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「採用数をどう増やす?」採用のプロ集団が採用管理システム(ATS)の活用方法を解説!【ベクトル社インタビュー後編】

近年、採用市場は厳しさを増しており、多くの企業が人材確保に苦労しています。少子高齢化の影響や、求職者の価値観の変化により、企業は従来の採用手法を見直す必要があります。応募後に採用につなげるためのコツや成功事例を探るべく、株式会社ベクトルの中内哲さんにお話を伺いました。

インタビュー前編では、採用活動が難航する中で企業が人材を採用するために、実態に即したデータ分析が不可欠であることを伺いました。特に、採用管理システム(ATS)を活用することで、応募から採用までの各プロセスの歩留まりを正確に把握できることがわかりました。

その一方で、採用管理システム(ATS)に入力されたデータが実際の状況を反映していないケースが多く、正確な分析を行えていないという現状も明らかになりました。

本記事は、インタビューの後編として、多店舗展開している小売業の事例を中心に、アルバイト採用の現場がATSを使いながら「採用を増やす方法」について、実践的なアプローチ方法を探ります。

目次

※各目次をクリックすると、読みたい内容をすぐにご覧いただけます。

施策1.「現場がATSを活用できない」を解消するためのサポート体制
施策2.「自社に合わないため不採用」を解消するためのターゲット選定
施策3.「面接後に辞退されてしまう」を解消するための面接研修
施策4.「採用後にすぐ辞めてしまう」を解消するための退職者インタビュー
株式会社ベクトル様 企業のご紹介
採用数を増やすなら採用管理システム(ATS)『Entry Pocket(エントリーポケット)』にお任せください。

施策1.「現場がATSを活用できない」を解消するためのサポート体制

アルバイトを採用している小売現場では、人手不足が慢性化していると語る中内さん。店長をはじめとした社員スタッフが店舗運営に忙しく、ATSの操作が店舗にとって大きな負担になっていることの解消方法についてお伺いしました。

―――まず、ATSが店舗現場に定着する以前の状況について教えていただけますか?

中内さん そうですね、 人手不足がここまで慢性化するより以前は、「ATSの入力が面倒」っておっしゃる店長もいらっしゃいました。「そもそもATSってなんぞや」「画面が見づらい」「面接日ってどうやって入力すればいいのか」「ログインできない」といったお問い合わせをいただくことが、数年前まで往々にしてありました。

―――そのようなお問い合わせには、どのように対応されたのですか?

中内さん ATS導入時に私たちのチームが一店舗一店舗アポを取って各店舗の現場を回って、時間をいただいてATSの使い方をレクチャーしたこともあります。具体的には、ログインの仕方、どのようにステータスを更新するか、面接日程をどう入力するか操作方法を一つひとつ説明しました。これにより、少しずつ理解が進んできたと思います。

少しずつ理解していただいた結果、以前と比較して「面倒くさい」とおっしゃる店長はもう全然いないんですよ。人手不足が慢性化しており、採用活動に力を入れなければいけないことを皆さん痛感しているので「応募者管理をATSでやらなきゃいけないもの」として認識していただいている感触です。

―――ATS操作について、他に現場が困っていることはありますか?

中内さん いま現場で直面している状況は、店長が店舗運営に追われていて「応募者管理が必要であることはわかっていても、ATSの操作が追いつかない。」という問題です。ATSに入力する時間が物理的に追いつかず後回しになってしまう、という方が多いですね。

そのようなケースは、現場に「どのような操作であれば対応しやすいか」をヒアリングしています。採用現場の皆様へのATSの浸透が、採用への重要な鍵となりますからね。ヒアリング内容をもとに時にはAPI連携を行い、ATSと別のサービスを連携させて操作を簡単な方法に変更することもあり、現場の工数を減らせるよう、各企業の採用工程に寄り添った提案を行っています。

施策2.「自社に合わないため不採用」を解消するためのターゲット変更

シフトなどの条件ではなく、人柄やカルチャーマッチという点で不採用になっている事例について、採用率が向上した事例についてお話を伺いました。

―――募集ターゲットを変更した企業の事例について教えていただけますか?

