マネジメント・育成
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「インターン」する?「アルバイト」する? 2つの違いは何か

スタートアップ界隈で仕事をしていると、「インターンを活用しよう」という動きが結構あります。
ただ、この「インターン活用」、学生のアルバイトを採用するのと、一体何が違うのでしょう。

素朴に思った質問を、様々な人に投げかけてみると、
「お金が発生するかどうかじゃないの?」とか、「インターンは就業体験で、アルバイトは就業。」
とかいろいろな回答があります。

しかし、本質的に何が異なるのかといえば、結構曖昧な所も多いようです。

 

インターンは「お金ではなく、共感と経験」、「大きく成長できる」?

調べてみると、経済産業省は、「インターン活用ガイド」というものを公開しており、「企業の様々なステージで活用できる」と、言っています。

(出典:https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/intern/guidebook-all.pdf

中では「インターンを右腕として活用できる」「経営者と同じ目線で考えてくれる」などと書いており、本当にインターンで可能なのかと思ってしまいますが、ともかく経済産業省のガイドにはそう書いてあります。

そして、この中のQ&Aに「アルバイトと何が違うの?」という一節があります。

それによれば、
”インターン生は、 期間限定で自分が大きく成長できるような経験を積むことを求めてやってきます。そして、お金が目的ではなくビジョンや仕事内容、社長の実現したいことに共感して、会社にやってくるのです”
とあります。

要は、インターンは「お金ではなく、共感と経験」、「大きく成長できる」と、経済産業省が主張しているのです。

ホントかいな。

個人的な感覚としては、「インターン」も「アルバイト」も、仕事にコミットすれば、得られるものは非常に大きく、成長するのではないかと思っていたので、なんとなく引っかかります。

 

「インターン」と「アルバイト」の違いは、「獲得スキル」

そこで、「インターンと、アルバイト」を比較した調査がないかどうか、探ってみました。

すると、「キャリア教育の視点による、学生アルバイトとインターンシップの比較」という論文を発見しました。

そして、ここでははっきりと、「アルバイトとインターンシップの相違については、見解が分かれており、意見にばらつきがある」と述べられています。
やはり、多くの企業は、その違いについて、定義もなく、認識もしていないようです。

ところが、上の論文の私立大生への実地調査によれば、「インターン」と「アルバイト」の違いは、実は「獲得スキル」に明確な違いがあると述べています。

つまり企業側の意識としては「違いはわからないけど」だが、実際にそれをこなすと、獲得できるスキルがアルバイトとインターンは違う、という傾向があるようです。

それは何か。
この論文では、仕事で得られるスキルを、3つ定義しています。

「テクニカル・スキル」……知識やテクニック
「ヒューマン・スキル」……コミュニケーション能力や接客
「コンセプチュアル・スキル」……状況判断力、積極性、やる気

そして、「アルバイト」は特に、「ヒューマン・スキル」を獲得した経験を持つ学生が多い、という結果が示されています。

論文中では「アルバイト」を積極的に活用する業態が、「ヒューマン・スキル」を要求される業態、すなわち飲食、小売、サービスであるため、このような結果になっていると推測していますが、裏を返せば、あらゆる仕事の前提となる「ヒューマン・スキル」を身につけるには、アルバイトが良い、と言えます。

逆に、そうして身につけたヒューマン・スキルを基に、テクニカル・スキルが要求されるインターンに臨めば、成果も出やすいと言えるのではないでしょうか。
研究者たちは「短期のインターンシップでも、ヒューマン・スキルが身につくかどうかは、今後の課題」としています。

したがって、アルバイトの採用担当者はむしろ「アルバイトは、インターンをする前のヒューマン・スキル獲得のための場所として最適です」と主張するのも良いのかもしれません。

 

アルバイトを雇う際、始める前に知っておきたいポイント

なお、余談ではありますが「アルバイト」はインターンのような「就業体験」ではなく、立派な「就業」ですから、労働者としての様々な権利が、保証されています。

厚生労働省のページでは、「アルバイトを雇う際、始める前に知っておきたいポイント」というウェブページに、自主点検表を載せており、以下のようなチェックリストを提供しています。

こうした知識を、就職前に学生に与えることは、社会的に大きな意義があるばかりか、「とても良いアルバイト先だった」という印象を、学生に持ってもらうことも可能でしょう。

そう言う意味で、「インターン」ではなく「アルバイトを積極的にやってみませんか」というアピールも、採用の段階では有効だと考えます。

 

【著者】
安達 裕哉                               
1975年東京都生まれ。Deloitteにて12年間コンサルティングに従事。大企業、中小企業あわせて1000社以上に訪問し、8000人以上のビジネスパーソンとともに仕事をする。仕事、マネジメントに関するメディア『Books&Apps』を運営する一方で、企業の現場でコンサルティング活動を行う。

Twitterアカウント:https://twitter.com/Books_Apps






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