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求人広告のNG表現と書き方のポイント

現在出稿されている求人広告は、各企業・店舗が労働者を確保するためさまざまな工夫が凝らされています。日本ではだれもが年齢や性別にとらわれない働きやすい社会を実現するために、労働施策総合推進法や男女雇用機会均等法などの法制度が整備されており、求人広告はこれらに違反する表現がないよう注意が必要です。今回は求人広告でのNG表現を確認しながら適切な書き方について解説していきます。

 

目次

年齢にかかわるNG表現と修正ポイント

性別にかかわるNG表現

募集ターゲット別 求人広告の記載例

まとめ

年齢にかかわるNG表現と修正ポイント

労働施策総合推進法では、労働者の募集及び採用において原則として年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならないとしています。求人広告には年齢不問とした上で、業務内容と必要な能力、資格などを明示し、求職者の方が自身で適正を判断できる書き方が望ましいです。

年齢にかかわるNG表現とはいったいどんなものが該当するのでしょうか。下記のような記載例が挙げられます。

「○○歳以下歓迎」
「平成〇〇年〇月〇日以降に生まれた者」

上記にように特定の年齢を指して優遇する旨や、年齢制限を設けることは禁止されています。では実際に求人広告に記載する際にはどのような表現が良いみてみましょう。

■ NG例1:ハードな重労働(40歳以下)

「長距離トラック運転手(年齢不問)」などと具体的に記載し、体を動かすことが好きな方に向いている旨を伝えましょう。年齢という先入観やフィルターを取り払ったことで経験豊富な労働者を採用できたという事例もあります。

■ NG例2:洋服の販売スタッフ(30歳以下)

こちらも年齢不問とし、「主に20代の方をターゲットにした婦人服の接客販売」「30~50代向けのビジネススーツの接客販売」など求職者の方がイメージを持ちやすいように顧客の年齢層や取り扱う商品の概要を記載しましょう。年齢の募集幅を広げることでより良い人材が集まりやすくなります。

また、年齢制限が例外として認められるケースもあります。自社の求人内容が当てはまる場合は、通常の求人広告と原稿を分ける、特定の募集枠をつくるなど、求職者の方がわかりやすいように配慮すると良いでしょう。

■ 年齢制限が認められる例外事由

・例外事由1号
定年年齢を上限として、その上限年齢未満の労働者を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合

・例外事由2号
労働基準法その他の法令の規定により年齢制限が設けられている場合

・例外事由3号イ
長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者(45歳未満を目安)を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合

・例外事由3号ロ
技能・ノウハウの継承の観点から、特定の職種において労働者数が相当程度少ない特定の年齢層に限定し、かつ、期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合

・例外事由3号ハ
芸術・芸能の分野における表現の真実性などの要請がある場合(*1)

・例外事由3号ニ
60歳以上の高年齢者または特定の年齢層の雇用を促進する国の施策(雇入れ助成金など)の対象となる者に限定して募集・採用をする場合

性別にかかわるNG表現

男女雇用機会均等法は、募集・採用・配置・昇進などの雇用管理の各ステージにおける性別を理由とする差別の禁止について定めたものです。労働者の性別や「一般的にまたは平均的に男性/女性は~~だから」という理由で男女異なる扱いをしないことが求められます。

下記が性別にかかわるNGな表現の例です。自社の求人広告にもこのような表現がないか、チェックしてみましょう。

■ NG例:募集または採用の対象から男女のいずれかを排除すること
「営業マン」「ウェイトレス」「一般事務(女子)」などの表記

■ NG例:募集または採用の条件を男女で異なるものとすること
「男性は普通運転免許を有する者」「総合職は男性7名、女性を3名」など男女別の採用条件を定めて採用すること

■ NG例:採用選考において能力・資質の有無などを判断する方法や基準について男女で異なる扱いをすること
応募受付を男女のいずれかに限定している、応募用紙の用紙の形式が男女で異なるなどの扱いの差を設けること

■ NG例:募集または採用にあたって男女のいずれかを優遇すること
「女性向きのお仕事」「男性歓迎」など採用における性別優遇をすること

■ NG例:求人内容の説明等情報の提供について男女で異なる扱いをすること
男女のいずれかにしか情報を提供しない、内容の異なる情報を提供すること

ただし、芸術・芸能の分野における表現の真実性などの要請(*1)、防犯上の要請、宗教上、風紀上、スポーツにおける協議の性質上などの事情から男女のいずれかにのみ従事させることが必要な職務など、特別の事情により男女に均等な機会を与え、均等な扱いをすることが困難であると認められる場合は規定違反には該当しません。

募集ターゲット別 求人広告の記載例

求人広告を書く際には、採用したい人物像を明確にし、それぞれのライフスタイルに合った応募しやすい情報を盛り込むことが重要です。ここでは具体的な募集ターゲットに沿って求人広告の記載例をみてみましょう。

■ 学生
学生は学校が休みの週末が働きやすい、就業経験が少ない人が多いことが特徴です、「短時間OK」「土日祝日OK」「未経験歓迎」など柔軟な受け入れ態勢があることをアピールすると有効と思われます。また「学生歓迎」という表記は年齢、性別制限に該当しないので使用することができます。

■ 主婦(夫)
家事との両立が必要な主婦(夫)は「短時間OK」に加えて、勤務可能な時間帯と予想される「平日のみOK」「昼間のみOK」などと併記することが効果的でしょう。さらに「家事・育児と両立できるお仕事」なども加えると主婦(夫)層へのアピールにつながります。

■ シニア
シニア層は体力面に不安を感じている人がいることが特徴です。「年齢関係なく働けるお仕事」や具体的な業務内容を記載することで求職者の方の不安を払拭し、応募のハードルを下げることができます。

■ フリーター
フリーターはフルタイムの勤務を希望している人が多く、時給も重視し、正社員への意欲が高い人が多い傾向です。「フルタイム勤務歓迎」「正社員登用制度あり」と活躍できる場があることのアピールが効果的と思われます。

 

まとめ

今回注目してきた法制度は労働者一人ひとりの就業機会を拡大するだけでなく、雇用側にとってもより良い採用活動につながることを目的としています。年齢や性別に対するフィルターをかけてしまうことで募集の幅を狭めてしまっていないか、募集ターゲットに合致したアピールはできているか、一度求人広告の記載内容を見直してみてはいかがでしょうか。

 

*1:マイナビバイトでは芸能にかかわる募集は掲載不可としています。本記事では一般的な法律の規定を記載しています。

参考:
厚生労働省「募集・採用における年齢制限禁止について」
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000158624.pdf

厚生労働省「男女雇用機会均等法の あらまし」
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000212706.pdf

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