株式会社マイナビが、派遣社員として勤務する20〜59歳の男女1,400名を対象に実施した「派遣社員の意識・就労実態調査(2024年版)」の調査内容から、一部を抜粋してご紹介します。
派遣社員を選んだ理由や今後の就業意向、正社員として働くハードル意識などについて、調査結果を示し、派遣社員の意識や価値観に理解が深まる記事としてまとめました。詳しい情報やデータが必要な場合は、以下の資料をダウンロードして、これからの人事や採用などに、ぜひご活用ください。
目次
※各目次をクリックすると、読みたい内容をすぐにご覧いただけます。
派遣社員の就労意向について
派遣社員として働く理由
今後希望する職種・雇用形態
今後の派遣社員意向
今後も派遣社員として働きたい理由
今後は正社員として働きたい理由
派遣社員から正社員として働くことへのハードル意識
派遣社員が感じている“正社員への壁”
正社員と派遣社員の働き方の違い
正社員化への誘いや申し出について
申し出により正社員化した割合は5割弱
派遣3年ルールによる影響
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派遣社員の就労意向について
企業には、正社員だけでなく、派遣社員として働く人も存在します。派遣として働く理由は一体どのようなことで、今後はどのような職種や雇用形態を希望しているのでしょうか。本実態調査の結果から、派遣社員の就労意向の傾向を見てみましょう。
派遣社員として働く理由
まず、アンケート対象者に派遣社員を選んだ理由を聞いたところ、最も多かったのは「責任が重くないから」で28.0%(前年比+2.4ptで最も増加した項目)となりました。次いで「正社員を希望していたが、希望条件に合う正社員の仕事がなかったから」(前年比-0.7pt)が24.4%となっています。
回答者の割合が最も増加したのは上述の「責任が重くないから」、続いて「急な休みもとりやすいから」(前年比+2.3pt)でした。また、最も回答割合が減少したのは「専門スキルを活かせるから」(前年比-1.8pt)という結果となりました。
引用)株式会社マイナビ「派遣社員の意識・就労実態調査(2024年版)」P.11
職種別・性別×年代別・就業経験別など詳細は、資料をダウンロードしてご確認ください。(参考:P33など)
今後希望する職種・雇用形態
派遣社員が今後就労を希望する職種は、概ね現在の職種と同じである傾向が高いです。その中で、現在の職種別にみると【テレオペ・テレマーケティング】では、現業の「テレオペ等」の他に「OA事務・一般事務」「パソコン操作・データ入力」を希望する比率が高いという結果になりました。
引用)株式会社マイナビ「派遣社員の意識・就労実態調査(2024年版)」P.105
対して、今後派遣社員として希望しない職種なども詳細のデータがありますので、ぜひ資料をダウンロードしてご確認ください。(参考:P109など)
今後の派遣社員意向
派遣形態は、大きく登録型派遣、常用雇用型派遣、紹介予定派遣の3つのタイプに分かれています。この3タイプを含む“派遣社員として現在働いている人”のうち、「正社員として働きたい」と答えた割合は26.6%という結果になりました。一方、「今後も派遣社員として働きたい」という意向を持っている人の割合は48.2%であることが分かりました。
引用)株式会社マイナビ「派遣社員の意識・就労実態調査(2024年版)」P.110
今後も派遣社員として働きたい理由
派遣社員全体でみた場合、今後も派遣社員として働きたいと考える理由の上位3つは、順に「責任が重くないから」が29.0%(前年比+2.7pt)、「仕事内容・職場の雰囲気が合わなかった場合、職場を変えやすいから」が22.4%(前年比+3.0pt)、「雇用保険・健康保険・厚生年金に加入できるから」が21.3%(前年比+0.2pt)という結果でした。
職種別でみると、【テレオペ・マーケティング】【医療・介護・福祉・教育】【配送・輸送・物流】で働いている人は、「働く日数・時間を自分で選べるから」「賃金が高いから」という回答の割合が、いずれも約3~4割と高くなっています。
引用)株式会社マイナビ「派遣社員の意識・就労実態調査(2024年版)」P.111
今後は正社員として働きたい理由
一方、今後は正社員として働きたいと考える理由として、全体では「賞与が欲しいから」を選んだ人の割合が70.8%と最も高いです。「雇用が安定しているから」と考えている人も60.3%と多くいることが分かりました。
現在の職種別でみると、【機械・電気・IT・エンジニア】の分野において、「正社員の方が教育訓練や研修が充実しているから」と考える人の割合が、全体より10pt以上高くなっています。【配送・輸送・物流】の分野では、「定年まで働きたいから」と回答した人の割合が、全体より10pt以上高いという結果になりました。
引用)株式会社マイナビ「派遣社員の意識・就労実態調査(2024年版)」P.112
2021年から時系列の比較の資料もあります。詳細は資料をダウンロードしてご確認ください。(参考:P113など)
派遣社員から正社員として働くことへのハードル意識