中内さん はい、以前は応募数を確保するために幅広いターゲットに向けて求人を出して、自社に合わないという理由で不採用となることが多かった企業がありました。その企業は以前は経験者と未経験者の両方募集を出し、生活習慣なども幅広く想定して、母集団を広げていたのですが、なかなか思うような結果が出ず、採用数も伸び悩んでいました。端的に言うと、他企業でご提示していた”たくさんの母集団から面接で選んでいただく“という手法が適さなかったんですよね。
そこで、思い切ってターゲットを絞ることにしました。不合格理由を分析し、なぜNGなのか、どういう方であれば合格となり得たのかをという点を協議しました。そうして最低限の必須要件を分類して、その母集団だけを確保しにいくための原稿作成を行い、その母集団だけは別の選考フローを設けて採用活動を行いました。
実際は、その中でも不合格者は出てくるんですが・・・。ただ、この思い切った取り組みをすることで、採用ターゲットが明確になり、結果として、募集ターゲットを絞ったことで採用人数は増加しました。前年と比べて約1.5倍の採用を実現できたんです。

―――どのようなアプローチをしましたか?

中内さん もうそのターゲットに特化してすべてを一新しました笑。求人で言えば、原稿内容、文言、写真をすべて入れ替え、ターゲティングメールのようなものもすべてそのターゲットのみに投下しました。
そのうえで、そのターゲットがどんな生活をしていて、どんなツールを使って連絡を取っていて、応募する際に何を気にするのか分析することから始めました。マイナビさんやその他求人媒体社様ご協力のもと、市場分析からすべて行いましたね。

たとえばカジュアル面談を導入して、より現場の雰囲気を知ってもらうように心がけたり、我々で代行している応募者との連絡についても、連絡方法や文面を変更したり、会社理解のための動画をメールへ挿入したりと、全体的な採用フローの見直しを行いました。

ターゲットを絞ったことで、採用活動の施策に独自性を出すことができ、かつ結果として、面接合格率も高まりました。また、合格可能性の高いターゲットには、個別フローをセッティングすることで選考も効率的に進むようになりました。今後も、さらにデータを活用して、どのアプローチが効果的かを見極めながら、柔軟に戦略を調整していくつもりです。

施策3.「面接後に辞退されてしまう」を解消するための面接研修

面接後に合格を出しても辞退されてしまい、採用に繋がらない問題についても、店舗の魅力を引き出す面接の重要性についてお話を伺いました。

―――面接についてはどのようにアドバイスをしていますか?

中内さん 課題に応じて、ご提案しています。座学式/ロールプレイング式の研修や、面接への同席/指導、面接スクリプトの作成等を行っています。面接官の皆さんに必ずお伝えしていることは、「面接を通して『好き』になってもらってください」ということです。
そのために、どんなことが必要なのかということを私たちからお伝えしたり、一緒に考えていただいたりしています。よくお伝えすることは、いま働いているスタッフに、「なぜ自分の店舗、チームで働いているのかを聞いてみてください」ということ。採用する側の立場よりも、実際にご入社いただく方に聞いた方が、実態に近いですからね。もちろん、法律に則った面接対応であったり、同席させていただき、“口説き方”をお伝えすることなども行っています。

―――実際に行う研修はどのようにしているのですか?

中内さん 私たちがこだわっていることは、その企業の応募者様をしっかりと理解した者が行うということ。外部講師による研修を行う企業様も多いと思いますが、私たちは、普段からコールセンターとして、応募者様と対峙しているので、より現場実態や同社の課題を理解しています。そのため、そのプロジェクト担当者が研修を行うケースが多いです。面接同席等までさせていただけている企業様ですと、より具体的な事例をリアルにお話することができるので、一般的なものと違って良かったと、ご満足いただけることもございます。

施策4.「採用後にすぐ辞めてしまう」を解消するための退職者インタビュー

どんなにたくさんのアルバイトスタッフを採用しても、最終的には定着する職場であることが大事であると語る中内さん。定着率を上げるための施策をお伺いしました。

―――退職理由は、どのような内容が多いのですか?

