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理想の移住先はどこ? アルバイト生活に優しい都道府県をチェックしよう

「老後は夫婦でのんびりと、物価の安い海外で過ごしたい」
コロナ禍以前はそのように考える人も多く、また実際に海外の長期滞在者・永住者の合計数は増加し続けてきました。*1

しかしアフターコロナの世界では、安心感や衛生面を考えると、海外移住はなかなか気軽にできる選択ではなくなるでしょう。
そのような時代には、国内移住が今以上に活発になる可能性がありそうです。

では、リタイアをした人や、「フリーターとして自由に生きる」ことを選びアルバイト・パートで生計を立てようと決意した人にとって、理想の移住先・都道府県とはどこなのでしょうか。
データから、少し分析していきましょう。

 

アルバイト・パート労働者にとって理想の移住先とは?

まず前提条件からです。
「アルバイト・パート労働者にとって理想の移住先」をどのようにして判断するのか。
ここでは、以下の条件を置いてみましょう。

1.生活費が安い
2.最低賃金が高い
3.誰もが住みたくなるような都道府県

上記が満たされれば、きっとその移住先は文句なしです。

まずは、1番から見てみます。
生活費の安さを比較するには、総務省の消費者物価地域差指数を用いるのがもっとも簡単です。

出典:総務省統計局「小売物価統計調査(構造編)年報 平成28年」p4
https://www.stat.go.jp/data/kouri/kouzou/pdf/n_2016_1_1.pdf

予想を裏切らず、東京と神奈川の物価の高さは群を抜いており、少し気後れするような数字になっています。
しかしそれ以外に飛び抜けている地域はなく、99-101ほどの指数であれば体感的にも大きな差を感じづらいので、余り気にすることは無いかも知れません。

その一方で、長野、岐阜、佐賀、奈良、宮崎、鹿児島の各県は96台となっており、ここまで指数が下がると実際に物価の安さを実感できそうです。
また群馬に至っては95.9と、首都圏でありながら全国でもっとも安い消費者物価指数を記録しました。

これらの結果から、「生活費が安い」条件を満たす都道府県は、以下のように定義して良さそうです。

1位 群馬 95.9
2位 鹿児島 96.1
2位 宮崎 96.1
4位 奈良 96.6
5位 佐賀 96.8
5位 岐阜 96.8

次に2番目の、最低賃金が高いという条件を見てみましょう。
最低賃金が高いということは、総じてアルバイト・パートに実際に支払われる賃金も高い傾向があると考えて良さそうです。
こちらも公表値から明らかで、厚生労働省の「地域別最低賃金の全国一覧」を参照します。

出典:厚生労働省「令和元年度 地域別最低賃金の全国一覧」を参考に筆者作成
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/
※賃金は時間あたり

こちらも、物価の高さと同様に東京と神奈川の数字が群を抜いています。
その上で、「高い」「普通」「低い」の3グループに分けて考えてみましょう。
高いグループを、850円以上の15都道府県に。
普通グループを、800円以上-850円未満の15都道府県に。
低いグループを、800円未満の17都道府県に。

一般に、高い時給の設定は物価だけでなく、求人も多くなる傾向が期待できます。
そのため移住後、速やかにアルバイト・パートを見つけるためには、なるべく「高い」「普通」グループの都道府県を選んだほうが、選択の幅が広がりそうです。
そのようなことを考えると、818円の香川県よりも高い都道府県が、まずは魅力的かもしれません。

最後に3番目、誰もが住みたくなるような都道府県という条件を見てみましょう。
こちらは、住民幸福度や満足度比較などいろいろな指標がありますので、何を採用するかによって結果は大きく変わると思われます。
今回は、「移住希望地ランキング」を採用します。

出典:首相官邸「ふるさと回帰の現状と課題」p3
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/meeting/sousei_kondan/h26-10-02-siryou3.pdf

少し古い資料ではありますが、上位の都道府県は概ね毎年、大幅な入れ替わりがありません。
上位20位以内であれば、「移住したいと考える人が多い都道府県」という条件を適用して考えられると仮定します。

 

アルバイト・パート労働者に優しい移住先は?

