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副業で所得を得た場合の確定申告は?所得の種類と申告方法、期限をすぎた場合の対応などについて

副業への関心が高まっていますが、一口に副業といってもその内容は様々です。
本業以外でのアルバイトやパート、クラウドソーシングでの業務委託、あるいは自分でブログやアフィリエイトサイトを運営するなど、いろいろな働き方が考えられるでしょう。

そしてこれらで得た副業収入について、一定の条件満たす人は確定申告をしなければなりません。
この記事では、それら副業で得た収入について、確定申告の方法や注意点を紹介します。

 

副業に関する所得の種類

「副業ではそんなに稼げているわけではない」と思っていても、確定申告が必要なケースに当てはまるひとは多くいます。
順を追って説明します。

まず「所得」といっても稼ぎ方によって所得税法上の分類が異なります。

①利子所得=預貯金や公社債の利子、公社債投資信託などの収益分配
②配当所得=株式や投資信託などの収益の分配
③不動産所得=土地や建物、船舶や航空機の貸付けによる所得
④事業所得=農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業から生じる所得
⑤給与所得=勤務先から受ける給料、賞与
⑥退職所得=退職金など
⑦山林所得=山林を譲渡することで生じる所得
⑧譲渡所得=土地や建物、ゴルフ会員権などの資産譲渡で生じる所得
⑨一時所得=懸賞金や損害保険の満期返戻金、法人から贈与された金品など、営利目的で得たものではない所得
⑩雑所得=①〜⑨どれにも該当しない所得。公的年金、副業所得(原稿料やシェアリングエコノミーなど)

この中で、一般的に言う「副業」で大きな関わりがあるのは⑤給与所得、⑩雑所得です。
何の副業をしているかによって税務上の所得の分類が異なり、所得の計算方法が違います。

ただ、共通しているのは、「副業の所得が年間20万円を超えると確定申告が必要」という点です。
年間20万円というと1か月あたり約16,666円ですから、多くの人は確定申告が必要だと考えられます。

 

副業の種類による確定申告

それぞれのケースについて説明します。

①アルバイトやパートの副業で給料をもらっている場合
副業がアルバイトやパート、つまり雇用されて給料を受け取っているという形の場合は、その副業収入は「給与所得」に当たります。
このケースでは、副業でもらっている給料が年間20万円以下であれば確定申告の必要がありません。よく「20万円ルール」と呼ばれるものです。

②副業で「雑所得」を得ている場合
どこかに雇用されるという形でなく副業をしている場合の多くは、その所得は「雑所得」にあたります。
クラウドソーシングなどで個人として原稿料や作業料を受け取っている、あるいはブログやアフィリエイトサイトの運用での収入、自分の車をカーシェアリングで貸すことで収入を得ている、といった場合はこれに当たります。

雑所得の場合も、20万円を超えれば確定申告が必要なことには変わりありませんが、この場合に意識したいのは「収入」と「所得」の違いです。

雇用されている場合と違って、必要経費も自分で支出していることになりますので、収入から経費を差し引いた「所得」が20万円を超えるかどうかで確定申告が必要かどうかが変わります。

なお、雑所得の計算については国税庁が下のような計算表を公表しています(図1)。


図1 副業に係る雑所得の計算表(出所「スマホで確定申告(副業編)」国税庁)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2019/kisairei/sp/pdf/03.pdf

携帯電話の通話料や通信費用など副業とプライベート兼用になっているものの場合は、使用量で按分して副業に関わる部分を経費として計上できます。

そして、アルバイトもそれ以外の副業もしている、という場合は、アルバイトの給与と副業での「所得=収入から経費を差し引いたもの」の合計が20万円を超えると、確定申告が必要になります。

 

確定申告の方法

確定申告をするには、いくつかの方法があります。

①税務署の確定申告会場に行く
期間中に、直接税務署の確定申告会場に書類を持っていくことができます。
この場合、用紙は税務署で直接、あるいは郵送で手に入れる、もしくは国税庁のサイトからダウンロードし、事前に作成し、領収書など必要書類を全て揃えて持参します。
経費については予め計算を済ませておきましょう。

専用の端末があり、職員の案内に従って作業していくと申告が完了します。
ただ、新型コロナウイルスの影響を受けて、確定申告会場は予約制になっています。
可能な限りオンラインで済ませたいところです。

