新型コロナウイルスの拡大によって、マスクを付けることが日常になりました。
感染が広まり始めた当初はマスク不足になりましたが、現在は不織布マスクや布マスクなど、さまざまな種類が販売されています。
感染予防に有効なマスクですが、実は正しい付け方をしていないと効果がありません。
また、何らかの事情があり、マスクが付けられない人もいます。
このような場合、職場でどのようにしたら感染予防ができるでしょうか。
そこで今回は、マスクの正しい付け方と外し方、マスクが付けられないときの対処法などを解説します。
今一度、自分自身のマスクの付け方を確認するとともに、職場でも周知徹底をはかり、感染を予防していきましょう。
目次
マスクができないときの対処法。付けたくても付けられないときは?
マスクの効果とは?素材による違いについて
マスクの効果は、自分が出す飛沫を防ぐことと、ウイルスの吸入量を減らすことです。
この2つの効果を比較すると、前者の「飛沫防止効果」の方が高いと分かっています。
特に新型コロナウイルスの場合、無症状の人でもウイルスを排出する可能性があります。
厚生労働省は、発症の2日前から発症後7~10日間程度、他人に感染させる可能性があるとしています。*1
そのため、症状がなくてもマスクをすることで、飛沫を防ぎウイルスの拡散を減らせます。
コロナ禍では、冷感のあるマスクやおしゃれなデザインのマスクなど、さまざまなタイプのものが見られました。
一般的に使われるマスクの種類は、以下の3つです。
・不織布マスク
・布マスク
・ウレタンマスク
マスクの素材は肌触りや見た目だけでなく、ウイルスの拡散量・吸入量にも影響を与えます。
厚生労働省によると、不織布マスクと布マスクでは以下のような効果の差がありました。
・聞き手だけがマスクを着用
ウイルスの吸入量は、布マスクの場合17%減、不織布マスクの場合47%減
・話し手だけがマスクを着用
ウイルスの拡散量は、布マスクまたは不織布マスクで70%以上減
・両方がマスクを着用
両方が布マスクの場合70%減、両方が不織布マスクの場合75%減*2
このデータから、ウイルスの吸入量を少なくするには不織布マスクの方が効果的であることが分かります。
また、聞き手より話し手がマスクをすることで、ウイルスの拡散量が抑えられます。
さらに、会話時に全員がマスクをすれば、より高い感染予防効果が期待できます。
引用)厚生労働省 「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)マスクの効果について」
https://corona.go.jp/proposal/pdf/mask_kouka_20201215.pdf
マスクの正しい付け方と外し方を確認しよう
マスクを付けているだけで、なんとなく安心だと感じている人もいるかもしれません。
しかし、マスクは正しい付け方と外し方をしなければ、効果がなくなってしまいます。
マスクの正しい付け方と外し方、さらに注意するポイントをまとめましたので、ご自分のやり方を1度チェックしてみてください。
以下の説明は、主に不織布マスクを想定しています。
●正しい付け方
①マスクの上下と裏表を確認する
一見すると分かりづらいのですが、マスクには上下と裏表があります。
マスクの上側はワイヤーが入っている方、表側(外側)はプリーツが下向きになっている方です。
特に、裏表はマスクによって異なるのでパッケージを確認してください。
パッケージに書かれていない、もしくはパッケージを捨ててしまって分からない場合は、プリーツの向きで裏表を判断しましょう。
②ワイヤーを鼻にフィットさせる
鼻の形に合わせてワイヤーを曲げ、空気ができるだけ漏れないようにします。
③ゴム紐を耳にかける
④プリーツを広げ、顎まで覆う
⑤マスクが鼻、頬、顎に密着しているか確認する
ときどき鼻を出してマスクを付けている方を見かけますが、必ず鼻も覆うようにしましょう。
●正しい外し方
ゴム紐を耳から外し、ゴミ箱に捨てます。
蓋つきのゴミ箱、もしくはビニール袋に入れて密封して捨てるとより安心です。
マスクのフィルター部分は、ウイルスが付着している可能性があるので触らないように気を付けてください。
●注意点
①自分の顔に合った大きさのマスクを選ぶ
サイズが合わないと隙間ができやすくなり、マスクの効果が十分に発揮されません。
マスクには「ふつうサイズ」「小さめサイズ」などありますが、なんとなく選んでいる方も多いのではないでしょうか。
日本衛生材料工業連合会によると、以下の図のように指を使ってサイズの目安を知ることができます。
引用)一般社団法人 日本衛生材料工業連合会 「マスクについて マスクの効果と選び方編」
http://www.jhpia.or.jp/product/mask/mask2.html#q3
親指から人差し指までの長さが、
・9~11cmは子供用サイズ
・10.5~12.5cmは小さめサイズ
・12~14.5cmはふつうサイズ
・14cm以上は大きめサイズ
がおすすめです。*3
自分にぴったり合ったサイズを選ぶために、1度チェックしてみてください。
②マスクをつける前、外した後は手洗いをする
マスクを清潔な状態で付けるため、着用前に手を洗います。
また、外すときいつの間にか手にウイルスが付着している可能性があるため、外したあとも手洗いをするようにしましょう。
③汚れたらすぐ替える
汗や飛沫で、マスクは思っている以上に汚れやすいものです。
汚れたときは、すぐに替えるようにしましょう。
外出時は、予備のマスクを持っておくと安心です。
マスクができないときの対処法。付けたくても付けられないときは?
