編集部コラム
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どんな志望動機が面接官に歓迎されるのか?

この時期になると、学生からの就職活動の相談が増える。

中でも多いのが
「どんな志望動機が面接官に歓迎されるのか?」
という相談だ。

多くの学生が困っている理由はよくわかる。

それまでは「正解」のある試験ばかりをやっていた学生たちが、
突如として正解のない世界に放り込まれるからだ。

しかも、就職活動は、受験とは重みが全く違う。
数十年間も続けなければならない「仕事」の入口が決まり、経済的な面や、キャリア形成などその後の人生を大きく左右する。
不安になるのも無理はない。

それなのに、就職活動の大半を占める「面接」は、不可解で、合格の基準は公開されておらず、個社ごとに質問も対応も全く異なる。
いや、同じ会社の中ですら、面接官が違えば、基準も変わる恐れすらある。

そして、面接で必ずどの会社でも聞かれるのが「なぜうちに興味を持ったのですか」という
志望動機にまつわる質問なのだ。
学生から聞かれることが多いのも、うなずける。

 

面接官をやっていたころの話

かつて勤務していたコンサルティング会社で、私は管理職だったので、かなりの回数、面接官をやったことがある。
そして面接のときは確かに、「なぜうちに興味を持ったのですが?」という質問をしていた。

なぜか。
それを知るには、面接の目的を知る必要がある。

当時、面接官は大まかに言って、次の2つの事項を確認していた。

1.仕事の能力が高いか(地頭の良さ、コミュニケーション力など)
2.一緒に働きたいか(性格、礼儀正しさ、カルチャーフィットなど)

これらはどこの会社でもほとんど共通だと思うが、1時間程度の面接でこれらをすべて確認するためには、応募者とかなり突っ込んだやり取りをする必要がある。

そして、そのためには「応募者との共通の話題」が必要だ。

例えば、「仕事の能力が高いか」を確認するためによく使っていた話題が、ケーススタディ(事例研究)である。
社内の勉強会で使われるような、実際にコンサルティングの現場であったことを応募者に投げかけ、解答してもらうのだ。

例えばこんな具合だ。

状況説明をした後、
「依頼したのに、どうしても宿題をやってこないAさんという人物が、クライアントにのメンバーの中にいる。では、Aさんに宿題をやってもらうために最も効果的な方法は何か?考えてほしい」と聞く。

この投げかけは、特に正解を求めるものではない。
応募者がどのように考えるのか、どのように我々を説得しようとするのか、応募者の能力を知るためのものである。
明晰な回答をした人物は実際のプロジェクトでも役に立つだろう、と考えるのは自然だ。

実際、若手コンサルタントの育成にも、ケーススタディは多用されていたため、社内の人材との比較で、能力を判断することもできた。

こうした現実の仕事に即した質問は、対策もされづらく、上述した仕事の能力を如実に反映するため、非常に有用だった。

ところがこうしたケーススタディは、実務能力は把握できるが、人柄や、当社とのカルチャーフィットについては判断がしづらい。

だから別の話題を用意して、応募者と会話をする必要があった。
ここで登場するのが「志望動機」だ。

志望動機は、主として「一緒に働きたいか」の確認のために使っていた。

例えば、「なぜうちに興味を持ったのですか」という質問に対して、バカ正直に
「何処でもよかったです」という回答をする人は、控えめに言っても、礼儀知らずだろう。
一緒に働きたくはない。
多少の世辞は、どのクライアントに対しても必要であるから、こうした人物を合格させることはない。

あるいは「給料が高いからです」という志望動機。

私はこういう正直な志望動機をいう人物が好きだったので、「一緒に働くのも悪くない」と思い、特に問題にしなかったが、同僚の中には「金、金いうやつは嫌い」というヤツもいて、それは問題になることもあった。

また、「御社貴社の掲げる経営方針をwebサイトで見たのですが、それに共感しました」という、極めて無難な回答をする応募者も多かった。

が、私はこういう無難な回答をする人物を「毒にも薬にもならぬ」と採用する気になれなかったが、同僚の中には「建前を言えるのは大事」と重視する人もいた。

つまり「志望動機」に正解はない。

その場にいる人達がどのように感じるかを前もって知ることは不可能であるし、たまたまひねくれている面接官に当たれば、「無難な回答」であっても、評価されない。

あえて言えば「経営方針に共感」という最大公約数的な回答が無難ではあるが、だからと言ってそれがプラスになるわけではない。

では結局、どんな志望動機が面接官に歓迎されるのか。

多くの人には、「無難な回答」を推奨する。
御社の方針、事業に興味があり~

といったやつだ。
が、そこでは特に、他の候補者と差別化できない。
評価上プラスにはならない、と認識すべきだ。

 

志望動機を逆手にとり、面接官を逆に試してやれ

ただ、私には志望動機に関して、一つ思い出がある。

志望動機に関して、無難な回答をした候補者が、最後の質問タイムで突如として、
「先ほど、志望動機を聞かれたのですが、逆に面接官の方々は、なぜこの会社で働こうと思ったのですか?」と、聞いてきたのだ。

私は、これは一本取られたな、と思った。
無難な回答をすれば、応募者の無難な回答は正当化されるからだ。

また、面接官がバカ正直な
「金が欲しかった」とか、
「第一志望ではなかったが、たまたま今の会社に拾ってもらった」
などといった回答をした場合、応募者もその「バカ正直さ」に乗じて、「実は……給料が魅力的だったのです」と、言うことも可能で、それは面接官の印象に強く残るだろう。

つまり、彼の、「志望動機を逆手にとり、面接官を逆に試してやれ」という試みは、大成功だった。

実際、私の同僚の面接官は、当時の思い出をペラペラ語り始め、面接の場はかなり打ち解けた雰囲気になった。

 

面接官に語らせろ

こうした話は、面接の場だけではない。
実はコンサルティングの現場でも、クライアントに気に入られるためには「クライアントに語らせなければならない」
のである。

一見、逆に見えるが、自分の口数は少なく、相手には語らせる。
これが、信頼関係の基本である。

つまり面接は「面接官が、思わず自分のことを話したくなる」ように仕向ければ、それだけで成功だと言える。

「志望動機」、それは結局、面接官との間の話題作りの一つに過ぎない。
そう考えれば、少し面接が気楽になるのではないだろうか。

ぜひ、面接を楽しんでほしい。

 

 

【著者プロフィール】

◯Twitterアカウント▶安達裕哉
https://twitter.com/Books_Apps

元Deloitteコンサルタント/現ビジネスメディアBooks&Apps管理人/オウンドメディア支援のティネクト創業者(http://tinect.jp)/ 能力、企業、組織、マーケティング、マネジメント、生産性、知識労働、格差について。

 






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