
1. はじめに
数年前と比較して「大学3年生のアルバイトが急にシフトを減らし始めた」「優秀な学生スタッフが就活で辞めてしまう」とお悩みではありませんか?その悩みの一因として、学生の就職活動を取り巻く環境の変化が挙げられます。
2026年卒学生のインターンシップ・仕事体験の参加率は85.3%、平均参加社数は5.2社と、いずれも過去最高水準に達しています。参加率の増加に加え、コロナ禍以降は対面開催の割合も高まっており、インターンシップ・仕事体験に参加した学生の35.0%が「対面が多い」と回答しています。*1
こうした変化は、学生の就活スケジュールや行動だけでなく、アルバイト採用市場にも大きな影響を与えています。実際に、大学生の 36.4% が「就職活動を意識してアルバイトをしている」と答えており、この割合は3年連続で上昇しています。*2
本記事では、三省合意によって新たに定義づけられた「インターンシップ」の運用ルールを踏まえ、アルバイト採用担当者が今後押さえるべきポイントと、大学生に選ばれる職場づくりの具体策を詳しく解説します。併せて、採用活動に活用できる大学生の就職活動のスケジュール資料もご用意しています。
*1 引用)株式会社マイナビ「2026年卒 大学生広報活動開始前の活動調査
*2 引用)株式会社マイナビ「大学生のアルバイト調査(2025年)」
目次
※各目次をクリックすると、読みたい内容をすぐにご覧いただけます。
2.インターンシップの新たな定義と「4類型」整理
2-1. インターンシップの再定義
2-2. 三省合意改正後のインターンシップの運用ルールがもたらす学生行動の変化
4. アルバイト採用担当者が押さえるべき「就活と両立のリアル」
大学生の就職活動はいつまで続く?就職活動後はいつから勤務できる?
5. 「就活に役立つアルバイト先」にするためにできること
5ー1.短期施策:シフト融通による「辞めずに済む」環境づくり
5ー2.中期施策:ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)に使える職場づくり
6. まとめ:大学生アルバイト採用で押さえるべき3つのポイント
2.インターンシップの新たな定義と「4類型」整理
2023年度から、文部科学省・厚生労働省・経済産業省の三省合意により、学生のキャリア形成支援活動は以下の4つの類型に整理され、インターンシップが厳格化されました。
2-1. インターンシップの再定義
タイプ1:オープン・カンパニー
学部1年生から参加可能な、企業説明会や業界研究イベント等。内容に制限がなく、柔軟なコンテンツ設計が可能です。
タイプ2:キャリア教育
大学と企業が連携して実施する授業形式のプログラム等。CSR活動の一環としても実施可能で、早期から学生に企業を印象付けることができます。
タイプ3:汎用的能力・専門活用型インターンシップ
最低期間が5日間以上必要で、かつ学生の参加期間の半分以上を職場での就業体験とする(テレワーク可)ことが必須。採用広報解禁後に限り、学生情報を採用活動に活用できるメリットがありますが、企業側もしっかりとした準備とリソースの確保が必要となります。
タイプ4:高度専門型インターンシップ
修士以上の学生を対象とした2カ月以上の長期インターンを中心としたプログラム。ジョブ型採用や高度専門人材の確保を目指す企業向けです。一定の条件を満たせば、学生の個人情報を採用活動に活用することも可能です。
三省合意改正後におけるインターンシップ運用ルールの詳細は、サポネットからご確認いただけます。
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サポネット 三省合意改正で何が変わった?2025年卒からの「インターンシップ」とは
2-2. 三省合意改正後のインターンシップの運用ルールがもたらす学生行動の変化
三省合意改正により、従来の「インターンシップ」とは大きく異なる運用が求められるようになり、学生の行動にも変化が表れています。
インターンシップ参加ハードルの上昇
