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ウィズコロナの時代に必須 「非接触」の感染対策・ツールにはどのようなものがある?

新型コロナウイルスの世界的流行から一年を迎えようとする今、感染対策としてマスクの装着・手指消毒・ソーシャルディスタンスは日常風景となりました。

ソフト面での感染対策が浸透した一方で、店舗での接客業務やオフィスの共用部分といったハード面の整備をどのように進めるべきか、頭を悩ませる管理者は多いのではないでしょうか。

今回は新型コロナウイルスの感染経路のひとつである「接触感染」をテーマに、店舗やオフィスで起こり得る接触感染とその対策について、可能な限り「非接触」となる方法やツールにはどのような物があるかご紹介します。

 

ウイルス感染経路のひとつ、「接触感染」とは?

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新型コロナウイルスの主な感染経路は、飛沫感染と接触感染です。
感染者の飛沫(咳・くしゃみ・会話中のツバなど)を吸い込むことによって感染するのが飛沫感染で、対策として咳エチケットやソーシャルディスタンスが有効とされています。

一方の接触感染は、人の手や物を介して感染します。
たとえば、感染者が咳やくしゃみを手で受け止め、その手でドアノブに触れたとしましょう。
ドアノブに付着したウイルスは、そのあとドアノブに触れる他者へと伝播し、目・鼻・口から体内に侵入して感染症を引き起こします。

さらに、咳やくしゃみの症状がない・あるいはマスクをしているからといって油断は禁物です。
無症状の感染者が鼻や口元に触れ、その手にウイルスを含む飛沫が付着していた場合、無意識のうちに周囲の物を汚染させることもあるからです。

店舗や飲食店では買い物かご・カート・レジ・テーブル・メニューなどが、オフィスではデスク周り・エレベーターのボタン・ドアノブ・電気のスイッチ・水栓などが接触頻度の高い場所となります。

ウイルスは目に見えません。
目に見えないウイルスをいかに回避するか・・・つまり、ウイルスで汚染されている可能性のある箇所に「極力触れないこと」が重要になるのです。

 

接触感染対策に役立つ方法・ツールにはどのようなものがある?

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接触感染は、人の手や物を介してウイルスが伝播することで起こります。
そのため、接触感染対策では「いかにして接触の機会・頻度を減らすか」を考えるべきでしょう。

人同士の接触や、人が物に触れる機会を減らすことで接触感染のリスクは抑えられます。
実際に、接触頻度を減らすための方法やツールにはどうのようなものがあるのか、具体的に見ていきましょう。

◯店舗・飲食店などにおける接触感染対策
不特定多数のお客様が訪れる小売店・飲食店では、次のような場面で接触感染のリスクがあります。
ドアノブに触れるとき
エレベーターのボタンや、エスカレーターの手すりに触れるとき
買い物かご・カートを利用するとき
商品を選ぶとき
テーブル上に設置されているメニュー・カトラリー・調味料・ペーパーナプキンなどに触れるとき

これらの場面での接触感染を想定し、ほとんどの店舗ではお客様に出入り口での手指消毒に協力を呼びかけ、お買い物かご・カートの消毒も行っているのではないでしょうか。
店内をこまめに清掃・消毒し、テーブル上にカトラリーや調味料を設置せず、レシートやお釣りの受け渡しをトレー上で行うことも日常となりました。

このような対策はもちろん有効なのですが、いわば従業員やお客様の感染対策リテラシーに頼っている状態です。
ウイルスへの危機感を持ち、感染対策への理解・協力が得られているうちは問題ありませんが、同じ状況が数年単位で続くとどうでしょうか?
慣れによる気の緩みや、感染対策リテラシーの低いお客様が来店されることも十分考えられます。

人の意識・行動といったソフト面だけに頼るのではなく、ハード面の整備も行ってこそ、十分な感染対策だと言えるでしょう。
そこでポイントになるのが「非接触化」です。
ハード面を可能な限り「非接触化」することで、接触感染のリスクを抑えることができます。

店舗における非接触ツールとしてまず思いつくのが、クレジットカードや電子マネーに代表されるキャッシュレス決済です。
端末にスマホやカードをかざす・挿入する、あるいはQRコードを読み取るだけで、直接お金のやり取りをすることなく支払いを完了できます。

