アルバイトを活用する企業にとって、採用と同様に課題となるのが離職率の改善 です。手間と費用をかけて採用したものの、数日・数回で退職してしまうケースが後を絶ちません。中でも飲食店はその傾向が強いと言われていますが、飯田橋にある人気のお好み焼き店「もみじ屋」では、大学1、2年生で働き始めてから卒業まで勤める人がほとんど。 2023年2月にオープンした2店舗目となる神田店も、集客とともにアルバイトのオープニングメンバーが定着して順調な滑り出しを見せています。そこで、 神田店の店長・桜庭寿弥さんに、採用活動やアルバイトの育成方法などをお聞きしました。
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目次
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オープニングは無理をせず、既存店からも補充
アルバイトの心理的安全性のケアを重視し、働きやすい職場と育成環境を保つ
面接だけではわからないからこそ、まずは数回お試しで働いてもらい育てていく
マイナビバイトの担当者からは必要な時にアドバイスがあり、適度な距離感が保てている
まとめ
オープニングは無理をせず、既存店からも補充
大学生のアルバイトが中心のもみじ屋。毎年人手不足となる卒業シーズン直前の2月に新店がオープンとなる中、どのようにオープニングスタッフを揃えたのでしょうか。
ーーーアルバイトの採用活動について教えてください
桜庭さん 2月に神田店が新しくオープンし、2店舗体制になりました。飯田橋店は旧店から数えると40年続く老舗の店で、かなり以前から大学1、2年生で採用したアルバイトが卒業まで働いてくれ、卒業のタイミングで足りない人員を募集するといったサイクルで動いています。
マイナビバイトさんとは10年以上のお付き合いで、学生のアルバイトたちの卒業のタイミングに合わせて年1回、イレギュラーが発生した場合は年2回ほど依頼をしています。これまで、応募者および採用者がゼロだったことがほとんどなく、信頼してお任せしています。
ーーー新店舗である神田店の募集は順調でしたか?
桜庭さん 新店オープンに向けて、アルバイトのトレーニングも兼ねて飯田橋店では人員を増やし、少し余裕を持たせて回していました。また、オープニングスタッフは集まりやすいという話を聞いていましたし、人出が足りない時は飯田橋店から神田店に移動やヘルプをお願いすれば良かったので心配はなく、実際に問題なくオープンすることができました。
アルバイトの心理的安全性のケアを重視し、働きやすい職場と育成環境を保つ
もみじ屋では、大学1~2年生を中心に採用し、その多くが卒業まで勤めるそうです。長く働いてもらうための採用のポイントはあるのでしょうか。
ーーー長く続くアルバイトが多いそうですが、どのような工夫をされていますか?
桜庭さん アルバイトにとって居心地の良い環境とはどんなものかを考え、心理的安全性のケアを心掛けています。例えば、飲食店は忙しい時とそうでない時の差が激しいですよね。特に夜の営業は、いつ忙しくなるのかが読めません。先ほどまで暇だったのに、突然忙しくなることもよくあります。そして、忙しくなるとアルバイトへの対応がキツくなりがちです。
社員側は簡潔に素早く指示を出しているだけのつもりでも、アルバイトたちはネガティブに受け取る可能性があります。そういったことにならないような声掛けをしながら、その子が思ったことを素直に言える関係性の構築を心掛けています。同時に、1人に仕事が集中し過ぎて負荷がかかり過ぎないようにも気を配っています。
ーーー指示をする時に気を付けていることはありますか?
