新型コロナウイルスの感染拡大が日本国内で深刻になっています。政府からは国民の命と健康を守ることを最優先にした様々な対策や要請が出されています。企業・店舗の雇用主にも迅速な判断が求めらるシーンも増えていくでしょう。では、労働者を休ませる場合の措置として適切な対応とはどのようなものでしょうか。本記事では厚生労働省が発表しているQ&A(*1)をもとに、休業手当について着目してみましょう。
目次
アルバイトスタッフが発熱や咳などの症状がある
発熱や咳などのかぜ症状がある場合は、仕事を休み、外出は控えるように厚生労働省から呼びかけがされています。アルバイトスタッフ本人の健康を守り、感染拡大の防止にもつながるため、雇用主側にも休みやすい環境作りや体調ヒアリングなどの取り組みが重要と考えられます。
発熱や咳の症状があり新型コロナウイルスへの感染が疑われる場合は、感染拡大の防止のために療養させた方がよいでしょう。また、経過によっては厚生労働省の提示している受診の目安をもとに「帰国者・接触者相談センター」に相談をする必要があります。
受診の目安(*2)
・ 風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く場合(解熱剤を飲み続けなければならないときを含みます)
・ 強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある場合
「帰国者・接触者相談センター」での相談の結果を踏まえて就業が可能であるアルバイトスタッフを雇用主の自主的判断で一定期間休業させる場合には、一般的に「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、休業手当を支払う必要があります。その場合、休業期間中の休業手当(平均賃金の100分の60以上)を支払わなければならないとされています。この場合、支給要件に合致すれば、雇用調整助成金の支給対象になります。
雇用調整助成金についてはこちらの記事も参考にチェックしてみてください。
アルバイトスタッフの感染が確認された
経過観察、然るべき機関へ相談の上、感染が確認された場合は、都道府県知事がおこなう就業制限によってアルバイトスタッフを休業させる必要があります。
新型コロナウイルスへの感染が確認され、就業制限によってアルバイトスタッフを休業させる場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当しないと考えられますので、休業手当を支払う必要はありません。また、被用者保険に加入されている方であれば、要件を満たせば、各保険者から傷病手当金が支給されます。
傷病手当金
療養のために就業することができなくなった日から起算して3日を経過した日から、直近12か月の平均の標準報酬日額の3分の2が傷病手当金により補償されます。具体的な申請手続き等の詳細については、加入する保険者に確認が必要です。この機会に事前確認をしておくことをおすすめします。
緊急事態宣言や要請・指示を受けて事業を休止する
新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言や要請・指示により、事業の休止や縮小をせざるを得ない方もいらっしゃると思います。この場合、アルバイトスタッフを休業させるには、休業手当の支払い義務はどうなるのでしょうか。
不可抗力による休業の場合は、使用者に休業手当の支払義務はありません。不可抗力による休業とは下記の2つの要素を満たす場合です。
①その原因が事業の外部より発生した事故であること
②事業主が通常の経営者としての最大の注意を尽くしてもなお避けることができない事故であること
緊急事態宣言や休業要請は、事業の外部において発生した、事業運営を困難にする要因として①に該当します。
②に該当するには、使用者として休業を回避するための具体的努力を最大限尽くしていると言える必要があります。
例
・自宅勤務などの方法により労働者を業務に従事させることが可能な場合において、これを十分に検討しているか
・労働者に他に就かせることができる業務があるにもかかわらず休業させていないか
したがって、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言や、要請や指示を受けて事業を休止し、アルバイトスタッフを休業させる場合であっても、一律に労働基準法に基づく休業手当の支払義務がなくなるものではありませんので注意が必要です。判断に迷うことがあればお近くの労働局及び労働基準監督署への相談をしてください。
まとめ
新型コロナウイルス感染症にともなう休業手当について着目してみました。店舗の運営休止・縮小やアルバイトスタッフが感染する場合に備えて、今後の対応方法についてチェックしてください。
また、休業手当の要否にかかわらず、経済上の理由で事業活動の縮小を余儀なくされた雇用主に対しては、厚生労働省から雇用調整助成金が、支払った休業手当の額に応じて支払われます。解雇等をおこなわず、雇用を維持する企業に対して、正規雇用・非正規雇用にかかわらず、助成率を中小企業は90%、大企業でも75%に引き上げるなどの特例措置を講じられていますのでこちらも確認してみてください。
※この記事の情報は2020/4/24時点の情報を掲載しております。関連の制度、法律は日々更新されていきますので最新情報は下記よりご確認ください。
<参考>
※1:厚生労働省「新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html
※2:厚生労働省「国民の皆さまへ (新型コロナウイルス感染症)相談・受診の目安」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00094.html#soudan
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