前述した調査結果によると、「賞与がもらえるから」「雇用が安定しているから」などの理由で、正社員として働きたいと考えている派遣社員が一定数いると分かりました。しかし、なぜ長年、派遣社員として働いている人が多いのでしょうか。派遣社員から正社員として働くことに、どのようなハードルを感じているのか、次の調査結果から読み解きます。
派遣社員が感じている“正社員への壁”
正社員になることが難しいと考えられる理由として、「正社員になるには年齢制限があると思うから」と回答した割合が47.7%と最も高く、続いて「今のスキルでは足りないと思うから」が30.2%でした。現在の職種別で分けた際に、特に割合が高かった回答としては、【オフィスワーク・事務】において「今のスキルでは足りないと思うから」が43.5%、【配送・輸送・物流】において「年齢制限が正社員になるにはあると思うから」が58.1%と、全体での回答割合と比較すると、それぞれ10pt以上高い結果となりました。
引用)株式会社マイナビ「派遣社員の意識・就労実態調査(2024年版)」P.115
派遣社員から正社員化への難易度・正社員化への時期などをまとめた資料もあります。詳細は資料をダウンロードしてご確認ください。(参考:P114など)
正社員と派遣社員の働き方の違い
正社員と派遣社員を比較して、それぞれの働き方にどのような違いを感じているのか分析しました。まず、回答割合において派遣社員が正社員を大きく上回ったのは、「未経験の業種・職種に就きやすい」「飲み会の誘いなど断りやすく、人間関係で悩まない」「時間的なゆとりがある」の項目でした。一方、「雇用が安定している」「各種手当や福利厚生が手厚い」「経済的なゆとりがある」の項目では、正社員の回答数が派遣社員を大きく上回っていました。派遣社員の働き方は、自分の時間を大切にできることが評価されており、正社員の働き方は安定性が高く評価されていると分かります。
引用)株式会社マイナビ「派遣社員の意識・就労実態調査(2024年版)」P.117
職種別・性別×年代別で正社員と派遣社員の比較をした資料もございますので、詳細は資料をダウンロードしてご確認ください。(参考:P118~146など)
正社員化への誘いや申し出について
派遣社員は、どのようなきっかけで正社員になるケースが多いのでしょうか。派遣先などから誘われるのか、自ら申し出るのか、調査結果から判明したその割合を紹介します。
申し出により正社員化した割合は5割弱
派遣社員から正社員化の申し出を行って、正社員化した人の割合は、49.1%と全体の約半数です。 職種別でみると、「派遣元・派遣先から正社員化の誘いを受けた」ケースが多い職種は【医療・介護・福祉・教育】で、「正社員化を自ら申し出た」ケースが多い職種は、【オフィスワーク・事務】となりました。
正社員経験の有無別でみると、正社員経験がある人が「企業側から正社員化の誘いを受けた」割合は34.5%で、正社員経験がない人の24.6%よりも高い数値であることが分かります。
引用)株式会社マイナビ「派遣社員の意識・就労実態調査(2024年版)」P.148
派遣3年ルールによる影響
派遣労働者が働く際は、「派遣3年ルール」が設けられています。これは、労働者の雇用の安定やキャリア形成に向け、2015年9月、労働者派遣法の改正によって定められたものです。派遣労働者は、同じ事業所で原則3年を超えて勤務できないとされています。
派遣3年ルールが適用されたことで増えたのは「契約満了(契約解除)のされやすさ」が34.9%で、「派遣社員で働くことのデメリット」が31.0%です。また、「将来の安心感」については、31.2%の人が減ったと回答しました。なお、いずれの項目も「特に変わっていないと思う」が50~60%台でした。
正社員登用の機会については、全体でみると「減った」と回答した割合が18.2%、「増えた」という回答が19.3%と同水準となりました。職種別でみても、その割合は全体と同様の傾向にありました。
無期雇用派遣、つまり長期雇用派遣への転換に関しては、全体でみると「増えた」と回答した人の割合が27.8%となり、「減った」と回答した人の10.8%を上回りました。職業別でみると、【サービス】で「減った」が若干上回ったものの、その他は全体と同様の傾向がみられました。
引用)株式会社マイナビ「派遣社員の意識・就労実態調査(2024年版)」P.154
引用)株式会社マイナビ「派遣社員の意識・就労実態調査(2024年版)」P.155
その他、派遣3年ルールで増減したことをまとめた資料もあります。ぜひ資料をダウンロードしてご確認ください。(参考:P155~162など)
まとめ
派遣社員は、派遣で働くことに「責任が重くない」「急な休みもとりやすい」というメリットを感じている一方、「賞与がもらえる」「雇用が安定している」などの理由で、正社員として働くことにも魅力を感じています。
とはいえ、正社員として働くことに対しては、年齢やスキル不足といったハードルを感じている人が多いという現状があります。派遣社員の正社員化を視野に入れる際は、スキル不足を補う研修制度や、働き続けやすい福利厚生面の見直しなど、受け入れ体制を整える必要があるでしょう。
本記事で触れている内容以外にも、派遣社員の意識・就労実態がよくわかるデータをさまざまな視点から集計しています。ぜひ資料をダウンロードしてご活用ください。
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