人材育成・マネジメント
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アルバイトのやり甲斐のために知ってほしい!メンタルヘルス対策のポイントとは

2015年12月より、従業員数が50人以上の事業所ではメンタルチェックが義務化されるなど、メンタルヘルスへの意識が高まっています。メンタルヘルス不調になってしまう従業員が出てしまうと、生産性も低下してしまうだけでなく、他にもさまざまな影響が出てしまいます。*1

そうはいっても、何に気をつければいいのかよく分からないという方も多いのではないでしょうか。

アルバイトのメンタルヘルス不調を防止し、生き生きとした職場を実現するためのポイントをご紹介します。

目次

メンタルヘルス不調による損失は計り知れない

不調になってしまう原因と注意しなければならないこと

「自己肯定感」を伸ばすことが大事になってくる

困難な状況に打ち勝てるようにするには

メンタルヘルス不調による損失は計り知れない

厚生労働省の「過労死等の労災補償状況」によると、過労などが原因で精神疾患にかかり労災申請した件数は、2018年度には1,820件となり近年増加傾向にあります。*2

一度メンタルヘルス不調に陥ってしまうと、元の状態に戻るのは容易ではありません。メンタルヘルス不調者が出てから対策をしていたのでは手遅れであり、未然に防止するということが重要です。

それでは、メンタルヘルス不調に伴う損失とは、どれくらいのものなのでしょうか?

日本全体で見た場合に、2009年を例にとると、自殺やうつ病が無くなった場合、経済的便益(自殺・うつによる社会的損失)の推計額は、約2兆7千億円にものぼります。労災補償給付や医療費の給付によって、これだけの負担が生じています。*3

これだけ大きな社会的損失が生じているとなると、メンタルヘルスに対する意識が高まるというのも納得できるのではないでしょうか。

では、アルバイトにメンタルヘルス不調者が出てしまうと、どのような損失が考えられるのでしょうか?

不調になった本人の生産性が落ちてしまうことに加え、シフト調整が必要になってくると、他の従業員にも負担がかかってしまいます。また、本人が辞めざるを得ない状態になった場合には、代わりの人員の確保などの手間やコストも生じてしまいます。

メンタルヘルス不調者を出してしまうと、このように多くの手間や損失が発生してしまいます。

メンタルヘルスチェックが義務付けられているのは、従業員数が50人以上の事業所です。

しかし、メンタルヘルス不調が社会問題化していることや、メンタルヘルス不調者を出してしまうと、さまざまなトラブルの原因になることを考えると、義務に関係なく積極的に取り組んだ方がいいということは、ご理解いただけるのではないでしょうか。

不調になってしまう原因と注意しなければならないこと

メンタルヘルス不調になるといっても、一番の原因は何でしょうか?

離職を考える原因として人間関係の悪さを挙げる人が、フリーターでは69.3%、大学生では35.7%との調査結果があります。また、外国人においても、職場の人とコミュニケーションがうまく取れないときにストレスを感じるとの回答が29.6%となっています。
さらに具体的に見ていくと主婦(夫)の場合、アルバイト先における人間関係での不満の調査結果では、不満の対象として上司(26.1%)、同僚(14.9%)、先輩(8.7%)、後輩(2.9%)となっています。フリーターにおいても、離職の決め手として、上司や店長に対する不満(50.1%)との結果が出ていることから、人間関係においては上司が一番問題になるというのが浮かび上がってきます。*4

ではなぜ、上司との関係が特に問題になりやすいのでしょうか?

上司は、他の従業員を指揮・監督する立場にあります。つまり、やり取りが噛み合わず指揮・監督がうまくいかないことが、問題につながっていると考えられます。

筆者は、とあるビジネス心理学のセミナーにおいて、やり取りが噛み合わなくなるということがどういうことなのかを体験しました。

講師から課題として与えられたのが、二人一組になり、一方の人がもう一方の人をランチに誘うというものです。この際に、あえて思考パターンが真逆になるようにして会話します。

例えば・・・

「時間がもったいないから、とりあえず駅前に行って、適当に決めよう」(まず行動しようとするパターン)

「せめて何を食べるのかくらい決めてから行こうよ」(決めてから行動に移ろうとするパターン)

・・・と、こんな具合です。他にも

「せっかくだから、おいしいものを食べたい!」(積極的に何かを得ようとするパターン)

「混んでるのは嫌だし、高いのは勘弁してほしいな」(問題を回避しようとするパターン)

このように思考パターンが真逆になると、会話が噛み合いません。

課題が終わってから、相手と感想をシェアしましたが、お互いにイライラした感じになるということで一致しました。

上司とアルバイトとのやり取りにおいても、思考パターンにズレがあるにも関わらず、気づかずに強引に押し通してしまうと、相手に強いストレスを与えてしまうことになります。

どうしても指揮・監督する立場ともなると、意志決定をして、それを他の従業員に伝えるということばかりに意識が向きがちです。

そうなると相手の話を聞くことがおろそかになってしまうので、注意が必要になってきます。アルバイトの話もよく聞いたうえでズレを把握し、適切に対処するということが重要です。

 

「自己肯定感」を伸ばすことが大事になってくる

メンタルヘルスについて考えるうえで、重要になってくる要素が「自己肯定感」です。自己肯定感が高ければ、自信に満ちあふれ、さまざまなことに積極的にチャレンジできるようになります。

それでは、今の若者の自己肯定感は、どうなっているのでしょうか?

