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【2021年版】最低賃金の改定 | 各都道府県の金額を確認しよう

厚生労働省は2021年8月13日に2021年度の最低賃金改定を発表しました。
近年、各都道府県の引き上げ額がクローズアップされる機会が多くなっています。2021年度の引き上げ額に関しても、過去最高を記録するかたちとなり、注目されています。
実際に、どのように変化をしたのか、最低賃金に関する基本的な情報とともに述べていきます。

最低賃金に関して

最低賃金については厚生労働省のホームページ上で以下のように定義されています。

●最低賃金とは
最低賃金制度とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないとする制度です。
※出典 厚生労働省 【最低労働賃金とは】https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/kijunkyoku/minimum/minimum-10.htm

また、最低賃金には2種類存在します。最終的に適用される賃金は以下のどちらか金額が高いものになります。

●最低賃金の種類
① 地域別最低賃金
地域別最低賃金は、産業や職種にかかわりなく、都道府県内の事業場で働くすべての労働者とその使用者に対して適用される最低賃金として、各都道府県に1つずつ、全部で47件の最低賃金が定められています。

② 特定最低賃金
特定最低賃金は、特定の産業について設定されている最低賃金です。地域別最低賃金よりも金額水準の高い最低賃金を定めることが必要と認めた産業について設定されています。全国で228件(令和2年4月1日現在)の最低賃金が定められています。
※ 厚生労働省 【最低賃金の種類】
https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/kijunkyoku/minimum/minimum-11.htm

上記が最低賃金に関して、基本的な内容となっています。今回の記事では①の地域別最低賃金について解説していきます。

■各都道府県の最低賃金に関して
下の表1は2021年9月末までと、2021年10月以降の各都道府県の最低賃金との差額を比較したものになります。

表1 厚生労働省 地域別制定賃金の全国一覧をもとに作成
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/

特筆すべき項目は全国平均で28円という過去最高の引き上げ額となった部分です。
2020年度は新型コロナウイルスの感染拡大や、外出自粛の傾向が今よりも強く経済に非常な大きな影響を与えていたため、全国加重平均 額が1円だったという事実と比較すると、2021年度の引き上げ額の大きさがわかります。
その中でも秋田県・大分県は30円の引き上げ、島根県は32円の引き上げと全国トップの数値となっています。

 

最低賃金が引き上げられ続ける背景

最低賃金の引き上げが注目されるようになったのは、安倍晋三(元首相)が2015年の経済財政諮問会議で、GDP=国内総生産を2020年頃には600兆円まで増加させていくなかで、最低賃金も年率3%程度を目途に引き上げ、全国平均1,000円になることを目指すと表明した頃に遡ります。そして、2021年5月14日の経済財政諮問会議の中でも菅義偉(前首相)が”全国平均1,000円とすることを目指す”と表明していることから、今後も政府として前向きに取り組んでいきたい施策の一つであると予想されます。
引き上げに関しては労働生産性向上を目的として、今後も最低賃金の引き上げが続いていくことは予測されます。

 

事業者側が注意をしなければいけないこと

ここからは実際に給与を支払う事業者側が注意をしなければいけない点に関して述べていきます。

①最低賃金が適用される対象者
雇用契約に関係なく、すべての労働者に適用されます。
地域別最低賃金は、パートタイマー、アルバイト、臨時、嘱託など雇用形態や呼称に関係なく、各都道府県内の事業場で働くすべての労働者とその使用者に適用されます。

※以下の労働者については、使用者が都道府県労働局長の許可を受けることを条件に個別に最低賃金の減額の特例が認められています。
1. 精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い方
2. 試の使用期間中の方
3. 基礎的な技能等を内容とする認定職業訓練を受けている方のうち厚生労働省令で定める方
4. 軽易な業務に従事する方
5. 断続的労働に従事する方

