
2025年も終盤に差し掛かりました。この1年は、アルバイト採用の現場にとって大きな変革の年となりました。4月の育児介護休業法改正、6月の熱中症対策義務化、10月の過去最高となる最低賃金引き上げ、そして国際的な博覧会の開催。採用担当者の皆様は、次々と押し寄せる変化への対応に追われた1年だったのではないでしょうか。
この記事では、アルバイト採用担当者の方に向けて、2025年の採用市場の変化を総括し、2026年に向けて準備すべきポイントを解説します。この1年で起きた変化を振り返り、来年の採用戦略立案に役立つ情報をお届けします。
目次
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2025年に施行された法改正
労働市場の変化と採用手法の多様化
デジタル化・生成AI活用の普及
2026年に向けたトレンド見込み
まとめ
2025年に施行された法改正
育児・介護休業法の改正(2025年4月1日から段階的に施行)
改正育児・介護休業法により、下記の内容が義務化・努力義務化されました。アルバイト・パートタイマーも対象となるため、シフト調整の柔軟性がこれまで以上に求められます。特に主婦(夫)層・シニア層の採用においては、「育児・介護との両立支援制度あり」の制度充実が、採用競争力を高める重要な要素となっています。
・育児休業取得等に関する状況把握・数値目標設定の義務付け
・子の看護休暇の見直し
・所定外労働の制限(残業免除)の対象拡大
・短時間勤務制度(3歳未満)の代替措置にテレワーク追加
・育児のためのテレワーク導入 努力義務化
・育児休業取得状況の公表義務適用拡大
・介護休暇を取得できる労働者の要件緩和
・介護離職防止のための雇用環境整備 義務化
・介護離職防止のための個別の周知・意向確認等義務化
・介護のためのテレワーク導入 努力義務化
カスタマーハラスメント防止対策
2025年4月1日、東京都でカスタマーハラスメント防止条例が施行されました。さらに2026年度には全国での法制化も予定されており、企業には具体的な対策が求められます。
接客現場でのトラブルは従業員の離職要因にもなっており、企業の従業員保護姿勢が強力な訴求ポイントとなります。採用担当者としては、相談窓口の設置と周知、カスハラ対応マニュアルの整備を進めるとともに、面接時に「従業員を守るサポート体制」をアピールポイントとして活用することが重要です。
熱中症対策の義務化
2025年6月1日に施行された労働安全衛生規則の改正により、熱中症リスクの高い作業での体制整備・周知が義務化されました。屋外作業(駐車場誘導、イベントスタッフなど)や高温環境(厨房、工場など)をはじめとした職場では特に対策が求められました。水分補給の時間確保、休憩場所の整備などの具体的な対策を募集要項に明記することで、応募者の安心感向上につながります。
最低賃金の大幅引き上げ
2025年度の最低賃金は全国加重平均で1,121円となり、前年比63円の引き上げは過去最高を記録しました。
2025年10月から2026年3月の間に順次適用され、東京都では1,200円超え、地方都市でも1,000円の大台突破が相次ぎました。フルタイムのアルバイト1人あたり年間約12万円程度のコスト増となります。*1 最低賃金上昇により、募集時給額と最低賃金額の差が減少した企業は、時給以外の価値で差別化する戦略が求められています。
*1 1時間あたり63円×1日8時間×20日×12か月=120,960円として計算
労働市場の変化と採用手法の多様化
有効求人倍率減少下での人材確保戦略
賃上げによるコスト増などの影響で求人数は減少傾向にあり、有効求人倍率が減少しました。少ない求人枠でより職場にマッチした人材を採用する、精度の高い採用活動が求められています。
国際的な博覧会による関西圏の人材需要急増
2025年4月から10月まで開催された国際的な博覧会により、関西エリアでは時給が高騰しました。会場スタッフや周辺の飲食・宿泊施設での需要が急増し、関西地域の求人数・応募数ともに増加しました。博覧会終了後は、時給が減少傾向にあります。
スポットワークの一般化と市場の成熟
2024年から急成長したスポットワーク市場は、2025年には淘汰と再編の時期を迎えています。サービスの撤退や名称変更など、市場全体が変化しました。また、スポットワークサービスを利用するだけでなく、自社スポットワークアプリの開発や、公式LINEを活用した直接募集、既存スタッフからの紹介制度の充実などに取り組む企業も見られました。
ダイレクトリクルーティングの活用拡大
求人媒体への掲載だけでなく、企業から直接スカウトする手法が一般化しています。SNSを活用し、店舗の雰囲気を動画で発信したり、緊急募集や短期案件の告知を行ったりする企業が増加しています。
地域観光・イベントの本格回復