ここまで各種データを見てきましたが、3つの条件を最高の条件で満たす都道府県は残念ながらありません。
その上で、もっとも条件に近い都道府県を判断すると、

1.生活費・・・日本でもっとも安い
2.賃金・・・全国22位(普通グループ)
3.移住人気先・・・上位の常連

以上の理由から、アルバイト・パート労働者にもっとも優しく魅力的な移住先の一つの答えは、群馬県と言えそうです。

実際に群馬県は、県下最大の都市である高崎市には上越新幹線の駅もあり、東京駅からの所要時間もわずか50分です。
それでいて、草津温泉に代表される豊かな温泉資源を擁し、冬にはスキーを楽しむこともできるので、人気があるのも納得といったところでしょうか。

その上で、もう少し「物価が安い」の内訳を見てみると、さらに興味深いデータが見えてきます。

出典:総務省統計局「小売物価統計調査(構造編)年報 平成28年」p5
https://www.stat.go.jp/data/kouri/kouzou/pdf/n_2016_1_1.pdf

ご覧のように、群馬県は実は「教育費」が群を抜いて安いために、全国でもっとも物価が安いという構図になっています。
そのため定年退職後に、悠々自適でアルバイト・パートをしながら暮らしていくことを考えたら、実は物価安の恩恵を、必ずしも受けることが出来る都道府県ではありません。
食料に関する物価の安さもそれほどでもありませんので、総合的な物価水準の低さだけに惹かれて移住すると、期待と違ったということになりかねないでしょう。
逆に、アルバイト・パートで自由な生き方を選び、その上で子育てにもしっかりと手をかけてあげたいと考える世帯であれば、群馬移住の魅力を最大限に活かすことができそうです。

また「移住人気先」という条件にこだわらずに、物価の安さと最低賃金の高さだけを条件で考えるなら、岐阜県と奈良県も非常に魅力的な移住先に挙げられます。
岐阜県は名古屋の大都市圏近郊であり、奈良県は大阪の大都市近郊に位置します。
それでいて物価は群を抜いて安く、岐阜の賃金は「高い」グループに、奈良の賃金は「普通」グループにあります。

さらに岐阜県の物価安の内訳をみると、光熱水道、住居、食料の各物価が非常にバランス良く安く、全国水準を下回っていることがわかります。
電気・ガス・水道代が安く、マンションやアパートなどの家賃が安く、食料品の価格も安い。
さらに、大都市圏へのアクセスも良く、東海道新幹線の駅も所在しているとなれば、定年退職後に、悠々自適でアルバイト・パートをしながら暮らす上で非常に魅力的な街と言えそうです。

同様に奈良県は、住居と食料の安さが魅力です。
神社仏閣などの名刹・古刹も多く、老後をマイペースで静かに暮らしながら、たまにアルバイト・パートで生活費を補填することを考えたら、非常に魅力的な街と言えるでしょう。

逆に山形県は、全国で6番目に物価が高く、また食料や光熱水道がその数字を押し上げており日々の生活で物価高を体感できてしまうこと。
加えて、最低賃金も全国で最も低いことから、パート・アルバイト労働を前提とした移住先としては、少し厳しい条件が並びます。

では、ここで「物価が高い」例に挙げられている6都道府県は、アルバイト・パートという生き方を選んだ人にとって全く魅力のない街なのでしょうか。
詳細を見てみれば明らかですが、もちろんそんなことはありません。
例えば、東京と神奈川を例に見てみましょう。
これら都市の物価の高さは、住居がその指数を大きく押し上げています。
言い換えればこれは、住居にこだわりを持たずに、できる限り安い物件を選んで住むことを選べるのであれば、都市部に住む魅力だけを享受することができるということです。

同様に京都府を見れば、物価を押し上げているのは教育費と交通・通信費です。
住居費に至っては、押し下げ要因になっているほどに全国水準を下回っています。
つまり、老後をマイペースで過ごそうという人にとっては、特段の工夫もなく、そのままで非常に魅力的な街と考えて良さそうです。

 

結論:住みたい街に住んでOK

結局のところ、「総合指数」という統計値は一つの目安に過ぎません。
その内訳を精査し、自分の生活スタイル、人生設計、重視することと我慢できることをしっかりと見つめ直す。
そしてそれらを天秤にかけた上で移住先を選ぶことが、何よりも大事と言えそうです。

パート・アルバイトという生き方を選び、あるいは老後を悠々自適にマイペースで過ごすことを考えた時にも、先立つものはやはりお金です。
移住という人生の大きな決断をする時の、参考にして下さい。

*1
出典:外務省「海外在留邦人数調査統計統計表一覧」
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/page22_000043.html

 

【著者】
桃野泰徳(ももの・やすのり)                                
1973年滋賀県生まれ。
大和証券を経て、いくつかのベンチャー企業でCFOを歴任し独立。
個人ブログでは月間80万PVの読者を持つなど、経営者層を中心に人気を集める。

 

 






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