人材育成・マネジメント
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マネジメントに正解はない。でも、やっちゃいけないことはある

はじめまして、ナレビをご覧の皆さん。鬼滅の刃経営研究会と申します。

鬼滅の刃経営研究会とは、リーダーシップ、マネジメントといった経営にまつわる事を、『鬼滅の刃』という物語を通して楽しく学べる事を研究する、という活動をしている団体です。
鬼滅の刃経営研究会は、税理士、社会保険労務士、ビジネスコーチといった各業界のプロフェッショナルがメンバーとして運営しています。

今回、取り上げるテーマは、「アルバイトスタッフのマネジメント」です。職場でのアルバイトスタッフのマネジメントに悩み、解決する方法を日々探している方も多いかと思います。
しかし、結論から申し上げますと、この悩みを「一発で解決する魔法の答え」はありません。

部下のマネジメント、こうあるべし、という本はたくさんあるが・・・?

アルバイトスタッフのマネジメントに悩んだ際、マネジメントやリーダーシップに関する本や記事などを読む、という方は多いかと思います。

そういったことに関する本や記事は、世の中に星の数程あります。
そこには、
●上司たるもの、リーダーシップを発揮すべし
●これからの時代は部下達がフォロワーシップを発揮すべし
●トップダウンのマネジメントはもう古い。自立型のチームを創ろう
・・・といった事が記載されています。

で…こういったものを読んでみて、どうでしょうか。マネジメントに関する悩みは解決したでしょうか?
本や記事を読んで、「万事解決した!」というのはレアケースではないでしょうか。
それは、部下のマネジメントにおいては、「こうすれば必ずうまくいく」という正解が無いためです。

 

なぜ、マネジメントにおいては、「こうすれば必ずうまくいく」という正解が無いのか?

なぜ、「こうすれば必ずうまくいく」という正解が無いのでしょうか?

これは、当たり前の事かもしれませんが、職場によって、現場によって、それぞれ状況が違うからです。

皆さんがマネジメントをしている職場、現場を思い浮かべてみてください。

まず、それぞれ業種が違うでしょう。飲食系なのか、サービス系なのか、肉体労働系なのかで違いがあります。
また、その職場の歴史や慣習によって、職場の「当たり前」が違う可能性もあります。
そして当然ですが、「あなた自身」も、他のリーダーとはタイプが違うでしょう。
更には、部下達の年齢も様々、場合によっては国籍も様々、一人一人考えや性格も違います。

アルバイトスタッフを束ねてマネジメントするという事は、上記のような複雑さに日々直面しているという事なのです。

働く職場の状況は全て違い、かつマネジメントを構成する要素であるあなたと、あなたの部下もそれぞれ強みや能力が違います。つまり、ある職場で上手くいったマネジメント手法が、別の職場で上手くいくとは限らない、むしろ、そのまま真似をして上手くいく可能性は低い、という事です。
これが、「こうすれば必ずうまくいく」という正解が無い理由です。

正解がないなら…では、どうしたらいいのだろうか?

一方で、正解がないとしたら、どうしたらいいのだろうか、という不安が頭をよぎると思います。
ここに対する筆者の考えですが、他でもない「あなたとしての正解」を見つけることが大事かと考えます。

上記のように複雑な職場において、あなた自身はどういう傾向を持った人間か、そして、部下一人一人はどういう人間か。
この理解を日々塗り替えていき、あなたなりのマネジメントの正解を模索し続けること自体が重要だと考えます。

そのプロセスにおいて、マネジメントやリーダーシップに関する本や記事を読む事は、非常に有益な事でしょう。
その中で活かせそうな事を取り入れて、試してみる。試行錯誤を繰り返す中であなたの職場に合った、自分なりのマネジメントスタイルを創り、修正し続けていくイメージです。

アルバイトスタッフをマネジメントする際に気を付けるべきこと

職場に適した自分なりのマネジメントスタイルを試行錯誤する中で、注意しておきたい「落とし穴」があります。

それは、「なぜこんなこともできないのだろうか?」という我々の内面の問いです。

あなたが職場・現場のマネジメントを任されているということは、経験や能力を評価されてのことでしょう。
しかし、経験のある人は、それが故に、時に、自分の物差しで考えてしまい、経験のない人の気持ちを理解したり、相手の気持ちに思いを馳せる事が出来ないことがあります。

ましてや今は、ダイバーシティ、多様性のある職場です。

以下の厚生労働省発表の資料をご覧ください。
外国人労働者数の総数は近年継続して増加傾向にあり、2020年に過去最大人数となっています。
表中の「資格外活動」と記載されている項目が、主にアルバイトでの就労者を表わしていますが、これは2020年に370万人となりました。
これだけ多くの外国人アルバイトの方々が、皆さんの職場で働いています。

