在は「社会生活を経験したことがない状態で成人を迎える」ことになるのです。
社会生活に対する漠然とした不安があり、「税金や年末調整、扶養など働く上での法律に関することを教えてほしい」といったご相談をいただくこともあります。
(2)ネット社会ならではの「闇バイト」「ブラックバイト」
最近ニュースなどで目にすることが増えた、「闇バイト」と「ブラックバイト」。事例としては以下のようなものがあります。
<闇バイトの例>
・SNSなどを通じて高額報酬を提示し、集まった人に強盗などの犯罪行為を手伝わせるもの
・高額報酬と引き換えに〇〇さんの名前で銀行口座を作ってほしいと依頼されるもの(口座貸し、名前貸し等)
<ブラックバイトの例>
・募集時の条件と異なる仕事を強いられる
・無理な労働を強いられる
ネット社会の現代だからこそ、誰でも知らず知らずのうちに「闇バイト」や「ブラックバイト」に足を踏み入れてしまう可能性があります。初めて社会に出る学生は何が安心で信頼できるものか、判断できない場合もあります。面接の時は、「安心して働けるアルバイト先である」ということをしっかり伝えましょう。
初めての社会進出がアルバイト先となるケースが多いため、学生にとっては採用を担当されている皆様が「社会生活の中での人との接し方(話し方や立ち居振る舞い、物事の良し悪しなど)を教えてくれる最初の人」になります。
学生がアルバイト先を「安心・成長できる場である」と感じ、精神的な不安を感じずに働けるよう対応していくことが大切です。
では、どのようなことを意識して対応すれば、学生の不安を解消できるのでしょうか。
学生の不安を解消し、定着してもらうために意識するべき3つのこと
学生が実際に不安だと感じているのはどういうことなのか、その項目ごとに意識するべきことを3つご紹介します。
学生の感情を理解し、適切に対応していくことが定着率を上げることにも繋がります。
(1)家族や友達以外の人とあまり話したことがない/人と話すのが苦手
ネット社会ということもあり、コミュニケーションもネット上で完結してしまうことが多い時代。今までは家庭や学校など、決まったコミュニティ内での生活が中心だったため、「大人と話した経験があまりない」「知らない人と直接話すのが少し苦手」などの不安を持っている学生が多いです。
解決策 アルバイトの初日は年齢が近いスタッフや店長とシフトが被るように調整し、まずは特定のスタッフとのコミュニケーションに慣れてもらいましょう。 |
初めてのアルバイトは出勤するのにもかなり勇気がいるはずです。勇気を出して出勤したのに、出勤するたびに一緒に働く人が知らない人ばかりで誰とも話ができない…そのような経験がきっかけになり、離職に繋がってしまう可能性もあります。
まずは話がしやすい環境を整えてあげること。同年代のほうが打ち解けるのが早いため、「同年代の子に研修を任せている」という企業も多いです。
また、面接時もリラックスして話せるような環境づくりや新しいアルバイトスタッフが来ることを事前に一緒に働く全スタッフに認識してもらうこともとても大切です。
(2)やったことがない仕事で、ミスをして怒られるのが怖い
学生はこれまでサービスを与えてもらうお客さんという立場でしたが、サービスを提供する側へと立場が変わります。「やったことがないからできるか不安」「失敗して怒られるのが怖い…」そう思っている学生も多いです。
解決策 接客業務に入る前に研修を行い、実際に接客するようになったら個別でサポートをするようにしましょう。 |
接客業務に入る前に、座学での研修や、仕事の流れ・店舗内の仕組みやメニューの見方などを伝える時間を設けましょう。
「忙しいからまずはやってみて、わからないことは聞いて!」というような伝え方は、学生の不安を煽り、離職の原因になりかねません。
研修の際に「お店が目指していることやマインド」「お客さんの特徴(エリアの特徴)」などをアルバイトスタッフへ共有するようにした企業では、働き始めから同じ意識を持つことができ、定着率が高くなったという事例もあります。
また、アルバイトスタッフの入社時に「人は誰でも初めての時は完璧にできない」「初めのうちは失敗しても大丈夫」ということをぜひ伝えてください。
前向きに挑戦できるよう、環境を整えてあげることが大切です。
(3)「学校と両立ができるか不安」
これまでにもお伝えしている通り、学生にとってアルバイトは初めての社会経験です。働く上で決まったルールに従うことは大事ですが、中には「断れない、自分は従わないといけない」という印象を強く持ってしまう学生もいるため、ケアが必要です。
解決策 面接時はシフトのすり合わせを重点的に行い、無理のないシフト作成を。学校行事ややりたいこととアルバイトの両立が可能であることを伝えましょう。 |
学生の場合、「週2~3日から入れるアルバイトを探している」ということが多いです。
引用)マイナビ「大学生のアルバイトに関するレポート(2022年)」p.18
上記の表は、大学生が希望するシフトの割合です。
実態(左図)では週3~4日で働いている学生が多いものの、希望する1週間あたりの日数(右図)としては2022年全体で週2~3日を希望する学生が多いことがわかります。
採用する側としては、より多くシフトに入れるのであれば入ってほしいという希望はあると思います。ただし、週2~3日のシフトを希望しているアルバイトスタッフに「慣れてきたら週4日でお願いしたい」「みんな基本は週3日以上」などと伝えてしまうと、そもそもで入社に至らなかったり、勤務後も無理に伝えられたシフトに合わせて学校との両立ができなくなり、離職に繋がるケースも。
学生の本業はあくまで学業です。その学業との両立ができるようバックアップするということも、長く働いてもらうための秘訣です。
また、学生がアルバイト先を選ぶ条件として「シフトの融通の利きやすさ」が挙げられます。
引用)マイナビ「アルバイトに関するユーザー調査(2022年)」p.23
マイナビの調査(上図)でも、学生がシフトの融通の利きやすさを求めていることがわかります。
シフトの融通を利かせられる職場の場合は、「体調不良時やテスト前のお休みの相談」や「週によってシフトの相談」ができることなどを重点的に伝えることで採用に繋がりやすくなります。
まとめ
ここまで、初めてアルバイトをする学生の不安やその不安への対応方法などをお伝えしてきました。
学生が感じる不安に寄り添い、不安を解消できる職場づくりを心がけて、アルバイトスタッフの離職を防ぎ定着率を上げていきましょう。
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【筆者プロフィール】
C.H
株式会社マイナビに2019年入社。求人広告『マイナビバイト』の営業職として約3年半、東京都港区エリアを担当。
現在は『マイナビ アルバイト紹介』サービスにて、求職者の対応を行っている。