調査資料
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コロナ禍・法改正で変わる環境 アルバイトの採用や待遇について企業はどう対応しているか

マイナビでは、直近1年間でアルバイト採用に携わった会社員(会社役員・自営業含む)を対象に、採用実績やニーズ、具体的な施策について調査を実施しています。
今回は、コロナ禍での雇用状況の現状と、2021年には中小企業でも導入される同一労働同一賃金、そして同じく2021年4月に改正法の施行を迎える高齢者雇用安定法施行といった改正法の施行に向けて、企業がどのような対応をしているかについて最新のデータを紹介していきます。
他社の戦略を知るための参考にしてください。
(調査期間:2020年11月26日~12月1日)

 

目次

コロナ禍での雇用調整は一服、人手不足感は改善したが新たな課題も

「同一労働同一賃金」への取り組み度合い

改正高齢者雇用安定法への取り組み度合い

まとめ

 

コロナ禍での雇用調整は一服、人手不足感は改善したが新たな課題も

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、多くの事業所が雇用調整を強いられました。
ただ、2020年の後半からは、その傾向は変化しています。

出典:株式会社マイナビ 2020年1月「アルバイト採用活動に関する企業調査」

アルバイトの雇用調整は3月頃から大幅に増加、4~6月のピーク期には3割以上が何らかの雇用調整を実施していましたが、その後減少傾向にあります。
多くの企業が労働時間の削減、新規採用の抑制という形で対応してきましたがピーク後は雇用調整は右肩下がりで、2020年11月時点では「雇用調整は実施していない」という企業が8割にのぼりました。

また、2021年の採用予定としては、「増やす」「変わらない」としている企業が多数を占めています。
ただ、コロナ禍で人手不足感は緩和したものの、今度は「応募者の質が悪かった」とする回答も増えています。

出典:株式会社マイナビ 2020年1月「アルバイト採用活動に関する企業調査」

2021年に入って再び緊急事態宣言が発令・延長されていることもあり再び先行きが不透明になった中では、そう多くの採用ができない可能性が出てきています。
こうした事情を踏まえると、当面の採用のトレンドは、数よりも質を重視する傾向にシフトしそうです。

なお、人材確保を求める企業が今後実施したいとしている施策は、業種別にみると以下のようになっています。

出典:株式会社マイナビ 2020年1月「アルバイト採用活動に関する企業調査」

赤字で示しているのが、前年よりも5ポイント以上上昇、青字で示しているのが前年より5ポイント以上下落している項目です。
黄色いマーカーは、新しく5位以内に入った項目です。

「給与の増額」は減少傾向にあります。代わりに主婦層・シニア層の積極採用という方法が挙がってきています。
今後実施したい施策として1位には業種別にばらつきはありますが、2位はほとんどが主婦層やシニア層の積極採用で占められています。
「定年退職者の再雇用」といった施策も候補に挙がっています。

若者を一から育成するよりも、ある程度の経験を持った人材を活用していく傾向とも見られます。

その際に気をつけておきたいのが、2021年に施行される2つの法律への対応です。

 

「同一労働同一賃金」への取り組み度合い

また、アルバイト・パート採用をめぐる環境の変化として、2020年4月からの同一労働同一賃金の義務化があります(中小企業では2021年4月から適用)。
正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の「不合理な待遇差」を禁じるものですが、どの程度浸透しているのでしょうか。

出典:株式会社マイナビ 2020年1月「アルバイト採用活動に関する企業調査」

通勤手当は大企業では82.5%、中小企業では68.5%が、正社員と同様あるいは差はあっても、アルバイトに支給しています。

また、時間外、深夜、休日労働手当の割増も、何らかの形でアルバイトに支給している企業が多くを占めています。
中小企業であっても、改正法の適応に先立って何らかの対策を講じているところが多く見られます。

また、何らかの形で賞与を支払う企業も4割近くに達しています。募集にあたって他社と比較されることもあり得ます。

同一労働同一賃金に関しては厚生労働省が以下のようなチェックポイントを提示していますので、対策がまだだという場合は今一度確認してみてください。

出典:厚生労働省「『同一労働同一賃金」への対応に向けて」
https://www.mhlw.go.jp/content/000596892.pdf

 

改正高齢者雇用安定法への取り組み度合い

続いて、2021年4月に施行される改正高年齢者雇用安定法への対応についてです。
定年の廃止や70歳までの引き上げなどといった形で、高年齢者の就業確保に向けた措置を取るよう努める必要がある、というものです。

出典:株式会社マイナビ 2020年1月「アルバイト採用活動に関する企業調査」

業界別に取り組み状況をまとめたのが上の図です。

調査時点現在のところ、2020年全体では、何らかの形で70歳までの就業確保を導入している割合は38.1%です。

職種別では「警備・交通誘導」「清掃」「介護」などで70歳までの就業機会確保がなされている割合割足が多くなっていますが、全体としてはまだ十分とは言えない状況でしょう。

シニアの労働力活用は、うまく回れば技術の良い伝承者や経験値を生かせる人材となります。強制されている、とばかり考えずに一度社内の人員構成を、特にスキル別に考えてみるのも良いでしょう。

なお、法律上では以下のような措置を取る必要があるとされていますので、再確認してください。

出典:「改正高年齢者雇用安定法が令和3年4月から施行されます」厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000694688.pdf

実際のところ、人材確保のために実施した施策・効果があった施策として「シニア層の積極採用」のポイントは高くなっています。

出典:株式会社マイナビ 2020年1月「アルバイト採用活動に関する企業調査」

「給与の増額」よりも効果の下がり方が小さくなっていることがわかります。

時短など柔軟な働き方をしてもらうことで、戦力としての魅力が増してくる可能性が大いにあります。
業界によっては「シニア争奪戦」が繰り広げられる可能性があります。育成にかかる費用が不要であることもまたメリットでしょう。

 

まとめ

コロナ禍真っ只中での改正法施行もあり、採用方針について混乱する企業も少なくないことでしょう。

特に同一労働同一賃金については、多くの企業が先回りで手を打っている様子がうかがえます。
採用にあたっても、手当や賞与を強調することで他との差別化をはかり、今後のトレンドになりそうな「質」を考えた採用活動の展開が期待できます。

また、主婦層・シニア層への注目度が高まっています。

法改正にはなるべく早く手を打ち、争奪が厳しくなる前に採用の方向性を決定しておくと良いでしょう。
全体的な少子高齢化の流れから見ても、新たな層に人材を見出す必要性は明らかです。

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