三省合意改正の影響で、インターンシップの開催を試みる企業は増えています。しかし、インターンシップは原則5日以上のプログラムとなるため、運営上の都合で参加できる学生数を制限せざるを得ないケースも多く、学生にとって希望のインターンシップに参加するのは簡単ではありません。
実際に、「インターンシップ・仕事体験」に参加しなかった理由を調査したところ、「参加したかったが選考で落ちた」と回答した学生の割合は、三省合意改正前の2024年卒では12.6%だったのに対し、三省合意改正後の2025年卒では28.3%と大幅に増加しています。*3
*3 引用)株式会社マイナビ「2025年卒 大学生 広報活動開始前調査」
「オープン・カンパニー」や「仕事体験」の需要増。早期参加が主流に。
受け入れ人数の制限が少なく、学生にとって参加しやすい『オープン・カンパニー』や『仕事体験』が活発化したことで、早期段階からのキャリア活動が一般化しています。
就活費用の増加と経済的なゆとりの減少
就活の早期化・長期化・対面化により、交通費や宿泊費、スーツ代などの負担が増え、就職活動・就職活動準備のためにかかった費用は2022年卒の「24,958円」から2026年卒は「100,965円」まで増加しています。*4
*4 引用)株式会社マイナビ「2026年卒 大学生キャリア意向調査6月<就職活動・進路決定>」
アルバイトをしている大学生に「経済的なゆとり」の状況を聞いたところ、「経済的なゆとりがない」が54.8%で前年から5.6pt増加し、調査を開始した2022年以来最高を記録しています。*5
*5 引用)株式会社マイナビ「大学生のアルバイト調査(2025年)」
以上のような背景から、就職活動と両立しやすい職場が求められており、大学生のアルバイト探しの必須条件が「シフトの融通がきく」が42.8%と最も高い結果となっています。*6
*6 参考)株式会社マイナビ「大学生のアルバイト調査(2025年)」
3.2027年卒の就活スケジュールと主なイベント
| 3年(春) インターン選考、エントリーシート準備 3年(夏) 汎用的能力・専門活用型インターンシップ(5日間以上) 3年(秋冬) インターンシップ、仕事体験、OB・OG訪問 4年(春) エントリー・面接本格化 4年(6月以降随時) 選考開始、内々定者研修、卒業までのアルバイト・学業両立 |
用語の意味や詳しい時期をまとめた資料をご用意しております。ぜひダウンロードしてご活用ください。
上記のようなスケジュールで就職活動が行われる中、三省合意改正以前は大学3年生の秋・冬からインターンシップに参加する学生も一定数いました。三省合意改正以降は、低学年向けのオープン・カンパニーやサマーインターンシップが増加し、こうした機会を利用して早めに動く学生も見られるようになっています。インターンシップ・仕事体験に参加した大学生の70.6%が大学3年生の6月までに最初の【応募や申し込み】を行うなど、就活の早期化・長期化が起きています。*7
現在の大学3年生は2026年3月以降に本格化する就職活動により、大学2年生は2026年6月以降の仕事体験やインターンシップへの応募・参加に伴い、シフトの減少が見込まれます。
*7 引用)株式会社マイナビ「2027年卒大学生キャリア意向調査9月<インターンシップ・キャリア形成活動>」p7
4. アルバイト採用担当者が押さえるべき「就活と両立のリアル」
前述のとおり、
・インターンシップや選考の対面化による交通費増
・インターンシップ・仕事体験の参加社数の増加(平均5.2社)
・活動期間の長期化(大学3年生の6月以前のオープン・カンパニーや仕事体験参加)
が起きている影響で、大学生にとって就職活動とアルバイトの両立が重要視されるようになりました。大学生が「就職活動を意識してアルバイトをしている」割合が36.4%となり、こちらも3年連続で上昇しています。
日々の生活費や就活費用を確保するためにも、「アルバイトを続けたい」「シフトを増やしたい」と考える学生が多数いますが、シフトの融通が利かないために辞めざるを得ないケースやシフトを減らすケースもあります。
大学生の就職活動はいつまで続く?就職活動後はいつから勤務できる?
