
看護師の欠員が出たとき、多くの医療機関がまず取り組むのは求人募集です。
しかし実際には、求人を出しても応募が集まらない、面接まで進んでも辞退される、採用できても早期離職につながる、といった悩みを抱えるケースが少なくありません。
看護師採用で重要なのは 、非常勤を希望する看護師 の多くが、自分の生活や状況に合う条件で、無理なく長く働ける職場を探している人が多いと理解することです。
本記事では、マイナビ看護師にて10年以上 にわたり看護師の転職活動のサポートを行ってきた 担当者監修のもと、看護師がアルバイト・パートなどの働き方 を選ぶ背景も踏まえながら、採用につながる求人票の書き方、面接後辞退を減らすための対応、定着率を高めるための情報の伝え方を解説します。
目次
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看護師採用が難しい理由は?アルバイト・パート(非常勤)の働き方を選ぶ看護師の背景
まとめ:看護師採用を成功させるには「応募」「辞退防止」「定着」の3段階で考える
看護師採用が難しい理由は?アルバイト・パート(非常勤)の働き方を選ぶ看護師の背景
看護師の採用が難しい理由は 、単純に「人手不足だから」で片づけることはできません。実際には、求職者ごとに情や希望条件が細分化しており、従来と同じ採用方法では応募につながりにくくなっています。
特に近年は、常勤以外の働き方を希望する看護師も少なくありません。背景には、たとえば次のような事情があります。
・子育て中で夜勤や土日勤務が難しい
・家族の介護と両立できる働き方を探している
・年齢や体力面を考え、夜勤や長時間勤務を避けたい
・ブランク明けのため、まずはアルバイトやパートから復帰したい
・学業や資格取得、副業と両立したい
・複数の勤務先を掛け持ちしながら働きたい
このように、非常勤を選ぶ理由はさまざまです。
そのため採用側 は、なぜ求職者が非常勤を希望しているのかを前提に、募集条件や求人票の伝え方を見直す必要があります。
厚生労働省の調査では、看護師の91.3%、 准看護師の92.4%が女性です。*1 求職者の多くが女性となるため、出産・子育て・介護・学業などのライフイベントとの両立のしやすさが採用上の重要なポイントとなります。たとえば、子どもの送り迎えがある場合、夕方以降の勤務や夜勤は現実的に難しいことがあります 。「本来は常勤を希望していても、準夜勤や夜勤の開始時間に家族のサポートが間に合わない」というケースもあります 。結果として、「本当は常勤を希望しているが、土日休みや16時まで勤務が叶わないなら、非常勤を検討する」という流れになりやすいのです。

*1 引用)厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」p2
体力面やライフステージの変化 で、働き方を見直す人もいる
看護師が非常勤を選ぶ理由として、体力面の負担も大きな要因です。以前は問題なくこなせていた夜勤も年齢に応じて「生活リズムが乱れやすく、体調を崩しやすい」「体力的に厳しくなってきた」と感じる看護師も少なくありません。
また、看護師の仕事は体力面だけでなく、精神的な負荷も大きい仕事です。常に緊張感のある現場環境の中で、体調を崩すことを経験するケースもあります。こうした背景から、休職した後に「まずは非常勤から復帰したい」「無理のない範囲で再スタートしたい」と考える人も います。
このような求職者は、働く意欲が低いわけではありません。むしろ、資格を活かしながら、長く働ける環境を慎重に探している状態です。
そのため求人票でも、
・夜勤の有無
・残業の実態
・業務負担の程度
・入職後のフォロー体制
といった情報を具体的に伝えることが大切です。
副業・掛け持ち・復職準備で非常勤を選ぶケースもある
非常勤を選ぶ看護師の中には、ダブルワークや学業、資格取得との両立を理由にしている人もいます。
たとえば、正看護師資格取得のために学校へ通っている人、美容分野の専門学校に通っている人、夜勤だけスポット的に働きたい人などです。

