「4月に採用したアルバイトが、GW明けから急に休みがちになった…」。そんな悩みは多くの職場で見られます。いわゆる「5月病」と片付けられがちですが、実際には職場の雰囲気や人間関係、仕事の負担が表面化しているケースもあります。
マイナビの調査では、GW後に仕事のモチベーションが下がると答えた人は58.8%、20代では73.5%という結果も出ています。この記事では、GW明けの欠勤や早期離職を防ぐために、現場ですぐ実践できる対応策を紹介します 。*1
*1 引用)マイナビ「中途採用・転職活動の定点調査(2025年1-3月)」図3
目次
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なぜGW明けに欠勤・退職が増えるのか
どうすれば新人アルバイトのやる気を高められる?
施策1:雰囲気・人間関係を見直す
施策2:「想定より仕事がきつかった」をなくす
施策3:「褒める」仕組みで成長実感を作る
施策4:「給料が上がる 」を“見える化”する
施策を定着させるための現場運用ポイント
欠勤連絡への返信で意識したいこと
まとめ
なぜGW明けに欠勤・退職が増えるのか
GWのような長期休暇を挟むと、4月の忙しさや緊張のなかでは気付きにくかった負担が表面化しやすくなります。新生活が始まって約1カ月が経ち、職場との相性や仕事の負荷を冷静に見直す余裕が出てくる時期でもあるためです。
また、4月は「まだ慣れていないから仕方ない」と自分を励ましながら働いていた人でも、連休を挟むことで気持ちが一度リセットされ、「このまま続けるべきか」と考え直すケースも少なくありません。特に学生アルバイトの場合は、授業やサークル活動など生活全体のリズムが見えてくる時期でもあり、仕事との両立を改めて見直すタイミングにもなります。
マイナビ調査によると、アルバイトの早期離職理由として多く挙がるのは「職場の雰囲気が良くなかった/自分に合わなかった」「上司/同僚など職場の人間関係が合わなかった」「想定よりも仕事がきつかった」といった、職場環境に関する要因です。*2
①職場の雰囲気が合わない
「職場の空気がピリついている」「声かけが少ない」「ミスをしたときの雰囲気が怖い」といった印象を持つと、新人アルバイトは「迷惑をかけているのでは」と感じやすくなります。結果として、出勤そのものの心理的ハードルが上がり、欠勤が増えることがあります。
まだ周囲の人間関係を十分に把握できていない新人は、先輩スタッフ同士の何気ない会話や忙しいときの強い口調を、「自分は嫌われているのではないか」と受け取ってしまうこともあります。先輩スタッフや管理職にとっては日常の雰囲気でも、新人にとっては大きなストレスにつながる可能性があることを意識しておきましょう。
②人間関係が合わない
新人アルバイトにとって、「誰に質問すればいいのか分からない」「忙しいと話しかけづらい」といった状況が続くと、孤立感が生まれやすくなります。人間関係の不安は、早期離職理由としても多く挙がる要因の一つです。
特にアルバイトは、研修期間が社員ほど長くないことも多く、現場で覚えながら仕事を進めるケースが少なくありません。そのため「聞けば教えてもらえる」という安心感がないと、分からないことを抱えたまま働くことになり、ストレスが蓄積しやすくなります。
③想定より仕事がきつかった
ピーク時の業務量や覚える内容の多さから、「思っていたより大変だった」「体力が追いつかない」と感じることも少なくありません。新人は業務の全体像が見えないため、「この大変さがずっと続くのでは」と感じると、離職を考えやすくなります。
また、求人情報や面接時の説明と、実際の業務とのギャップがあると、心理的負担はさらに大きくなります。忙しい時間帯にいきなり現場に入ると、「自分はこの仕事に向いていないのでは」と感じてしまうこともあります。
こうした理由を踏まえると、GW明けの対応では、雰囲気・人間関係・仕事の負荷を調整することが重要です。さらに、新人がやりがいを感じるきっかけを増やすことも定着につながるでしょう。
*2 引用)マイナビ「アルバイト就業者調査(2025年)」49p
どうすれば新人アルバイトのやる気を高められる?