以下に示すのは、自分自身のイメージに関して、各国満13歳から満29歳までの男女について調べたものです。「自分自身に満足している」と「自分には長所があると感じている」という項目について、以下のような結果が得られました。


引用)内閣府「令和元年版 子供・若者白書」P4
https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/r01honpen/pdf/b1_00toku1_01.pdf

日本の若者の「そう思う」と「どちらかといえばそう思う」の合計が45.1%と、諸外国に比べ低くなっています。諸外国の場合には、おおむね70%程度あることを考えると、日本の若者の自己肯定感は突出して低いということが分かります。

では、そんな日本の若者は、どんなことにやりがいを感じるのでしょうか?

調査結果によると、「感謝の言葉をもらえたとき」というのが、フリーター(61.0%)、主婦(夫)(63.2%)、大学生(52.2%)と、いずれの場合においても50%を超えていました。また、日本人のみならず外国人においても、お客様から感謝の言葉をもらったときにやりがいを感じると回答した人が37.1%と、外国人アルバイトにとっても感謝の言葉をもらえることが重要であることが分かります。*4

「ありがとう」という言葉をもらえると、自分の存在を認めてもらえたと感じ、自己肯定感も高まります。

よって、アルバイトが周囲の人から「ありがとう」という言葉をもらえるように、どのようにサポートしていくのかということが、顧客満足の向上だけでなく、メンタルヘルスのうえでも重要になってきます。

 

困難な状況に打ち勝てるようにするには

与えられた仕事の質や量と、自分の能力やコントロールとのバランスが取れていない場合、アルバイトは、大きなストレスを受けることになってしまいます。そうはいっても、人手不足で一人当たりにかかる負担が大きくなっている状況をどのように乗り切ればいいのでしょうか?

重要になってくるのが、「仕事の資源」と呼ばれるものです。

仕事の資源とは、就業条件(キャリア開発の機会、雇用の安定性など)、対人関係や社会関係(上司によるコーチング、社会的な支援など)、組織での仕事の進め方(意思決定への参加、コントロールなど)、課題(仕事のパフォーマンスに対するフィードバック、正当な評価など)を指しています。仕事の資源が豊富にあれば、仕事の要求度の高さに関わらず、バーンアウト(燃え尽き)と対極にあるとされるワーク・エンゲイジメントと呼ばれるものが高まることが指摘されています。*5

ワーク・エンゲイジメントは、活力、熱意、没頭がそろった状態であり、これが高まることでさまざまなプラスの効果があります。

以下に示すのは、ワーク・エンゲイジメントとストレスや疲労に関する認識について調べたものです。

引用)厚生労働省「令和元年版 労働経済の分析」P204
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/19/dl/19-1-2-3.pdf

これを見ると、ワーク・エンゲイジメントの値が大きくなるほど、疲労感が軽減されている様子が分かります。仕事の資源を整備し、ワーク・エンゲイジメントを高めることが重要であることが、ご理解いただけるのではないでしょうか。

また、ワーク・エンゲイジメントの効果は、これだけではありません。

以下に示すのは、ワーク・エンゲイジメントと顧客満足度の関係について調べたものです。

引用)厚生労働省「令和元年版 労働経済の分析」P202
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/19/dl/19-1-2-3.pdf

これを見ると、ワーク・エンゲイジメントが高くなるほど、顧客満足度も上昇している様子が分かります。

顧客満足度が高まることで、お客様から「ありがとう」の言葉をもらえるようになれば、アルバイトの自己肯定感のアップや仕事のやりがいにもつながります。

仕事の資源を整え、ワーク・エンゲイジメントを高めることを意識すれば、メンタルヘルス対策になるだけでなく、アルバイトのモチベーションを引き出し、顧客満足度を高めることも可能になります。

メンタルヘルス不調者が出るのを防ぎ、アルバイトが生き生きと働けるようにするために、ぜひご参考にされてみてはいかがでしょうか。

*1 参考)厚生労働省「ストレスチェック制度 簡単!導入マニュアル」P1
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/pdf/150709-1.pdf

*2 参考)厚生労働省「過労死等の労災補償状況」P15
https://www.mhlw.go.jp/content/11402000/000521999.pdf

*3 参考)厚生労働省「自殺やうつによる社会的損失」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000qvsy-att/2r9852000000qvuo.pdf

*4 参考)
・株式会社マイナビ「フリーターの意識・就労実態調査」2019年10月
・株式会社マイナビ「主婦アルバイト調査」2019年5月
・株式会社マイナビ「在日外国人へのアルバイト意識調査」2019年4月
・株式会社マイナビ「大学生アルバイト調査」2019年4月
https://nalevi.mynavi.jp/data/8871/

*5 参考)厚生労働省「令和元年版 労働経済の分析」P190
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/19/dl/19-1-2-3.pdf

 

 

黒田貴晴

コミュニケーションの問題や発達障害を専門的に扱う心理カウンセラー、フリーライター。NLPマスタープラクティショナー。職場の人間関係、発達障害によるコミュニケーションの悩み、その他、コミュニケーションスキルの不足による問題の解決をサポートしています。

 

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