引用)厚生労働省「看護師等(看護職員)の確保を巡る状況」p7
実際に、2022年の有効求人倍率は全職業が1.19倍であるのに対し看護師は2.20倍と、一人当たり求人数が2.20件あり、他職種より多くの求人があることが伺えます。そのため、常勤で同じ職場に在籍し続けるだけでなく、自分に合う条件で働き方を調整しながらキャリアを続ける考え方が広がっています。
また、ブランク明けの人にとっては、最初から常勤に戻るのはハードルが高いものです。非常勤から慣れていき、将来的な常勤復帰を目指すケースもあります。採用側は、こうした段階的な復帰ニーズも想定しておく必要があります。
看護師採用を増やすには?求人票で見直したい3つのポイント
採用数を増やすためにまず重要なのは、求人票を「採用側が伝えたい内容」ではなく、「求職者が応募判断に必要な情報」がわかる形に整えることです。
看護師の求職者は、給与をはじめとした募集条件だけで応募先を決めているわけではありません。
自分の生活に合うか、無理なく続けられるか、働くイメージが持てるかを重視しています。
看護師求人票の見直しポイント1:求人票には「給与」だけでなく「続けやすさ」を書く
もちろん、給与は重要です。ただし看護師採用では、時給や月給が高いだけで応募が増えるとは限りません。求職者は給与とあわせて、次のような点を見ています。
・夜勤の有無と回数
・残業の多さ
・オンコールの有無
・配属先や業務負担
・一人で判断する場面の多さ
・家庭や生活との両立のしやすさ
・長期休暇の有無(夏季・年末年始等)
たとえば、高時給の訪問看護求人でも、オンコールや単独訪問の負担が大きければ応募をためらう人もいます。一方で、時給がやや抑えめでも、土日休みや残業の少なさ、時短勤務のしやすさが明確であれば、応募につながることがあります。
そのため求人票では、単に給与額を載せるだけでなく、その職場がどのように働きやすいのかまで伝えることが大切です。時給が高い場合も「なぜ高いのか(業務内容・責任範囲によるものか)」など納得感のある内容を提示することが必要になります。
家庭や私生活との両立のしやすさについても、「お盆期間も働かなければいけないのか(帰省シーズンに帰省できるのか)」など、私生活との両立がイメージできる内容を記載しましょう。
看護師求人票の見直しポイント2:情報が少ない求人は応募されにくい
看護師求人では、「詳細は面談で」「シフト応相談」といった曖昧な記載が見られることがあります。
しかし、こうした表現は柔軟に見える一方で、求職者にとっては判断材料が少なく、不安につながります。
特に看護師は、忙しい中で複数の求人を比較しているため、情報が少ない求人ほど後回しにされやすくなります。
応募を増やすためには、少なくとも以下の内容は具体的に記載したいところです。
・募集職種(正看護師・准看護師)
・雇用形態(正社員・契約社員・パート・アルバイト・夜勤専従など)
・配属先(病棟・外来・訪問看護・透析・デイサービスなど)
・仕事内容
・勤務時間
・夜勤の有無
・週何日から勤務可能か
・曜日固定や時短勤務の可否
・残業時間の目安
・土日勤務の頻度
・給与や手当の内訳
・勤務地やアクセス
特に非常勤採用では、「週2日から可能」「午前のみ相談可」「土日は月2回程度」など、応募条件を具体的に示すことが応募率に直結します。
看護師求人票の見直しポイント3:「通勤しやすさ」を重点的に記載する
看護師採用では、仕事内容や給与に加えて、通勤のしやすさも重要な判断材料になります。特に子育て中の看護師や、家庭との両立を重視する求職者は、通勤時間を最重要として考える方も多くいます。
実際にマイナビの調査でも「アルバイト・パートを探す際に、絶対になくてはならないこと」の1位は「自宅から近い(47.5%)」であることからも、通勤のしやすさを重視していることがうかがえます。

引用)マイナビ「アルバイトの就業者調査(2025年)」p35
そのため、勤務地情報として次の内容を記載すると効果的 です
・最寄駅からの所要時間
・車通勤の可否
・駐車場の有無
・バス通勤の場合は、 路線や最寄りのバス停
