「指示は出しているのに、アルバイトが思ったように仕事をしてくれない…」
「また作業のやり直し…二度手間になってしまった…」
このような経験はありませんか?
心あたりがあるとしたら、現場マネージャーとしてのマネジメント、特に、アルバイトへの指示のあり方を見直してみた方がいいかもしれません。
この記事では、現場マネージャーに求められる指示のあり方について、わたし自身が体験から学んだことを紹介します。
目次
現場マネージャーに求められるマネジメントにおける「的確な指示」とは
現場マネージャーの「的確な指示」が、長く働ける職場づくりにつながるというデータ
アルバイトへの指示が悪く、作業が二度手間になった話
わたしが、新規オープンしたばかりの飲食店の店長になってすぐのときのこと。
店のルールがスタッフになかなか定着せず、アルバイトに指示した作業のやり直しが多いことで悩んでいました。
例えば、店の入り口の地面の油染みを取る作業では、その範囲や程度の認識がわたしとアルバイトで異なっていることに、アルバイトのシフト終了後に気づきました。
また、ホールの清掃では、何度言っても券売機の上拭きがされるようになりませんでした。
アルバイトにしてもらえなかった清掃は、翌日に別のアルバイトが行うか、その日のうちに店長のわたし自ら残業して行うか、という状況でした。
そしていつの間にか、多くのルーティーン作業が「定期的に店長のわたし自ら行う作業」になってしまったのです。
他にも例を挙げればきりがないというのが、正直なところです。
このような中、地域マネージャーの臨店がありました(複数の店長を取りまとめるマネージャーが、管轄店舗を回り、店の状況を確認・評価するもの)。
多くの指摘がありましたが、一番印象的だったのは、アルバイトへの指示の仕方に関することでした。
「新店のわりに店が汚いね…清掃作業、アルバイトに振ってる?」
「………お願いはしているのですが、やり直しや、最終的にわたし自身で終わらせることも多くて…すみません、なかなか手が回っていない状況です…」
「何でそうなってしまうかわかる?」
「………」
「『言いっぱなし』になってない?作業を振ったら、途中でもチェックして、指示の通りに作業できているかどうかを確認しないとね。できれば評価まで。どこがよくて、よくなかったかまで具体的にね。評価までするのを想定して作業を振らないと。」
「確かに『言いっぱなし』になっていたかもしれません…」
「作業の終わりに評価することで、店のルールの徹底になるし、意志の疎通にもつながるんだよ。あとは、定着するまで辛抱強く続けること。次第にアルバイト同士で教え合うようになるし、一度店のルールが定着してしまえば、店長は『やっておいてね』と言うだけでよくなるよ。店舗運営がうまくいかないときは、大抵、店長の指示の仕方に問題があると思っておくといいよ」
正直なところ、「アルバイトが思うように動いてくれない」と心のどこかで責任転嫁してしまっているのを見透かされているようでした。
うまくいかない原因は、店長のわたしにあったのです。
現場マネージャーに求められるマネジメントにおける「的確な指示」とは
アルバイトへの指示でまずかったところとしては、その作業に対しありがとうと言うに留まり、評価していなかったという1点に集約されると思います。
これはさまざまな問題をはらんでいます。
■問題を置き去りにし、毎日同じような問題を繰り返す(アルバイトは日替わりのため、1度指導の機会を逃すとその問題は置き去りになってしまう)
■アルバイトもわたしの指示がよくないことを見抜いており、店長として軽く見られる
■店のルール、店長の指導を守らなくてもいい雰囲気が生まれる
わたしが店長をしていた店は、まさに上記のようになってきており、発言力のあるアルバイトが徐々にグループを作り始め、人間関係が固定化されるなどの問題も出てきていました。
毎日の営業における指示のひとつひとつは、小さなことかもしれません。
しかし、「的確な指示」ができないというのはちりも積もれば山となり、職場の人間関係にもつながることだったのです。
作業指示は、言いっぱなしになるのではなく、評価まで行うことを想定すること。そして、一度きりではなく、できるまで辛抱強く指導し続けること。
これが、現場マネージャーに求められるマネジメントにおける「的確な指示」だったのです。
現場マネージャーの「的確な指示」が、長く働ける職場づくりにつながるというデータ
各種データからも「店長などの現場マネージャーのマネジメントにおいては、アルバイトに対する『的確な指示』が『長く働ける職場づくり』においても極めて重要だ」ということがわかります。
マイナビの主婦(夫)アルバイト調査*1からは「アルバイトの多くが上司に『的確な指示』を求めている」ことがわかります。
引用:株式会社マイナビ「主婦(夫)アルバイト調査」2019年5月
アルバイトの63.4%がアルバイト先の理想の上司像として、「指示が的確」であることを挙げています。
他方、同調査*1によれば、「職場の人間関係に不満を持つ場合、上司に対して不満を持つ人の割合が高い」ということもわかります。
引用:株式会社マイナビ「主婦(夫)アルバイト調査」2019年5月
職場の人間関係に不満を持つ人のうち26.1%が上司に不満を持っているのは、上司に対する期待の高さの表れでしょう。
しかも、「職場の人間関係が、アルバイトが長く働ける職場かどうかの決め手のひとつ」*1だというのですから、現場マネージャーがアルバイトから強く求められる「的確な指示」がいかに重要かがわかります。
引用:株式会社マイナビ「主婦(夫)アルバイト調査」2019年5月
以上をまとめると、この通りです。
■アルバイトの多くは、上司に「的確な指示」を求めている
■人間関係に不満を持っているアルバイトの多くは、上司に対して不満を持っている
■職場の人間関係は、アルバイトが長く働けるかどうかの決め手のひとつになっている
ゆえに、現場マネージャーの指示のあり方は、単に作業指示だけでなく、長く働ける職場づくりという観点からも重要なのです。
まとめ
あなたは、アルバイトに指示するとき、何に気を付けていますか?
この記事では「アルバイトの評価まですること」を重視して紹介しましたが、「的確な指示」とはそればかりではないでしょう。
アルバイトの性格、得意・不得意まで把握すること
店が提供している価値を基準に判断し、指示・指導すること
作業指示をする際は、まずは手本を示した上で、数値的、時間的目標を付与すること
作業の途中では、必要に応じて中間指導を入れること
作業が完了したら「ありがとう」と伝えるのみでなく、作業内容について評価すること
各作業についてアルバイト同士で教え合わせるとともに、よくある間違いなどについて情報共有を図ること
わたしが店長をしていたときは、この記事で紹介したことも含め、上記のような点に注意していました。
もし職場づくりでうまくいかないことがあったとしたら、「的確な指示」のあり方について見直してみてはいかがでしょうか。
「店舗運営がうまくいかないときは、大抵、店長の指示の仕方に問題がある」とわたしの上司が言ったように、現場マネージャーのマネジメント、特に指示のあり方は、ちりも積もれば山となるものなのですから。
(*1)
引用)引用:株式会社マイナビ「主婦(夫)アルバイト調査」2019年5月
https://www.mynavi.jp/wp-content/uploads/2019/05/%E3%80%90%E7%A2%BA%E5%AE%9A%E3%80%91%E4%B8%BB%E5%A9%A6%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%90%E3%82%A4%E3%83%88%E8%AA%BF%E6%9F%BB.pdf
【著者】
めんおう
専業ライター。
大学卒業後、防衛省、民間企業を経てフリーランスへ転向。インターネット、働き方、英語、取材などを中心に活動。
ブログ:めんおうCOM(https://mennousan.com/)
Twitter:https://twitter.com/mennousan
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