 
引用)厚生労働省 「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和2年10月末現在)」より
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_16279.html *1

また、以下のグラフは、外国人労働者の国籍別割合を示していますが、様々な国からの労働者が日本で働いている事が分かります。

引用)厚生労働省 「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和2年10月末現在)」より
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_16279.html *1

アルバイトスタッフは、国籍も様々。もはや、日本で一番ダイバーシティ(多様性)の高い職場といっても過言ではありません。

そのような職場で、自分の「当たり前」「常識」に捉われず、部下がどういう人物かを見極めてマネジメントすることが求められています。

 

私達の心の中の鬼舞辻無惨

『鬼滅の刃』で「パワハラ会議」という言葉を聞いた事がありますでしょうか。

これは、『鬼滅の刃』の敵役のボスとも言える鬼舞辻無惨(きぶつじむざん/以下、無惨)というキャラクターが、部下の鬼達を強く叱責した上で、殺害する場面の事です。

この「パワハラ会議」で無惨は、部下の鬼である「下弦の鬼」達にこう問いかけます。

引用) 吾峠呼世晴 集英社 電子版『鬼滅の刃』6巻 第51話 P175

無惨「何故に下弦の鬼はそれ程まで弱いのか

この無惨の問いに答える鬼は1人を除き、何を言ったとしても無惨に殺害されます。
それもそのはず、この問いは、質問の形はしていますが、相手の答えを期待したものではなく、「質問の形をした非難」だから、です。

なので、相手が何を言ったとしても無惨は部下達を殺害するわけです。

この「パワハラ会議」、上司としてアルバイトスタッフに向かい合う際に、大切な事を学べる場面です。

無惨のように部下に手をあげる人はこのご時世いないでしょうが、アルバイトスタッフが失敗をした際など、
言葉に出さないとしても「何でこんなこともできないのだろう・・・?」と、我々の心の中の無惨がちくりと声を上げる事はあるのではないでしょうか。

勿論我々は人間ですから、そのような気持ちが起こる事もあるでしょう。
しかし、その気持ちのまま、アルバイトスタッフに怒り、「何故できなかったのか?」と問い詰めたところで萎縮するばかりで、アルバイトスタッフが成長する、という事は少ないでしょう。

まして、上述のように、多様性の高い職場でアルバイトスタッフのマネジメントをするには、「これはできるだろう」「こんなことは流石に分かっているはずだ」という、自分の思い込みを捨てる、という事が重要になってきます。
これは、自分のエゴ、プライドを一旦脇に置く、とも表現できるかもしれません。

アルバイトスタッフに対して、怒りを感じた場合は、ひと呼吸おき、
「今自分はアルバイトスタッフのために指導しているのだろうか?それとも、無惨のように怒りをぶつけているだけなのだろうか?」
と、冷静に自分に問いかけてみてはいかがでしょうか。

あなたの職場・現場はあなたにしか創れない

ここまでの記事の内容を振り返っていきます。

多様性のあるアルバイトスタッフ達に対して、全ての職場・現場に通用するような、マネジメントの答えは存在しない。
私達一人一人が、苦心しつつも、自分とアルバイトスタッフ達が共にうまくいくやり方を日々見つけていくしかない。

そこには、我々自身のエゴやプライド、常識が邪魔をするかもしれない。
アルバイトスタッフに向き合う際に「なぜこんなこともできないのだろう?」という気持ちが浮かぶこともあるやもしれないが、このアルバイトスタッフも多様な時代、我々は自らをコントロールしていく必要があるのではないか。

といった事を書いてきました。

今や、皆様が日々奮闘する職場は、多様なアルバイトスタッフ達が働く、ダイバーシティ(多様性)の最前線であり、皆様のマネジメント次第で、職場のアルバイトスタッフ達のパフォーマンスは大きく変わる事でしょう。

正解がないマネジメントの世界、ぜひ、あなたにしか創れない職場・現場を創ってみてください。

 

*1 厚生労働省 「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和2年10月末現在)」よりhttps://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_16279.html

 

著者
鬼滅の刃経営研究会
「鬼滅の刃」という物語は失敗を繰り返しながら学び成長していく中小企業の経営ストーリーそのものであると気づいた「組織と人」のプロが、「鬼滅の刃」を通してビジネスや経営を考察した記事を連載している団体です。各種SNSの総フォロワー数1万超。
創設者 公認会計士税理士 矢崎誠一  社会保険労務士 高橋謙一 

note:https://note.com/kimetsukeiei   Twitter : https://twitter.com/kimetsukeiei

 

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