全国におよそ100店舗を展開するアミューズメント施設のラウンドワン。店舗面積が広く、各フロアにスタッフを配置するため多くのアルバイトが必要となりますが、2024年春現在、約9割の店舗で人員が足りている状況です。アルバイト募集に苦労する企業が多い中、なぜ必要人数の達成ができているのか。同社人事部の印南伸哉さんに、採用活動のポイントやマイナビバイトの活用方法をお聞きしました。
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目次
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DX化でアルバイト配置の最適化を行いシフトが充足
データに基づく人事主導の募集活動で、応募者増とコスト減を両立
初期研修や就職セミナーなど、さまざまなアイデアで離職者対策
募集職種の細分化など、応募者目線に立った“一歩先を行く”アドバイス
まとめ
DX化でアルバイト配置の最適化を行いシフトが充足
DXを推進している同社では、受付機を導入しセルフサービス化したことで、店舗で必要となる人員数が以前より減少しているそうです。とはいえ、どのように希望する募集者数を達成できたのか。募集活動について伺いました。
ーーー最近のアルバイトの採用状況はいかがでしょうか。
印南さん 毎年、卒業シーズンは人手不足が課題となりますが、今年は多くの店舗でほぼ過不足がない状況となっています。その理由として挙げられるのが、DXの推進とラウンドワンの認知向上。そして、アルバイト採用スキームの改善です。
ーーーまずは、DXの推進について詳しく教えてください。
印南さん 弊社ではDXを進めており、現在、ほとんどの店舗で機械によるセルフサービスの受付となっています。当初は完全無人化を目指して導入しましたが、私たちはお客様に楽しんでいただくアミューズメント施設です。楽しさを倍増させるためのスタッフの配置は必須と考え、受付スタッフを減らす一方で、そのほかの接客に注力する形にしました。その結果、全体で必要なアルバイト人数が減少しました。
ーーー認知向上はアルバイト採用にどのような影響がありましたか?
印南さん スポーツやゲームを楽しめるスポッチャが20周年を迎えました。お子様連れのご家族も訪れるほか、中高校生の方にも遊びに来ていただいており、ラウンドワンの認知が広がっていると感じています。そのためか、高校生などの若年層の応募が顕著に増加しています。詳しい分析はこれからですが、若年層のお友達同士での応募が増えている印象です。1回の募集につき複数人で一緒に応募してくださるので、応募者増加の理由のひとつになっているかもしれません。
もちろん、お友達同士で応募してくださった方は、できる限り一緒に採用させていただいています。
データに基づく人事主導の募集活動で、応募者増とコスト減を両立
印南さんが人事部に配属となってから着手したアルバイト採用スキームの見直しについて詳しい内容をお聞きしました。
ーーー採用スキームを改善したとのことですが、どのように変更したのでしょうか。
印南さん これまでは、各店舗からリクエストを吸い上げ、店舗の要望に従って媒体を選んでいましたが、本社人事部が過去のデータをもとに効果的な媒体などを選定するようにしました。 実は、店舗では「過去に反応が良かった・悪かった」という感覚的な推測から媒体を選ぶケースが多かったのです。支配人の感覚が正しい場合もありますが、その根拠となる事例が何年も前のもので実情とかけ離れてしまっていることもあります。似たような地域性の店舗で反応が良かった媒体が、別の地域でも有効なこともあり、データ検証を行うことでその地域、店舗の特性に合わせた募集が可能となりました。
一方で、店舗には月に1回、どの店舗に何名が在籍し、何の媒体で何名採用できたのか、応募者の属性なども含めた情報をすべて数値化して開示するようにしました。その結果、他店舗ではどのような媒体で募集が成功しているかを見ることができ、共通の認識を持てるようになりました。
ーーー応募結果が思わしくない店舗ではどのような対策をされていますか?
印南さん 時給を上げるなど、さまざまな対策を立てても反応が薄い地域・店舗というのは一定数存在しています。夕方の主力となる学生の反応は良い一方で、日中を担う主婦層やフリーターさんからの応募が振るわないといった時間帯での不足もあります。そこの対策は難しいところで、私たちも現在、データをもとに再検証をしています。
ーーーそのほかに、採用関連で改善したこと、新しく始めたことはありますか?
印南さん せっかく採用しても、離職が多くては現場で働く方々の負担が軽くなりません。アルバイトの人数がほぼ足りるようになった現在は、離職率の低下といった対策にも乗り出しています。
というのも、細かくデータを見てみると、離職者の多い店舗がいくつかあるんです。考えられるのは忙しさや客層、職場の雰囲気、人間関係などですが、原因はデータだけではわかりません。そこで、本社人事だけではなく、現場を知るエリアマネージャーを含めたチームでミーティングをし、対策を検討し始めました。今は原因となりそうな要素を洗い出しているところで、今後、具体的な対策を立てていく予定です。
初期研修や就職セミナーなど、さまざまなアイデアで離職者対策
ラウンドワンではコンプライアンスの観点や募集率アップ、長期で働いてもらうためにさまざまな施策を行っています。
ーーーラウンドワン全体で行っている、募集のための工夫について教えてください。
印南さん 募集時にうたっていて、ある程度興味関心を持ってもらえていると思うのは、1分単位の時給と1週間単位の希望シフト制でしょうか。時給に関しては、アルバイトのサービス残業が問題視された10年ほど前からこの形にしています。弊社はコンプライアンスを重視しており、制服への着替えも労働時間に入れています。
シフト制に関しては、7~8年ほど前からだったかと思います。当時は短くても2週間単位が多かったので、比較的インパクトはあったようです。
ーーー長く働いてもらうための施策は何かありますか?