一方、特定(産業別)最低賃金は、特定の産業の基幹的労働者とその使用者に対して適用されます。*1
※以下の労働者は適用対象外
・18歳未満又は65歳以上の方
・雇入れ後一定期間未満の技能習得中の方
・その他当該産業に特有の軽易な業務に従事する方

②派遣労働者の最低賃金
派遣元の事業場の所在地に関わらず、派遣先の最低賃金が適用されます。
派遣労働者の最低賃金において、以下のようなケースが想定されます。

Q,A県在住の私は、B県の派遣会社からC府のオフィスに派遣され働いていますが、適用される最低賃金はどうなるのでしょうか?
A,派遣先の事業場であるC府の最低賃金が適用されます。

図1 厚生労働省 労働派遣者の最低賃金は?より引用
https://pc.saiteichingin.info/point/page_point_haken.html

Q,A県の派遣会社からB府の会社に派遣されて働いています。その会社の業種はB府の「特定(産業別)最低賃金」にあてはまるのですが、適用される最低賃金はどうなるのでしょうか?
A,この場合、派遣先の事業場の所在地であるB府の最低賃金が適用されます。派遣先の事業場に特定(産業別)最低賃金が適用される場合は、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を支払う必要があります。

図2 厚生労働省 労働派遣者の最低賃金は?より引用
https://pc.saiteichingin.info/point/page_point_haken.html

③最低賃金の確認方法
支払われる賃金が最低賃金額以上となっているかどうかを調べるには、最低賃金の対象となる賃金額と適用される最低賃金額を確認する必要があります。
場合によっては、それが時間給・日給・月給などの様々なケースにわかれることが想定されます。
詳しくは、最寄りの都道府県労働局労働基準部賃金課室又は労働基準監督署におたずねください。
https://pc.saiteichingin.info/point/page_point_check.html

④中小企業事業支援について
厚生労働省は経済産業省と連携し、最低賃金の引上げにより、影響を受ける中小企業に対する以下の支援を実施しています。

・業務改善助成金
中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援し、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)の引き上げを図るための制度です。生産性向上のための設備投資(機械設備、POSシステム等の導入)などを行い、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げた場合、その設備投資などにかかった費用の一部を助成します。

ー以下の要件に当てはまる、全国の中小企業・小規模事業者が対象
1. 賃金引上計画を策定すること 事業場内最低賃金を一定額以上引き上げる(就業規則等に規定)
2. 引上げ後の賃金額を支払うこと
3. 生産性向上に資する機器・設備などを導入することにより業務改善を行い、その費用を支払うこと(単なる経費削減のための経費、職場環境を改善するための経費、通常の事業活動に伴う経費などは除外)
4. 解雇、賃金引下げ等の不交付事由がないこと など

・働き方改革推進支援センター
働き方改革に向けて、特に中小企業・小規模事業者の方々が抱える様々な課題に対応するため、ワンストップ相談窓口として、「働き方改革推進支援センター」を全国に開設しています。
ー働き方改革推進支援センターとは
就業規則の作成方法、賃金規程の見直し、労働関係助成金の活用など、『働き方改革』に関連する様々なご相談に総合的に対応し、支援することを目的として、全国47都道府県に設置されている支援サービス窓口のこと

 

まとめ

2021年度の改定では、全国的に大きく引き上げがされました。最低賃金に関しては毎年見直しがされており、事業者にとっては常に最新の情報を掴んでおくことが求められます。

最低賃金改定のスケジュールは、6月~7月のタイミングで引き上げの目安が示され、改定は10月上旬に設定をされるケースが多いです。

「準備ができていなかったから実際に給与をあげるのはもう少し後でいいか…」
「労働者も指摘をしてこないので、まだ対応しなくていいか…」

このように、事前に準備を行うことができずに、大変な状況にならないためにも、事業者側は余裕を持って行動をすることが望ましいといえるでしょう。

 

 

*1 参照元 厚生労働省 適用される対象者は?
https://pc.saiteichingin.info/point/page_point_target.html

 






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