マイナビの調査によると、アルバイトがやりがいを感じる瞬間として「一緒に働く人から感謝の言葉をもらったとき」「給料が上がったとき」「仲間と楽しく仕事ができたとき」「仕事の成果を褒められたとき」などが上位に挙がっています。*3
つまり、GW明けの定着対策として店長や採用担当者がやるべきことはシンプルです。離職につながりやすい要因(雰囲気・人間関係・仕事のきつさ)を減らしながら、やりがい(感謝・称賛・成長・昇給の実感)を増やすこと。ここからは、現場ですぐ実践できる具体策を紹介します。
*3 引用)マイナビ「アルバイト就業者調査(2025年)」47p
施策1:雰囲気・人間関係を見直す
1)慣れない仕事や環境への共感を伝える
新人アルバイトにとって、職場環境に慣れるまでは緊張がつきものです。教える側がその気持ちを汲み、理解していることを伝えるのも大切です。
例えば、次のような経験談を伝えると安心感につながります。
例:先輩スタッフ「自分も慣れるまでは来るだけでぐったりだった」
管理職「〇〇さんも慣れるまでは△△だったけど、今はこうして活躍してくれている」
新人は「自分はこの仕事に向いていないのではないか」「周りに迷惑をかけているのではないか」と不安に思いがちです。今、職場で活躍している先輩たちにも自分と同じ時期があったと知ることで、仕事を続けていくモチベーションにつながるでしょう。
2)「退勤時10秒」の感謝をルール化する
新人アルバイトが欠勤し始める時期は、「迷惑をかけているかもしれない」という不安を抱えているケースが少なくありません。そんなタイミングに感謝の言葉を伝えると、次の出勤への心理的ハードルが下がりやすくなります。
例えば、退勤時に次のような一言を添えるとよいでしょう。
例:「今日、ピーク前の補充をやってくれて助かった。ありがとう」/「復唱が丁寧でミスが減っていたね。助かったよ」
ポイントは、抽象的に褒めるのではなく“どの行動がよかったか”を具体的に伝えることです。
新人は「何を評価されたのか」が分かると、次も同じ行動を取ればよいと理解でき、安心感につながります。
また、こうした声かけによって、新人だけでなく先輩スタッフにとっても職場の雰囲気が良くなります。感謝の言葉が日常的に交わされる職場では、自然とコミュニケーションが増え、新人も職場に溶け込みやすくなるでしょう。
3)新人アルバイトの「質問先」を決めておく
新人アルバイトが不安を感じやすいのは、「誰に質問すればいいのか分からない」という状況です。そのため、質問先を明確にしておくことが有効です。
例えば、次のような方法があります。
・「困ったらまず〇〇さんに聞いてください」と決めておく
・新人をできる限り一人勤務にしない
・忙しい日は先輩スタッフを“声かけ役”として決めておく
責任者や店長が忙しい職場でも、役割を決めておけば雰囲気を安定させやすくなります。また、特定のスタッフを“バディ”に設定しておくと、新人にとって相談しやすい関係が生まれてきます。日常的に声をかける役割を決めておくことで、新人の孤立も防げるでしょう。
4)注意・指摘の言い方を統一する
新人アルバイトが離職を考えるきっかけの一つに、「叱られ方がきつい」と感じる経験があります。ミスの指摘は必要ですが、伝え方を工夫することで、職場の雰囲気の悪化を防ぎやすくなります。
おすすめの型は「①事実→②次の一手→③安心」です。
例:「オーダーが違っていた(①事実)。次は復唱してから行こう(②次の一手)。まだお客様が食べる前だったから大丈夫だよ(③安心)」
この順番で伝えると、「怒られた」という印象よりも「改善方法を教えてもらった」と受け取られやすくなります。さらに、この伝え方を職場全体で共有しておけば、誰から指摘されても受け止めやすくなり、対応のばらつきも防げるでしょう。
施策2:「想定より仕事がきつかった」をなくす
1)復帰初回は“軽めの役割”にする
GW明けの最初のシフトで、いきなりピーク配置に入ると「やっぱりきつい」と感じやすくなります。そのため、復帰初回は比較的負担の軽いポジションから始めるのがおすすめです。
例えば、
・仕込み
・補充
・洗い場
・ドリンク補助
など、難易度の低い業務から任せてみましょう。
さらに、「今日はスピードより、復唱ができていればOK」のように、評価ポイントを一つに絞って伝えると、新人アルバイトの心理的負担を軽くできます。
2)仕事を1つずつ任せる
新人アルバイトが「きつい」と感じる原因の一つは、仕事の全体像が見えないことです。「全部できない」と感じると、達成感も得られにくくなります。そこで効果的なのが、業務を細かく分けて任せる方法です。
飲食店での例:
<ホール>
・復唱
・配膳導線
・下げ物の優先順位
<キッチン>
・盛り付け1種類
・揚げ物補充
・洗い場の回し方
このように1シフト1テーマで任せると「できること」が積み上がり、成長実感につながります。
施策3:「褒める」仕組みで成長実感を作る
アルバイトがやりがいを感じる瞬間として多いのが、「成果を褒められたとき」です。これを偶然に任せず、仕組みとして取り入れることが重要です。
1)シフトごとに1回、具体的に褒める
褒めるときは「①行動→②影響→③期待」の型を使うのがおすすめです。
例:「声出しができていた(①行動)。厨房との連携がスムーズだった(②影響)。次もその感じでいこう(③期待)」
