株式会社マイナビが調査した「派遣社員の意識・就労実態調査(2023年)」の内容から一部を抜粋し、派遣社員の採用に役立つ情報をご紹介します。
派遣社員を選んだ理由や正社員へ転換することへの意欲など、派遣社員として働く人材の意識や価値観を知ることができます。
さらに詳しいデータを知りたい方は、以下より資料をダウンロードしてご確認ください。
目次
派遣社員の就業意識と正社員雇用への意欲
・派遣社員を選んだ理由
・派遣社員と正社員のメリット比較
・派遣社員から正社員への転換意欲
派遣会社選びについて
・派遣会社への登録意欲
・知りたい情報と聞きづらい情報
・派遣会社に求めるフォローと頻度
同一の派遣先における昇給額と理想時給とのギャップ
同一の派遣先において初回契約時からの時給昇給額を算出したところ、全体の昇給額平均は69円でした。職種別では「機械・電気・IT・エンジニア」の昇給額が122円と最も高く、次いで高いのが「テレオペ・テレマーケティング」の93円です。
また、自身の働きに見合うと思う理想の時給額と現在の時給額とのギャップは、全体で204円、「機械・電気・IT・エンジニア」が319円と最もギャップを感じており、次いでギャップが大きい職種は「クリエイティブ系」の265円となりました。
引用)株式会社マイナビ「派遣社員の意識・就労実態調査(2023年)」p.12
派遣社員の就業意識と正社員雇用への意欲
派遣社員を選んだ理由
「責任が重くないから」「すぐに仕事に就けるから」「仕事内容・職場の雰囲気が合わなかった場合、職場を変えやすいから」など、正社員と比べて就業のハードルが低い傾向にあることを派遣社員を選んだ理由としている労働者が多いようです。
一方で、「正社員を希望していたが、希望条件に合う正社員の仕事がなかったから」と回答した労働者は、2022年と比較すると減少しているものの上位に挙がっており、正社員を希望しながらも派遣社員を選んだ労働者も多くいます。
引用)株式会社マイナビ「派遣社員の意識・就労実態調査(2023年)」p.11
派遣社員と正社員のメリット比較
派遣社員で最も高い値となったのは、「飲み会などの誘いなど断りやすく、人間関係で悩まない」で、反対に正社員では最も低い値となった項目です。
正社員で特に高い値となったのは、「雇用が安定している」「各種手当や福利厚生が手厚い」の2点で、この項目においても正社員と派遣社員では真逆の結果となっています。
派遣社員では人間関係の悩みが少ないことや、未経験でもさまざまな職種や企業への就業機会があること、正社員では安定した雇用や福利厚生の充実など、それぞれの雇用形態で異なるメリットを感じていることがわかります。
引用)株式会社マイナビ「派遣社員の意識・就労実態調査(2023年)」p.19
派遣社員から正社員への転換意欲
派遣社員として働く労働者の今後の就業意向としては、「正社員として働きたい」が最も高く、次いで「常用雇用型の派遣社員(無期雇用契約)として働きたい」が上位となりました。
また、「正社員として働きたい」と回答した人の中でも、「正社員になりたい時期」と「正社員になる難易度」については年代によって大きく意識が異なります。
引用)株式会社マイナビ「派遣社員の意識・就労実態調査(2023年)」p.20
派遣社員から正社員に転換されるケースは多くはないものの、自らの申し出による能動的な正社員転換、誘いを受ける受動的な正社員転換ともに増加傾向にあります。
「自ら申し出をしたことがあり、正社員化されたことがある」という回答は男女ともに20〜30代に多く、40〜50代と比較すると約10pt以上の違いがあります。*1
引用)株式会社マイナビ「派遣社員の意識・就労実態調査(2023年)」p.21
*1 参考)株式会社マイナビ「派遣社員の意識・就労実態調査(2023年)」p.123
派遣会社選びについて
数ある派遣会社の中から登録する派遣会社を選択する際に、求職者は何を重視しているのでしょうか。
求職者の意識や派遣会社に求める条件などをご紹介します。
派遣会社への登録意欲