外出時のマスクの着用は浸透してきましたが、なかには肌荒れや感覚過敏でマスクが付けられない人もいます。
もし職場でマスクを付けていない人がいても、強要するのではなく「付けられない原因があるのかな?」と立ち止まってみましょう。
もしマスクを付けられない場合は、
・大声で話さない
・会話をするときは、人との距離を保つ
・話すときはハンカチを口元に当てる
など、他の対策を考えます。
特に大切なのは、咳エチケットです。
以下の図の2番と3番のように、直接手で口を覆うのではなく、ハンカチや衣服で口を抑えて飛沫を飛ばさないようにしましょう。
引用)厚生労働省 「咳エチケット」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000187997.html
不織布マスクで肌が荒れる人には、肌に優しい素材でできたマスクもおすすめです。
ただし【見出し1】にあるように、布マスクは不織布マスクに比べてウイルスの吸入量を減らす効果が弱くなります。
人が密集する場所にいるときや会話が増えるときは不織布マスクを使い、それ以外は布マスクにするというように、シーンに合わせて使い分けるのもおすすめです。
他には、不織布マスクの内側にガーゼを当てて、肌の負担を軽減させる方法もあります。
職場でのマスクに関する周知の仕方と感染予防対策
職場での感染を予防するためには、マスクの付け方や感染予防の考え方を共有することが大切です。
ここでは、マスクの効果を最大限に発揮するために職場でできることをまとめました。
①マスクの正しい付け方と外し方を知ってもらう
先述したように、マスクは正しい付け方と外し方をしてこそ感染予防効果があります。
ポスターや動画などさまざまなツールがあるので、職場に合った方法で伝えましょう。
②職場の備品としてマスクを用意する
マスクを忘れてしまった、汚れてしまったなど、急に新しいマスクが必要になることがあります。
このような状況にも対応できるように、備品としてマスクを用意しておきましょう。
③マスクを付けられない人には、個別に話しを聞く
何かしらの理由があり、マスクを付けたくても付けられない方がいます。
理由を知らないのに強要してしまうと、精神的に追い詰めてしまい、仕事のパフォーマンスが下がったりチームワークが悪くなったりします。
決して責めるような言い方をせず、まずはマスクが付けられない理由を個別に聞いてみてください。
そのうえで、マスク以外にできる対策がないか一緒に考えます。
必要に応じて他のスタッフにも状況を伝え、マスクが付けられない人に対する理解を求めましょう。
④マスクを過剰に信頼しない
マスクは感染予防の重要なアイテムですが、「マスクを付ければ絶対に感染しない」というわけではありません。
新型コロナウイルスの場合、飛沫感染だけでなく接触感染でも感染します。
感染予防は、手洗いや3密の回避など他の対策と同時に行うのが効果的なので、マスクだけに注力しないようにしましょう。
まとめ
マスクは正しいつけ方をしないと効果がありません。
職場での感染を予防するため、マスクに関する正しい知識を共有し、一人ひとりが実行することが大切です。
しかし、なかにはマスクができない人もいます。
職場全体で状況を理解し、お互いが納得できるような方法を選んでいきましょう。
【参照サイト】
*1
参考)厚生労働省 「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html#Q2-3
*2
参考)厚生労働省 「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)マスクの効果について」
https://corona.go.jp/proposal/pdf/mask_kouka_20201215.pdf
*3
参考)一般社団法人 日本衛生材料工業連合会 「マスクについて マスクの効果と選び方編」
http://www.jhpia.or.jp/product/mask/mask2.html#q3
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・著者:浅野すずか
・プロフィール:フリーライター。看護師として病院や介護の現場で勤務後、子育てをきっかけにライターに転身。看護師の経験を活かし、主に医療や介護の分野において根拠に基づいた分かりやすい記事を執筆。
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