②オンライン申告
国税庁「e-Tax」のサイトからオンラインでの申告も可能です。

マイナンバーカードを利用する場合はICカードリーダライタが必要でしたが、令和3年1月からは「Chrome×マイナンバーカード方式」というサービスがスタートし、こちらを利用する場合にはICカードリーダライタは必要ありません。
以下の環境で利用できます(図2)。

図2 Google Chrome、Microsoft Edgeからの確定申告に必要な環境
(出所「令和2年分確定申告特集(準備編)」国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/r02junbi/info-chrome.htm

なお、この場合、スマートフォンやタブレットで二次元バーコードを読み取る必要があります。

また、マイナンバーカードを利用しない場合は、税務署で対面でID・パスワードを事前に発行してもらい、それを使った確定申告が可能です。
職員と対面しなければなりませんので、この場合は早めに税務署に行きIDとパスワードの交付を受けておきましょう。

オンライン申告の場合は、マイナンバーカードがあった方が便利と言えます。
マイナンバーカードをまだ取得していない人は、市区町村の住民課で早めの手続きをしましょう。
申請からカードが届くまでに1か月以上かかることも珍しくありません。

マイナンバーカードがあると、対応機種であればスマートフォンやタブレットからの確定申告も可能になります(図3)。

図3 スマートフォンでの確定申告の流れ(出所「令和2年分確定申告特集(準備編)」国税庁)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/r02junbi/info-smartphone.htm

 

確定申告の期限を過ぎてしまったら・・・?

確定申告は基本的に、毎年1月1日から12月31日までの1年間の所得について、翌年の2月16日から3月15日までの間に完了しなければなりません。

遅れたり申告を怠ったりすると延滞税や重加算税が課せられます。
特に重加算税は大きな金額になりますので、「そんなに稼いでいないから確定申告しなくてもいいだろう」と考えてはいけません。

確定申告をきちんと行わなかった場合、以下のような加算税があります(図4)。いわゆる「追徴課税」です。

図4 正しい確定申告をしなかった場合の加算税(出所「加算税の概要」財務省)
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/tins/n04_3.pdf

所得を隠すなどの目的で意図的に確定申告をしなかった場合は重加算税が適用されます。

この場合、例えば本来納めるべき所得税が30万円だとしたら、その4割にあたる16万円が加算税として請求されます。

ただ、税務調査の開始前であれば加算税率が軽減されます。
間に合わなかった場合は早めに税務署に連絡しましょう。

なお、今年は新型コロナウイルスの影響での申告の遅れには一部柔軟な措置が取られています。
納税者が感染したり、濃厚接触の疑いがある場合、また発熱など感染の疑いがある場合、基礎疾患のある場合、緊急事態宣言が出されて移動制限がかかったりした場合には、延長を申し出ることができます。

しかしこの場合にも手続きが必要ですので、これらの事態に遭遇した、またその影響によって間に合わない見通しが立った段階で税務署に連絡・相談しましょう。

 

まとめ

税務署はマイナンバーなど様々な方法で調査をしているので、甘く考えないことです。
突然税務調査が来る、ということになってもおかしくはありません。
面倒と感じるかもしれませんが、スマートフォンでの申告など積極活用して下さい。

わからない点があればとりあえず税務署で教えてもらいましょう。確定申告時期は人員増加して対応してくれています。

また、注意点として、ここまで紹介してきた事例は所得税に関するものであり、住民税については別途申告が必要です。
また、医療費控除やふるさと納税などで確定申告を行う場合には20万円以下の副業所得であっても確定申告が必要です。

令和2年分の確定申告の専用サイトができていますので、そちらを見ながら、不明な点はすぐに問い合わせて円滑に申告できるようにしておきましょう。

<参考>令和2年分確定申告特集(国税庁)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/r02junbi/index.htm

 

<清水 沙矢香>
2002年京都大学理学部卒業後、TBS報道記者として勤務。
社会部記者として事件・事故、科学・教育行政その後、経済部記者として主に世界情勢とマーケットの関係を研究。欧米、アジアなどでの取材にもあたる。
ライターに転向して以降は、各種統計の分析や各種ヒアリングを通じて、多岐に渡る分野を横断的に見渡す視点からの社会調査を行っている。
Twitter:@M6Sayaka

 

 

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