*8 引用)株式会社マイナビ「2026年卒 大学生キャリア意向調査10月中旬<就職活動・進路決定>」
大学3年生6月以降、シフトが減少する一方で、大学4年生の6月までに3人に2人が就職活動を終了しており、*8 アルバイトの勤務時間も1日8時間勤務する割合が14.3%と、他学年より高い傾向があります。*9
*9 参考)株式会社マイナビ「大学生のアルバイト調査(2025年)」
5. 「就活に役立つアルバイト先」にするためにできること
就職活動と両立しやすいアルバイト環境づくりは、アルバイトを採用する企業にとっても
・大学4年生の6月以降、卒業まで安定して長時間シフトに入ってくれる
・「就活と両立しやすい職場」として大学1~2年生の学生から選ばれやすくなる
・卒業まで定着することにより、採用コスト削減につながる
など、メリットが大きいものです。大学生のアルバイト採用にお悩みの方は、ぜひ以下のような施策の実施を検討してみましょう。
5ー1.短期施策:シフト融通による「辞めずに済む」環境づくり
1、就活応援制度の導入
・インターン参加休暇:月2日まで直前申請OK
・面接優先シフト:面接日程が決まり次第、シフト変更可能
・長期休暇制度:一時的な1週間〜1カ月の休暇後の復帰保証
2、内定後の優遇制度
・卒業までのシフト優遇:希望に応じた勤務時間の確保
・後輩育成ボーナス:新人教育担当として手当を支給
3、柔軟な勤務体系
・リモートワーク可能な業務の切り出し
・短時間シフト(2時間〜)の導入
・代替要員の確保体制
5ー2.中期施策:ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)に使える職場づくり
ガクチカに使える職場づくりのために、主体的に動ける環境の整備
・業務改善提案制度の導入
・新人教育担当としての役割付与
・イベント企画・運営の機会提供
定期的なフィードバックの実施
・定期的な1on1面談
・成長記録シートの作成
・スキル評価制度の導入
アルバイト採用や就活と両立できる職場づくりにお悩みの方は、マイナビバイトにご相談ください。
6. まとめ:大学生アルバイト採用で押さえるべき3つのポイント
三省合意改正による新たなインターンシップの定義づけは、学生の就活行動だけでなく、アルバイト採用市場にも大きな変化をもたらしています。今後は「就活と両立できる」「ガクチカに使える」バイト先が、学生から選ばれる時代です。
【ポイントまとめ】
・就活スケジュールの把握が必須
・シフト融通や就活応援制度は、今後ますます「選ばれる職場」の条件に
・「ガクチカ」に使える経験を提供することで、学生の応募・定着率アップに
大学生の行動も年々変化しています。最新の就活スケジュールを理解し、柔軟なシフト対応やサポート体制を整えましょう。アルバイト採用担当者は、制度変更を正しく理解し、学生のニーズに応える柔軟な施策を講じることで、採用成功と定着率アップを実現できます。
「就活に強いバイト先」として、ぜひ貴社の魅力を発信してください。さらに詳しいスケジュールは、ぜひ資料をダウンロードして大学生アルバイト採用の成功にお役立てください。
<監修者情報>
株式会社マイナビ HUMAN CAPITALサポネット編集部
K
HUMAN CAPITAL編集部のスタッフ。新卒領域の営業職として約10年間、企業の採用活動を支援した後、編集部に異動。現在は主に『HUMAN CAPITALサポネット』の運営を通し、新卒・中途採用ご担当者さま、経営者さま、さらには面接や育成に関わるすべてのビジネスパーソンに向け採用や育成のお役立ち情報を発信。
<著者情報>
株式会社マイナビ マイナビバイト編集部
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マイナビバイト編集部スタッフ。求人広告の営業職・制作職として約10年間求人広告の制作に携わる。『マイナビバイト』では大手クライアントを中心に担当し月間で約5万件の求人を作成したのち、マイナビバイト編集部へ異動。現在は主にアルバイト・パート採用担当者向けのWebメディア『ナレビ』の運営を行っている。