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取得は進んでいる? 「特定技能」制度の現状と課題

日本の産業分野において、人材不足は年々深刻化しています。消費者のニーズはあるにも関わらず、それに見合った供給を支えるだけの人材が集まりにくい状態です。そのような分野において、重要な働き手として供給を支えている人材の中に、外国人労働者がいます。日本の経済にとって欠かすことのできない存在となりつつある外国人労働者。そのような人材を確保するための施策の一つとして、新たな在留資格が施行されました。それが「特定技能」です。

特定技能とは

新たな在留資格である「特定技能」は、日本国内で深刻化する人手不足解消に向け、平成3141日から施行されました。
この資格は、生産性向上や国内人材確保のための取り組みをおこなっても、なお人材確保が困難な状況にある分野において、一定の専門性・技能を有する外国人労働力を受け入れるための制度として新設されました。

特定技能には1号と2号があり、1号は「特定産業分野に属する相当程度の知識または経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向け」2号は「特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向け」とされています。2号の方がより高い専門性を求められるということです。

介護分野や製造業など、特に人数を必要とする分野での人材不足の解消に向けては、1号人材に期待を寄せる企業も多く、注目を集めています。特定技能1号の資格は試験などを通し、技能と日本語能力を認められれば取得することができます。1年間の在留期間があり、6か月または4か月ごとの更新で上限5年まで在留可能です。1号の場合は家族の帯同は原則不可とされています。

1号と2号では求められる技能の程度が異なる他、在留期間や更新期間が異なる、2号は日本語能力の試験が不要、要件を満たせば配偶者・子の帯同が認められるなど、在留資格としての差もあります。※1

実際の認知度と取得意向は?

平成31年から施行されているこの施策ですが、実際に取得している人数は令和23月末で3,987名(特定技能1号)。政府見込みでは開始後5年間で最大34万人余りとされており、現状決して多いとは言えない取得状況です。※2

取得者数が思うように増えない要因の一つとして、認知が広がっていないという要因があります。
こちらは、現在日本でアルバイトをしている外国人を対象におこなわれたアンケート調査の結果です。

 

出典:2020年5月 株式会社マイナビ 社長室 HRリサーチ部 アルバイトリサーチチーム「在日外国人のアルバイト実態調査」

アンケート調査の結果からは、当事者である外国人労働者ですら、42.0%がこの制度を知らないという現実がわかります。一方で、現在の在留資格別に見ると、「専門的・技術的分野の在留資格」を有している層では知っていると答えた人が59.6%と全体の平均よりも多い傾向にあり、47.9%が「知っていて取得したいと思う」と回答しており、意向の高さがわかります。全体として見ても、認知している人の中では取得意向のある人と意向のない人の割合はほぼ同程度であり、全体の認知が進めば、資格の取得者数もさらに増加していくと考えられます

 

知っていても取得しない理由

前項で紹介した調査結果によると、全体の約3割の人材が、特定技能の存在を知っており、取得したいと思うと回答しています。
一方で、彼らは回答時点ではこの資格を取得しておらず、別の在留資格で在留・勤務しています。彼らは特定技能を取得していない理由として、下記のような理由を挙げています。

出典:2020年5月 株式会社マイナビ 社長室 HRリサーチ部 アルバイトリサーチチーム「在日外国人のアルバイト実態調査」

最も多く挙げられた理由は、「求められる日本語レベルが高い」というものでした。次いで「手続きが煩雑」「業種が限られる」「求められる知識や技術が高い」という理由が続きます。特に取得意向の高かった「専門的・技術的分野の在留資格」を有している回答者の中でも上位3項目を挙げる人が多く、全体に対し10ポイント以上多く選択されています。このことから、これまでの在留資格に比べ、特定技能ではより踏み込んだ専門的技能や知識が求められており、取得するハードルが高いことがわかります

まとめ

日本国内において、特に人材不足が深刻な産業の人材確保を目的とした、特定技能。残念ながら政府の見込み取得数に達するには時間がかかると思われます。しかし、認知者の中には取得意向がありつつ、取得のハードルにつまづいて未取得の人も少なくないことがわかっています。

技能を持った人材を獲得することが目的の制度である以上、技能のハードルを下げることは難しいですが、できるだけ多くの人材が特定技能を取得できるよう、技能・日本語面でのスキルアップ支援や手続き支援など、希望者の取得サポートが人材確保施策として有効となる可能性があります。

<参考>
※1:新たな在留資格「特定技能」について – 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000485526.pdf

※2:特定技能在留外国人数の公表 - 法務省
http://www.moj.go.jp/content/001320632.pdf

 新たな外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組(在留資格「特定技能」の創設等) -法務省
http://www.moj.go.jp/content/001293198.pdf

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