・訪問看護の場合は訪問エリア
「通える職場かどうか」は、応募前の大きな判断基準です。条件が良くても、通勤イメージが持てない求人は応募につながりにくくなります。
実際に、マイナビの調査では、自宅からアルバイト・パート先への通勤時間を質問したところ、女性の50.7%が「自宅から15分以内」までと回答しています。

引用)マイナビ「アルバイト就業者調査(2025年)」p15
面接後辞退を減らすには?看護師採用で見直したい面接対応
応募が増えても、面接後の辞退が多ければ採用にはつながりません。看護師採用では、面接そのものが辞退率を左右する重要な接点になります。
面接後辞退を防ぐには、条件のすり合わせを丁寧に行うことに加え、求職者に「この職場は自分をきちんと見てくれている」「 自分のスキルが必要とされている」と感じてもらうことが欠かせません。
面接のポイント1:勤務条件の認識ズレをなくす
面接後辞退の大きな原因の一つが 、勤務条件の認識ズレです。求人票ではよく見えても、面接で詳しく聞いた結果、想像していた働き方と違うと感じて辞退につながることがあります。
面接では、次のような項目を曖昧にせず確認することが重要です。
・土日勤務の頻度
・夜勤回数
・残業の平均
・時短勤務や曜日固定は本当に可能か
・子どもの発熱など、急な休みへの対応
・入職後すぐに求められる業務
・委員会や勉強会への参加有無
・訪問看護であればオンコールや独り立ちの時期
こうした点を求人票の時点で共有しておくことで、入職前後のギャップを減らし、辞退や早期離職を防ぎやすくなります。
面接のポイント2:「とにかく早く充足すればいい」と感じさせない
人手不足の現場では、早く採用したいあまり、面接が短時間で終わってしまうことがあります。しかし、勤務可能時間や入職時期だけを確認してすぐに内定を出すような対応は、求職者に不安を与えることがあります。求職者は、面接で次のような点も見ています。
・自分の経験を理解しようとしてくれているか
・転職理由や不安に耳を傾けてくれるか
・自分に合う働き方を一緒に考えてくれるか
・この職場で自分のスキル・経験がどう活かせるか
看護師は専門職としての経験や価値観を大切にしている人が多くいます。そのため面接では、単なる条件確認だけでなく、「なぜ応募したのか」「どのような働き方を希望しているのか」「これまでの経験をどう活かせるか」を丁寧に対話することが大切です。
面接のポイント3:求人票と面接内容を一致させる
面接後辞退を減らすうえで意識したいのが、求人票に書いてあることと、面接で伝える内容を一致させることです。
たとえば、次のようなズレは不信感につながります。
・求人票では「家庭と両立しやすい」とあるのに、面接ではシフトを優先してほしい旨を伝える
・「ブランク歓迎」と書いてあるのに、即戦力前提で話が進む
・「時短相談可」とあるのに、フルタイムの前提で質問される
こうしたズレは、求職者に「入職後も話が違うのではないか」と感じさせ、辞退につながりやすくなります。面接後辞退を減らすには、求人の見せ方と現場の実態、面接でヒアリングする内容を揃えることが基本です。
看護師の定着率を高めるには?入職後を見据えた情報の伝え方
採用できても、すぐに退職されてしまっては、欠員補充の問題は繰り返されます。
そのため看護師採用では、採用成功を「入職」だけでなく「定着」まで含めて考えることが重要です。
定着率を高めるためには、入職前に職場の実態をできるだけ正確に伝え、安心して働き続けられるイメージを持ってもらう必要があります。
定着のポイント1:求人票で職場の雰囲気やスタッフ構成を具体的に伝える
看護師の転職理由としてよく挙がるのが、人間関係や職場の雰囲気への不安です。
そのため、求人票や面接では条件面だけでなく、職場環境に関する情報も積極的に伝えることが重要です。
たとえば、次のような情報があると働くイメージが持ちやすくなります。
・スタッフの年齢層
・在籍看護師数
・中途入職者の割合
・子育て中のスタッフの有無
・男女比
・職場の雰囲気
・どのような人が馴染みやすいか