桜庭さん 指示を出してやらせるだけ」にならないようにしています。「あれやって」「これやって」と指示を出すだけでは、仕事が「作業」になってしまいます。接客業を選んでくれるような方にとって、言われたことだけをやる「作業」の積み重ねはつまらないんじゃないかと思います。
時間がある時はもちろん、忙しい時でもできるだけ、仕事の優先順位をどうやって決めるのかといった考え方から教えて、自分で対応できるまで見守るようにします。
もちろん、指示を出すことはあります。ただそういった時は、その日のうちに時間を見つけて、さっきはなぜその指示を出したのかを説明するようにしています。それを繰り返していくことで、次に同じような状況になった時に、自分で考えて行動できるようになっていくからです。
もちろん、人によって得意・不得意があり、一度伝えただけでは対応できない方もいます。それなら、2度、3度教えればいいだけです。覚えられないことが当たり前だと思って見守るようにしています。
中には当店の仕事のやり方や雰囲気にマッチしない子もいますが、それは最初だから慣れていないだけ。せっかく入っていただいたのだから、そういう方をいかにマッチさせていくかに力を入れていきたいと思っています。最初に戻って採用から始めるより、よほど効率が良いのではないでしょうか。
ーーー 一人ひとり、細やかに対応を分けているんですね
桜庭さん 成長速度は人それぞれです。最終的に出来るようになれば、覚えるのが遅くても問題ありません。それまではできる人たちでフォローすればいい。フォローと言っても、できる人子が代わりにやるだけではなく、得意な子が不得意な子に教えてあげるなど、アルバイト内でも教え合うように促しています。
結果的に作業量が増えてしまうなどの負担感に対しては、どこまで応えられているかはわかりませんが、時給 アップなどできる範囲で還元する姿勢を見せています。
ーーーアルバイト同士の雰囲気もよさそうですね
桜庭さん アルバイト歴でも学年でも先輩にあたる大学3、4年生が、 後輩にあたる1・2年生に教えることが多いですね。そうやっていると、1・2年生が先輩になった時に、今度は新しく入った後輩にきちんと教えてくれるんです。今は、そういう良い循環が生まれていますし、そうなるようにフォローしています。
おかげさまで、アルバイトたちからは「お金がもらえる部活動みたい」と言われています。そういった雰囲気が、長く働き続けていただいている理由のひとつかもしれません。
面接だけではわからないからこそ、まずは数回お試しで働いてもらい育てていく
アルバイトが長く続くためのポイントは育成であることが分かりましたが、採用時の取り組みについてもお聞きしました。
ーーー採用時に気を付けている点や、ポイントにしていることはありますか?
桜庭さん 学生のアルバイトが中心ですので、卒業シーズンである3~4月に人手不足となります。ただ、その時期はどの企業も人手不足になるので、マイナビバイトさんからのアドバイスを伺いながら掲載時期をずらすなどしています。
ーーー面接ではどのように接しているのでしょうか
桜庭さん Web面接は行っていないので、直接、顔を合わせてお話をさせていただいています。面接では、バイト経験や部活動経験などを聞き、どのようなことをしてきたのかといった経験値を推し量れるようなエピソードをお聞きしています。
どんな子が長く続くのかは、本当にまったくわかりません。ましてや面接の短い時間ではその方の人となりはもちろん、向き・不向きもわかりません。まずは1~2回、お試しで働いてもらうようにしています。そこで、お店の雰囲気や一緒に働く人たちと会うなどして、続けられそうかどうかを感じてもらえればいいと思っています。
何より、費用をかけてアルバイトの募集をしているのですから、せっかく来てくださった方には1人でも多く働いていただきたい。応募者が当店に合うのかどうかではなく、どうやって当店らしいスタッフになっていただくのか。どんなタイプの人であっても、その人に合った成長環境を提供することで「もみじ屋のスタッフ」に育っていくと思っています。
マイナビバイトの担当者からは必要な時にアドバイスがあり、適度な距離感が保てている
最後にマイナビバイトや、今後活用したいサービスに関してお聞きしました。
ーーー今後活用してみたいサービスなどがあれば、教えてください
桜庭さん 基本的には応募者とは直接会ってお話したいので、これまでWeb面接は検討してきませんでした。しかし、面接前の顔合わせのような形で使っている企業が増えているとお聞きしました。面接日を設定しても当日無断でキャンセルされる方は、残念ながら一定数います。そういったトラブルの防止になるそうなので、興味があります。
ーーーマイナビバイトからの提案やサービスなどで活用しているものはありますか?
桜庭さん 平均時給の相場観や市況観などの情報は、比較的細やかにいただけていると思います。時給アップに関してはなかなか簡単に対応できることではないのですが、この近辺でこの時給は難しいなど具体的な話をぼかすことなく話をしてくれるので、アドバイスをいただく都度、検討するようにしています。一方で、営業色が強くないので、ほどよい距離感でお付き合いができています。
まとめ
「アルバイトの心理的安全性をケアする」。今回の取材の中で聞いた、とても印象的な言葉でした。時間や手間を惜しまずに、一人ひとりに合った育成方法で接する、 その真摯な姿勢こそアルバイトたちが長く働くことに通じているようです。
相手を尊重して育てていくから、 お店(企業)にマッチした人材に成っていく。人材育成の秘訣を教えていただけた取材でした。
※本記事の内容は取材時(2023年8月)の情報です。
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