中内さん 人事や店長から伺うのは「家庭の事情」や「介護のため」といった理由が多いですね。ただ、退職者は店長には本当のことを伝えないことが多く、実際には、職場に対する不満が根底にあることが多いんですよ。私たちは「退職者インタビュー」というサービスも持ち合わせており、お電話で退職理由をヒアリング、インタビューを行っています。

クライアント様から許諾を得て、退職者情報を頂戴し、一人ひとり電話を掛けていきました。通常は、アンケート形式で、退職理由を回収することが多いと思いますが。
というかこんな手間のかかること、リスクのあることは普通やらないですよね笑

でも、直接お電話で話を聞くことで、本音をお話いただけるケースがあります。ある企業では「家庭の事情」という退職理由がほとんどだったのですが、インタビューの中で、「どのような環境があったら続けることができたのか」等をヒアリングすると、意外と退職しなくても良かったのではないか、といった実態が見えるようになりました。他にも、「店長に聞いても忙しくて教えてくれない」等の理由に対して、他店舗でヘルプ勤務した際は、マニュアルが整備されているため働きやすかった等の働く職場での具体的な改善点等もヒアリングすることができました。

―――ヒアリングした本当の退職理由を、どのように活かしているのですか?

中内さん 退職を選ぶ理由は多岐にわたりますので、さまざまな意見があるのですが笑
ただ、内容をレポーティングすることで、少なくとも傾向は見えます。そこに対して、人事の方と改善できることを協議しています。実際に、退職者インタビューを通じて、給与水準の見直しや年間休日の見直し(増加)を行った企業様もありました。あとは、入社後すぐに辞めるスタッフが多いという企業様においては、具体的に受け入れ体制にテコ入れを行い、教育の専任担当者を設置するという現場運用の改善に繋がった事例もありました。

株式会社ベクトル様 企業のご紹介

多くの事例をお話しいただきましたが、なぜここまで手厚く柔軟なフォローができるのか、企業の体制についてお伺いしました。

―――今回お話を伺い、データを基にかなり柔軟にサービスを提供している印象を受けました。なぜここまで柔軟な対応が得意なのですか?

中内さん 以前は、“応募を集めること”が採用において、大切なこととされてきました。もちろん「応募」が入らないと採用活動は進まないのは事実ですが、いまの時代、それだけでは、採用成功に繋げることはできません。

マイナビさんの前で、こんなお話するのも失礼ですが、いまの時代、なかなか「応募」って集まらないんですよね…。
重要なことは、入社に至るまでの離脱要因であったり、応募いただくターゲットの見直すこと等が必要であると考えています。

いまの採用市場において、これをすれば成功する、という採用活動なんてありません。
他社の取り組みを参考にすることは必要ですが、自社に合った“勝ち”パターンを理解し、そこに対して、取り組みを進めていくことが成功への一歩と考えております。

各社によって課題は様々です。
昨今は採用に関わる新しいサービスが色々とリリースされていますが、(チャットボットであったり、AI面接であったり)、自社の課題を正確に捉えないと、“ツール(=武器)”を導入しても、採用市場での戦には勝てないんです。
なので、私たちは、根底にある課題を把握することが、本質的な改善活動への第一歩であると考えています。そのために、いまあるデータに基づく分析は細かく行いますし、収集できていないデータはコールセンター機能を活用しながら、データを確保しに行きます。
私たちのような採用代行サービスも他にたくさんあるので…笑。
柔軟な対応が得意というか、そんな想いで取り組んでおります。

―――最後に、ベクトル社の今後の展望について、教えてください。

中内さん いまの日本は、これまで体験したことのない人手不足、人材不足に見舞われています。その中で企業が生き残るためには、「いかに入社してもらうか」「いかに長く働いていただくか」を考え、これまでのやり方を壊し、変えていかなければならない時代であると思っています。

課題が「採用領域」で解決できないこともあると思いますし、思わぬところに課題が潜んでいる可能性もあります。
私たちは、このような課題に対して、先陣を切って取り組む役割である「人事」の皆様をこれからも強くご支援していきたいと考えております。
私たちは、人事のトータルソリューション企業として、本質的な課題分析と改善施策の提案、施策実行までをご支援することができる強みと実績があるので、是非、「人事領域」に関わることであれば、小さいことでも構いませんので、ご相談いただければ嬉しく存じます。

 

株式会社ベクトル
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メールアドレス:info@vector-up.com

―――長時間のインタビューにご協力いただき、ありがとうございます!

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マイナビバイトでは、Entry Pocketという採用管理システム(ATS)をご用意しています。

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電話番号:0120-400-445
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