店長やバディからのこうした言葉は、新人にとって成長を実感するきっかけになります。
2)月1回、振り返りの機会をつくる
月末などに短い面談や声かけの場を設け、「できるようになったこと」「次にできるようになりたいこと」を確認する時間を作るのも効果的です。新人にとって、自分の成長を言葉にしてもらうことは大きなモチベーションになります。
施策4:「給料が上がる」を“見える化”する
今すぐに昇給が難しい場合でも、昇給の条件やタイミングを“見える化”することはできます。
例えば「昇給スキル表」を作る方法があります。
<例>
Level1:挨拶/復唱/衛生ルール
Level2:ドリンク作成/レジ補助
Level3:ピーク帯の段取り/新人フォロー
さらに、「1カ月後に面談して評価しよう」「できるようになったら時給の見直しを相談しよう」と伝えておくと、努力の方向性が分かりやすくなります。
施策を定着させるための現場運用ポイント
ここまで紹介した施策は、特別な制度を導入しなくても、日々のコミュニケーションやシフト運用の工夫で実践できるものです。大切なのは、「一度やって終わり」にしないことです。新人アルバイトが職場に慣れるまでには時間がかかるため、継続してこそ効果が出やすくなります。
例えば、「退勤時10秒の感謝」や「シフトごとの具体的な称賛」は、責任者や店長だけでなく、先輩スタッフにも共有しておくとよいでしょう。現場全体で声かけが行われるようになると、新人の安心感はさらに高まります。
また、シフト作成の段階でも、新人の定着を意識した配置が重要です。例えば、入社して間もないスタッフをピーク帯に連続して配置すると、体力的にも精神的にも負担が大きくなりやすいもの。可能な範囲で「経験のあるスタッフと組み合わせる」「比較的落ち着いた時間帯から入って慣れてもらう」といった配慮をすることで、「仕事がきつい」という印象を和らげられます。
さらに、新人が仕事に慣れてきた段階では、「任せる仕事を少しずつ増やす」ことも大切です。最初は簡単な業務から始め、慣れてきたら次の業務に挑戦してもらう。そうした段階的な育成を行うことで成長実感が生まれやすくなり、「この職場で働き続けたい」という気持ちにつながっていきます。
GW明けは、新人アルバイトが「この仕事を続けるかどうか」を考えやすい時期です。だからこそ、日常の声かけや業務の任せ方を少し工夫するだけでも、定着率の改善につながる可能性があります。大きな制度を用意するよりも、まずは現場で実践できる小さな取り組みを積み重ねていくことが重要といえるでしょう。
欠勤連絡への返信で意識したいこと
新人が欠勤の連絡をするときは、「迷惑をかけてしまった」「周りのスタッフはどう思っているだろう」といった負い目を感じやすいでしょう。そのため最初の返信で、安心できる言葉を伝えることが、その後の出勤継続にも影響します。
まずは、連絡をくれたことに対して「ありがとう」の気持ちを伝え、責めない姿勢を示すことが大切です。話しやすい雰囲気をつくり、「何かつらいことはある?」「話したいことがあれば聞くよ」といった言葉で、相談しやすいことを伝えましょう。
また新人にとっては、欠勤が周りにどう受け止められているかも気になるところです。「周りには自分から伝えておくから心配しないで」と伝えるなど、安心して戻ってこられる環境を整えていることも併せて伝えるとよいでしょう。
返信例:
| 連絡ありがとう。体調(都合)優先で大丈夫。次の出勤は、最初は軽めのポジションにするね。 不安があるなら、仕事内容・人間関係・シフトのどれが一番きついかだけ教えてほしい。 こっちで調整するよ。 |
欠勤した時に責めてしまうと、出勤への心理的ハードルが上がり、離職につながる可能性が高くなります。まずは出勤しやすい状況を整えることを優先し、本人が安心して戻ってこられるようなコミュニケーションを意識しましょう。
まとめ
4月に採用したアルバイトがGW明けから欠勤しがちなときは、「5月病」と片付けず、職場の雰囲気や人間関係、仕事のきつさを見直すことが大切です。その際に重要なのは「出勤させる」ことよりも「出勤しやすい環境をつくる」こと。退勤時の感謝、質問先の固定、軽めの配置、昇給条件の“見える化”などを通じて、小さな安心や成功体験を積み重ねることが早期離職の防止につながるでしょう。
<監修者プロフィール>
神谷町カリスメンタルクリニック 院長 松澤 美愛氏
精神保健指定医。慶應義塾大学病院での初期臨床研修を経て、同病院 精神・神経科に入局。精神科専門病院での外来・入院に加え、救急や総合病院でのリエゾン、国立病院・クリニックなど幅広い臨床現場で経験を重ねてきた。2006年より研修・勤務歴を持ち、企業の健康センター(例:三菱UFJ銀行健康センター)での勤務経験もある。2024年に神谷町カリスメンタルクリニックを開院し、こころの不調を抱える人に寄り添った診療を行っている。
企業向けには精神科顧問医契約によるメンタルヘルス支援を行うほか、採用面接(適応判断)への協力経験や、企業の健康管理部門でのフォローアップ業務にも携わっている。企業向けには精神科顧問医契約によるメンタルヘルス支援を行うほか、採用面接(適応判断)への協力経験や、企業の健康管理部門でのフォローアップ業務にも携わっている。
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