抽象的に「アットホームな職場」と書くだけではなく、実際のスタッフ構成や働き方が見える情報に置き換えることが大切です。
定着のポイント2:求人票で教育体制やフォロー体制を伝える
ブランクがある人や未経験領域に挑戦したい人にとって、入職後のサポート体制は非常に重要です。ここが見えないと、不安から応募をためらうだけでなく、入職後の早期離職にもつながります。
特に、自身の体調や子育てなどで一度離職してブランク期間がある求職者の場合、教育体制やフォロー体制が重要となります。
そのため、次の内容はできるだけ具体的に記載・説明したいところです。
・入職後のOJTの流れ
・先輩看護師のフォロー体制
・プリセプター制度の有無
・同行訪問の期間
・ブランク復帰支援の内容
・研修や勉強会の頻度
・独り立ちまでの目安
「最初は先輩が付き添う」「業務は段階的に任せる」といった一文があるだけでも、安心して応募しやすくなります。
定着のポイント3:子育てや家庭との両立支援は定着に欠かせない
前述の通り、看護師の9割以上が女性であることもあり、非常勤を希望する看護師の多くは、子育てや家庭との両立を重視しています。そのため定着率を高めるには、制度の有無だけでなく、実際に両立しやすい運用がされているかを伝えることが大切です。
たとえば、次のような情報は有効です。
・急な休みへの対応方法
・時短勤務者の在籍状況
・午前のみ/午後のみ勤務の実績
・産休や育休の取得実績
・有休取得率
・夏季休暇や年末年始休暇の取得状況
単に「子育て中の方歓迎」と書くだけではなく、実際にどう両立しているスタッフがいるのかまで伝えられると、入職後の働き方を想像しやすくなります。
定着のポイント4:入職前に期待値を調整する
定着率を高める には、良い面だけでなく、職場の実情も含めて正しく伝えることが大切です。
たとえば、業務量や繁忙時間帯、求められる対応範囲などを隠してしまうと、入職後のギャップが大きくなります。
看護師の定着には、次の視点が欠かせません。
・想定される働き方を正確に伝える
・できることとできないことを明確にする
・入職後に困りやすい点を先に共有する
・そのうえでサポート体制を示す
「思っていたより大変だった」というミスマッチを減らすことが、定着率向上の近道です。
まとめ:看護師採用を成功させるには「応募」「辞退防止」「定着」の3段階で考える
看護師の欠員補充では、求人を出すこと自体がゴールではありません。採用活動を成功させるには、次の3段階で考えることが大切です。
1. 応募を増やす
求職者が比較しやすい求人票にする
給与だけでなく続けやすさを伝える
アルバイト・パート等の働き方を選ぶ背景に合った条件設計を行う
2. 面接後辞退を減らす
面接で勤務条件を具体的にすり合わせる
求職者の経験や希望を丁寧に聞く
求人票と現場の実態を一致させる
3. 定着率を高める
職場の雰囲気や働き方を具体的に伝える
教育体制とフォロー体制を明確にする
入職前後のギャップを減らす
看護師採用では、求職者の事情を理解し、働き方の選択肢を広げる視点が欠かせません。
特に非常勤雇用 を検討している看護師は、生活や家庭、健康と両立しながら長く働ける環境を探しています。
だからこそ、採用側には、「人手が足りないから募集する」 だけではなく、「応募 しやすく、辞退されにくく、長く働いてもらえる求人にするにはどうするか 」という視点が必要です、
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<監修者プロフィール>

ヘルスケアソリューション事業本部 医療・福祉エージェント事業部
Uehara
マイナビ看護師にて10年以上、看護師の方々の転職活動をサポート。これまでに多くの看護師の方々と面談を重ねてきた経験をもとに、一人ひとりのご状況やご希望に寄り添った幅広いご提案を行っている。
口コミでも高い評価を得ており、現在は東海エリアでキャリアアドバイザーのマネージャーを務める。
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