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最高齢のマック店員は何歳? 高齢者アルバイトのメリットあれこれ

日本で、「いちばん北にある店舗」「標高がいちばん高い店舗」「いちばん歴史のある店舗」。
日本マクドナルドが50周年を機に開設した特別サイトでは、さまざまな「いちばん」を持つ店舗が紹介されています。

その中でも目を引くのが、「いちばん年齢の高いクルーがいる店舗」です。

「空いている時間を有効活用して何かをしたい」というきっかけで応募した「超高齢」とも言えるシニアクルーですが、シニアのアルバイトの雇用には、学生と違うメリットもあるようです。

 

90歳からマクドナルドで働き始めたクルー

マクドナルドの最高齢クルーとはどんな人なのでしょうか。

富山県の高岡駅南店に勤務する、93歳の男性です(2021年7月現在)*1。日本マクドナルドのサイトによると、この店で働いている最も若いクルーは15歳で、働いているメンバーの年齢層がいちばん大きい店舗でもあるということです。

この男性は2019年、90歳のときから店舗で働き始めました。最初は客席の清掃に始まり、その後サラダなどのサイドメニュー作りで活躍していて、店長は男性をこのように紹介しています。

空いている時間を有効活用して何かをしたいと思っていたところ、マクドナルドのアルバイト情報を偶然目にしたことがきっかけで応募をしたそうです。

(中略)日々精力的にお仕事に取り組んでいる姿を見ると、人は何歳からでも挑戦できるのだなと感じますし、ほかのクルーの勇気にもつながっています。シフトが入っていない平日のお昼にもよく店舗にいらして、ポテトとドリンクを買ったりととてもアクティブで、クルーたちは「元気だな」と驚いています。ほかにもシルバー世代のクルーが何名か在籍していて、休憩時間が重なったときには楽しそうに話をされています。

<引用:「全国のいちばん店を訪ねて」日本マクドナルド>
https://www.mcdonalds.co.jp/campaign/thankyou50th/history/ichiban/18/

他のクルーに与えるプラスの心理的影響は想像に難くありません。

また、男性は定年退職までは電気工事士、その後はゲームセンターの深夜スタッフとして働いていました。夜勤の仕事をしていた経験をもとに、マクドナルドでは夜に5時間、週4日という形で働いているということです*2。人が集まりにくい夜勤帯の重要な戦力であることもうかがえます。

 

高齢者採用に積極的な企業

マクドナルドに限らず、シニアを積極的にパート・アルバイトとして採用する企業は相次いでいます。

すかいらーくでは、50代以上の人が多く勤めていることをPRするサイトを設置しているほか*3、ドン・キホーテを運営するPPIHグループも、60歳以上の人材の積極採用をアピールしています*4。

また、モスバーガーは、シニアアルバイトを積極採用していることで以前から話題になっています。
その様子は変わることなく、筆者の自宅の近くにある店舗では、実際に多くのシニアが勤務している姿をいつも目にします。
土地柄もあるかもしれませんが、若い人よりもシニアのほうが多い印象を受けます。

シニアの就労意識

さてここで、シニアの就労意識について見てみましょう。

実は、ある年齢以降になると、パートやアルバイトといった働き方を望む人の割合は多いことがわかります。マイナビの調査では、希望する雇用形態は年代別に下のようになっています(図1)。

図1 希望する雇用形態(単一回答)
(出所:「ミドルシニア/シニア層の就労者実態調査(2021年)」株式会社マイナビ)
https://career-research.mynavi.jp/wp-content/uploads/2021/09/mid_senior_2021.pdf p6

60代、70代で「アルバイト・パート」の雇用形態を望む人の割合が増えていることがわかります。

その理由のうち、60代、70代に多いのは以下のようなものです*5。

・自宅の近くで働きたいから
・家事、育児、介護等との両立がしやすいから
・趣味や他の時間との両立をしやすいから

まさに「空いた時間を何かに使う」ために働くことができるパートやアルバイトの雇用形態がマッチするシニアが多くいることもわかります。

 

高齢者アルバイト採用のメリット

では、高齢者アルバイトを雇用することのメリットは何でしょうか。

冒頭のマクドナルドの場合は非常に分かりやすいものです。また、シニアアルバイトの在籍には、このようなメリットがあることも考えられます。

先ほど話題にした筆者の近所のモスバーガーでは、シニア従業員と同じ年齢層のお客さんが新聞を読んだりコーヒーを飲んだりしてくつろいでいる様子をよく目にします。

また、それだけではない現実的な部分に目を向けると、シフト管理のしやすさがありそうです。
モスバーガーで定年後再雇用制度を利用している60代の男性は、このようにも話しています。

学生のパート・アルバイトスタッフは貴重な戦力ですが、試験のときなどは一斉に休みを取ることがあります。たとえ勤務時間は短くても、主婦やシニアのパート・アルバイトスタッフは、安定した勤務状況が高く評価されているんですよ。

<引用:「今度はお店の中で働きたい!定年後に再雇用制度を活用しました。」モスバーガー>
https://mos-recruit.net/info/itv05.html

学生アルバイトが試験や就活のときに一斉にシフトを減らすのは当然のことですが、店舗としてはこの間の調整に苦慮するところも多いことでしょう。一方、シニア従業員は1日あたりの労働時間は短くても、安定したシフトを組めるのは大きな魅力です。

また、その地域ごとに顔なじみも多いでしょうから、お客さんからの信頼にもつながることでしょう。「地域に根ざした」店作りのきっかけにもなりそうです。

 

高齢者アルバイト採用に当たって注意したいことも

ただ、注意したいこともあります。

高齢者アルバイトが職場の良い空気を生み出し、周囲の励みとなるのはその人の人柄による部分が大きいという点です。
若い人をどこかで見下すような考え方を持っている人の場合、職場の空気を乱してしまうだけです。

若い人にはない人生経験やスキルを生かしてもらうことは良いのですが、あくまで「ここでは新人なんだ」という意識を持てる人が好ましいでしょう。

世代の広いメンバーで構成されたチームは、メンバーに様々な刺激をもたらすことでしょう。特に単身の学生や外国人スタッフにとってよりどころになってもらえることも期待できます。

高齢者ならではの特性に着目し、その魅力を最大限引き出すことで、シニアアルバイトは大きな戦力になってくれることでしょう。

 

*1
「日本全国のいちばん店を訪ねて」日本マクドナルド
https://www.mcdonalds.co.jp/campaign/thankyou50th/history/ichiban/18/

*2
「マック店員 日本最高齢93歳 週4夜勤『働くことが好き』」北日本新聞
https://webun.jp/item/7786014

*3
「Over 50特集」すかいらーく
https://crewrecruiting.skylark.co.jp/GC/

*4
「インタビュー シニアスタッフ」ドン・キホーテ
https://baito.donkigroup.com/symposium/interview/05/

*5
「ミドルシニア/シニア層の就労者実態調査(2021年)」株式会社マイナビ
https://career-research.mynavi.jp/wp-content/uploads/2021/09/mid_senior_2021.pdf p8

 


【著者プロフィール】

<清水 沙矢香>
2002年京都大学理学部卒業後、TBS報道記者として勤務。
社会部記者として事件・事故、科学・教育行政その後、経済部記者として主に世界情勢とマーケットの関係を研究。欧米、アジアなどでの取材にもあたる。

ライターに転向して以降は、各種統計の分析や各種ヒアリングを通じて、多岐に渡る分野を横断的に見渡す視点からの社会調査を行っている。

https://twitter.com/M6Sayaka

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