最近では、買い物カートに読み取り端末を設置し、商品のバーコードスキャンから支払いまでのすべてをお客様単独で完了できるシステムを導入した店舗もあります。
お客様と従業員の接触を極限まで減らすことで、密集・接触・飛沫といった感染リスクの高い状況を回避できる画期的なシステムだと言えるでしょう。

ほかにも、メニューのデジタル化や接客なしで注文が完了するモバイルオーダーなどは、接触の機会を減らすだけでなく、混雑解消・業務の効率化といった面でも大きなメリットがあります。

◯オフィスにおける接触感染対策
今回のコロナ禍で、リモートワークやオンラインミーティングを導入した企業は多いのではないでしょうか。
しかし緊急事態宣言が解除されたあとは、感染対策に考慮しながらのオフィスワークに戻り、「どのようにして従業員の密集・接触を避けるか」について多くの経営者が頭を悩ませていることと思います。

オフィスには従業員の共有部分が多くあります。
たとえば、セキュリティゲートやエレベーターの操作ボタン、自動販売機、ドアノブ、電気のスイッチ、トイレなどです。

これらを非接触化する方法としては、顔認証による出入管理システム、手をかざす・スマホのアプリで操作できる「非接触ボタン」を搭載したエレベーター、センサーによる照明・空調管理などの開発が進んでいます。

身近なところで、オフィスのゴミ箱をペダル式にする、ドアや水栓を自動化するなど、取り掛かりやすい部分から非接触化を進めるのもよいでしょう。

ウィズコロナの時代、店舗もオフィスもデジタル化・分散化がテーマ

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国立新エネルギー・産業技術総合開発機構 技術戦略研究センター長の岸本氏によれば、これからのウィズコロナの社会的価値観として、デジタル化・分散化がより一層拡がるとされています。*1

デジタル化・オンライン化といったハード面の整備は、企業にかかるコストがハードルとなり得ますが、ハード面を整備していないがために顧客が減る・従業員が疲弊するリスクもあります。
コスト削減を意識しすぎるあまり、不十分な感染対策で職場内感染が拡大した場合、コスト面はもちろん企業の信頼にもダメージを与えることを念頭に置きたいところです。
今すぐ実行できる感染対策はもちろん、将来を見据えた先行投資として「職場の非接触化」に力を入れるときではないでしょうか。

一方、非接触の感染対策をとることで「人と人とのつながりが減るのでは?」という懸念もあります。
とくに飲食店や小売店においては、非接触化を進めることで「そっけない」「わかりづらい」といった不満をお客様が抱くことも十分考えられます。

「非接触」を意識しながら、人とのつながりや企業イメージを保つためには、企業としての感染対策への取り組みをわかりやすく提示した上で、システムの変化によってお客様が困ることのないよう、シンプルでわかりやすい説明・広告が必要です。
また、デジタル化や分散化によるスマートさ・シンプルさは、ともすれば「冷たい」印象を与えるため、働く人の笑顔・言葉かけといった「安心感」が今以上に求められるのではないでしょうか。

 

まとめ

新型コロナウイルスに限らず、感染拡大を防ぐには感染経路を遮断することが重要です。
これまで通り手洗い・消毒を徹底するとともに、人の密集・接触を避けることで「触れない・触れさせない」ことがポイントになります。
ただ、従業員やお客様の意識・行動だけに頼るだけでは、万全な感染対策とは言えません。
既存のシステムを見直し、デジタル化や非接触化によってウィズコロナの時代に対応する職場環境を整えることが大切ではないでしょうか。

【出典元】
*1
参考)コロナ禍後の社会変化と期待されるイノベーション像(経済産業省 国立新エネルギー・産業技術総合開発機構 技術戦略研究センター センター長・岸本喜久雄)
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/sangyo_gijutsu/kenkyu_innovation/pdf/019_02_00.pdf p.11-14

【画像】
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事業所・職場における新型インフルエンザ対策ガイドライン(厚生労働省)p.97
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/pdf/090217keikaku-08_0001.pdf

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https://www.photo-ac.com/main/detail/3737521?title=バーコードリーダーでキャッシュレス決済をする店員&searchId=105832290

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https://www.photo-ac.com/main/detail/3311904?title=ネットワークとビジネス&searchId=106093475

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【ライタープロフィール】
遠藤愛

 

 

 

看護師として約13年間病院勤務。外科・内科病棟、地域連携室、介護老人保健施設、訪問看護に従事。現在は看護師の知識と経験を活かしライターとして活動中。

 

 

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