「派遣会社への登録意欲が上がる条件」のTOP3
・高時給の仕事が多い 74.9%
・福利厚生が充実している 73.6%
・長期の仕事が多い 65.7%
「派遣会社への登録意欲が下がる条件」のTOP3
・短期・単発の仕事が多い 27.2%
・時短や週4以下など、フルタイム以外のお仕事が多い 20.1%
・在宅勤務の仕事が多い 17.5%
やむを得ない事情から正社員ではなく派遣社員として働く選択をする労働者も多くいるため、正社員と近い待遇が期待できる派遣会社に高い登録意欲を抱いていることがわかります。
引用)株式会社マイナビ「派遣社員の意識・就労実態調査(2023年)」p.14
知りたい情報と聞きづらい情報
派遣先に「登録」する際に知りたい情報・聞きづらい情報
「昇給・手当・賞与有無などの労働条件」「有給休暇・産休休暇・半休などの休暇制度」「社会保険・雇用保険などの福利厚生情報」など待遇面についての情報を知りたいと感じる求職者が多くいます。
また、「昇給・手当・賞与有無などの労働条件」「派遣3年ルールの対応や考え方」などの金銭面や雇用形態についての情報は「知りたいが聞きづらい」と感じる場合が多いようです。
派遣先を「選ぶ」際に知りたい情報・聞きづらい情報
「派遣先部署の雰囲気」「休みやすい派遣先かどうか」「職務内容の詳細や責任の範囲」など実際に働くことを想像し、職場環境や仕事内容についての情報が重要視されています。
「休みやすい派遣先かどうか」「昇給の実績や有無」については、「知りたいが聞きづらい」と感じる求職者が多い項目となっています。
引用)株式会社マイナビ「派遣社員の意識・就労実態調査(2023年)」p.13
派遣会社に求めるフォローと頻度
ほとんどの項目で派遣会社からの「フォローを希望する」が9割を超えています。
フォローの頻度については、「1ヶ月に1回程度」「3ヶ月に1回程度」「半年に1回程度」「1年に1回未満」が同じ程度の水準となっているため、フォローのタイミングをあらかじめ決めておくことは難しいでしょう。
また「現在の派遣元の担当者に満足な理由」についての調査では、「電話・メールなど、連絡頻度が適切である」がトップとなっているため、それぞれの派遣スタッフと綿密に連絡と取り、適切なフォローのタイミングを掴むことが大切です。
引用)株式会社マイナビ「派遣社員の意識・就労実態調査(2023年)」p.17
*2 参考)株式会社マイナビ「派遣社員の意識・就労実態調査(2023年)」p77
派遣3年ルールについて
派遣は短期の雇用調整形態であることから、同一の派遣労働者を派遣先の事業所における同一の組織単位(いわゆる「課」などを想定) に対し派遣できる期間は、3年が限度となっています。*3 |
この派遣3年ルールについては、調査した全ての職種で「悪い影響があると思う」が「いい影響があると思う」を上回っています。
また、「正社員登用の機会」や「キャリア形成のしやすさ」「スキルアップのしやすさ」については「減ったと思う」、「契約満了(契約解除)のされやすさ」や「派遣先を決める時に慎重になった」には「増えたと思う」と回答した労働者が多く、派遣3年ルールは派遣社員が感じる不安要素の1つとなっている可能性があります。
引用)株式会社マイナビ「派遣社員の意識・就労実態調査(2023年)」p.22
*3 引用)厚生労働省「派遣で働くときに特に知っておきたいこと」p.4
まとめ
派遣社員の採用・定着を成功させるには、「なぜ派遣社員を選んだのか」を理解する必要がありそうです。
正社員を希望している派遣社員と、自由度高くプライベートとの両立を希望する派遣社員とでは、派遣会社に求める条件や対応にも違いがあります。
今回紹介したデータは「派遣社員の意識・就労実態調査(2023年)」の一部となります。
そのほか詳細の就労意識・実態や定着のポイントなど、派遣社員の採用活動をするにあたって参考になるデータを公開しております。
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