コロナ禍で中止・縮小されていた地域イベントが本格的に復活し、週末限定、短期集中型の求人ニーズが急増しました。学生・Wワーカーをターゲットにした訴求、交通費全額支給、まかない付きなどの特典強化を行う企業が多く見られました。
外国人採用の伸長
観光業の回復と在留資格の安定により、2025年は日本で働く外国人労働者は増加しており、約250万人に達すると予測されています。ベトナム・中国・フィリピン出身の人材が多く日本国内で働いています。*2 外国人材の受け入れには、多言語マニュアルの整備、翻訳アプリ・ツールの導入、「やさしい日本語」研修の実施を行うことが求められます。
*2 参考)マイナビ 「外国人労働者の出身国は?国別の内訳と今後はどの国が増える?予想を紹介」
デジタル化・生成AI活用の普及
モバイルオーダーの一般化
スマートフォンやタブレット端末といったデジタル機器の普及と、人件費高騰や人手不足対策としての省人化の流れを受けて、飲食店ではモバイルオーダーを導入する企業が増加しました。株式会社RJCリサーチが実施した調査によると、 約9割がセルフオーダーシステムを利用したことがあると回答しました。*3 飲食店の採用においては、ホールスタッフの仕事内容に変化が見られました。
*3 引用)株式会社RJCリサーチ「約9割がセルフオーダーの利用経験あり、若年層は“非接触”、シニア層は“会話”を重視」
生成AI活用の実践
採用活動にもAI活用が一般化しました。求人票文面の作成、チャットボットを利用した応募者とのやり取りの効率化など、あらゆる場面で生成AIが活用され始めました。
2026年に向けたトレンド見込み
1. カスハラ対策の全国展開と採用競争力への影響が想定される
2026年度中に予定されているカスタマーハラスメント防止の全国法制化により、従業員保護体制の充実度が採用競争力を大きく左右することが想定されます。東京都での先行事例を参考に、全国の企業がカスハラ対策を本格化させる年となることが予測されます。
具体的には、消費者向けにポスター掲示といった啓発活動やカスハラ対応専門チームの設置、AIを活用した音声記録・分析システムの導入、従業員向けメンタルケアプログラムの充実などが予想されます。
2. 最低賃金1,200円時代への突入と新たな差別化戦略が求められる
2025年度の最低賃金は全国加重平均で1,121円となり、2026年に向けて全国加重平均で1,200円に迫る最低賃金引き上げが予想されています。最低賃金の上昇により、企業間で時給差が出づらく、時給以外での差別化がより重要になります。
具体的には、身だしなみ規定の緩和、スキルアップ支援制度の充実(資格取得支援、オンライン学習プログラムの提供)、健康経営の推進(メンタルヘルスケア、健康診断の充実)、副業・兼業の積極的な容認など、新たな差別化戦略が必要となります。
3. 外国人材採用競争の激化が進む
近年は労働者数の増加が横ばいで推移しており、2026年は外国人材が難しくなる可能性があります。日本語教育支援の充実や生活支援の強化(住居サポート、行政手続き支援)などを通じて、外国人材に選ばれる職場づくりを進める必要があります。
4. 生成AI活用・デジタル化がさらに進む
2026年はさらに生成AIやデジタル機器が活用される見込みです。求人作成や応募管理といった業務にAIを活用することで、省人化が見込まれています。併せて、これらの機器・ツールを使いこなせる人材の育成と採用が求められます。
5. ウェルビーイング重視が進む
2026年は、従業員のウェルビーイング(身体的・精神的・社会的な幸福)がより求められ、育児・介護と両立しやすい柔軟な働き方の提供(完全フレックス制、リモートワーク可能な業務の拡大)やメンタルヘルスサポートの充実(カウンセリング体制、ストレスチェックの定期実施)など、従業員のウェルビーイング向上への取り組みがより求職者に求められることが想定されます。
まとめ
2025年は、アルバイト採用にとって大きな転換点となる1年でした。法改正への対応、最低賃金の大幅引き上げ、国際的な博覧会の影響、デジタル化の加速など、採用担当者にとって対応が必要な内容が多くありました。
2026年は、これらの変化がさらに加速し、カスハラ対策の全国展開、最低賃金1,200円時代の到来、外国人材活用の新段階、生成AIとの協働、ウェルビーイング重視の採用市場など、企業は変化に合わせた新しい戦略が必要となっています。
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<著者プロフィール>
株式会社マイナビ マイナビバイト編集部
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マイナビバイト編集部スタッフ。求人広告の営業職・制作職として約10年間求人広告の制作に携わる。『マイナビバイト』では大手クライアントを多く担当し月間で約5万件の求人を作成したのち、マイナビバイト編集部へ異動。現在は主に『ナレビ』の運営を行っている。