印南さん 弊社は4ヶ月ごとに、この先アルバイトを続けるかの契約確認をしています。ここで更新をして続けていただくのですが、昇給のタイミングにもなっており、アルバイトの皆さんも雇用側の私たちも、改めて関係性を見直してスタートできていると思います。
昨年新しく始めたのは、就職活動に入る大学生向けに就職についていろいろと知ってもらうための就職セミナーです。皆さん、就職活動に入るとアルバイトを辞めようとするのですが、実際にはエントリーから試験、面接などは時間がかかるので、その間はふと暇になる期間があります。そういう時に、アルバイトをして気分転換しながらお小遣いを得るのも良いと思うんです。学生の方々の不安をフォローするのが一番の目的ではありますが、とりあえず辞めずにいてもらえたらというのが密かな狙いです(笑)。
ーーー人材育成ではどのようなことをされていますか?
印南さん 初動で辞めたくなる原因の大半は、いきなり1人で仕事をさせられてしまうことです。そこで、入社後の初期研修をマニュアル化してきちんと仕事を覚えてもらい、働くことへの不安をできるだけ早い段階で解消するようにしています。研修期間は20日間程度を設け、初日は支配人か副支配人が働くうえでの基本的な部分を説明します。2日目からは裏方の仕事を体験し、接客のロールプレイングをして慣れてもらいます。最終的には現場の判断になるものの、基本的には接客は5日目から。それもそばに必ず社員や先輩がつくようにするなど、取り決めています。
また、出勤ごとにカードにスタンプを押して、10個たまったら施設で使えるクーポン券を配布しています。20回出勤まで特典があり、まずは1~2ヶ月続けていただく仕組みを作っています。アナログな方法ですが、好評です。
ーーー「不正100選動画」というものがあるとお聞きしました
印南さん 弊社で作った、注意喚起の動画ですね。入社後、最初に見てもらっています。たとえば、3分遅刻してしまったけれど、事務所に誰もいなかったので出勤時間を打刻し忘れたことにして遅刻していない時間を申請する。ついやりたくなりますよね。でも「これは不正ですよ」「普段意識していないようなコレも、実は不正となりますよ」と、わかりやすくお伝えする動画です。具体的に何がダメなのかを理解していただけていると思います。
募集職種の細分化など、応募者目線に立った“一歩先を行く”アドバイス
日本全国に店舗があることから、ローカルの媒体を含め、多くの媒体を活用するラウンドワン。マイナビバイトの特徴や利用して良かった点をお聞きしました。
ーーーこれまでにマイナビバイトからのサポートで良かったものなどがあれば教えてください。
印南さん 新しいプランの提案やフィードバックはいつも参考にしています。募集の原稿も、その地域に合わせて良いものを作成してくれていると思います。
ご提案で特に効果があったのが、募集職種の細分化ですね。これまで大きく「フロアスタッフ」で募集していたのですが、何をするのかがわかりにくいのではと指摘をいただいていました。そこで、ボウリング担当、スポッチャ担当、カラオケ担当などと細分化して掲載したところ、反応が良かったですね。ボウリングマシーンのメンテナスについても、以前は「技術アルバイト」と記載していたのですが「機器メンテナンス」としたところ、ハードルが下がったのか間口が広がりました。今ではほかの媒体でも同じようにさせていただいています。
ーーー今後について、何か希望されること、やってみたいことはありますか?
印南さん 現在、希望人数は集まっていますので、来年の卒業シーズンに向けてこれを維持したいです。 今後の課題としては、アルバイト数が増えたことで、外国人雇用や障がい者雇用の割合が減ってしまったため、改めて改善していきます。
やってみたいこととしては短時間のスポットの導入でしょうか。近年、アルバイトの意識も変化し、隙間の時間に気軽に働きたい人が増えています。土日や学校の長期休みなど、繁忙期がハッキリしていながらも人数を集めにくい日はありますので、突発的な人員不足への対応として短時間バイトの採用を今後検討していきたいです。
まとめ
いくつかの店舗を除き、多くの店舗で必要なアルバイト数が確保できているという同社。人事部主導の募集活動に切り替えてデータによる分析を重視する一方で、現場の状況を支店長やエリアマネージャーと共有することも大切にしている点が成功の秘訣かもしれません。
※本記事の内容は取材時(2024年3月)の情報です。
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