調査資料
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アルバイトスタッフの早期退職を防ぐカギはモチベーション管理と人間関係の改善にあり

総務省統計局の発表によると日本の労働力人口は2019年平均で6,886万人と、直近7年連続で増加しています*1。しかしながら、世間では今もなお深刻な人手不足が社会問題として認識されているのが実情です。アルバイトスタッフが活躍する業界でも人手不足は喫緊の課題であり、採用担当者や店長にとっては採用活動の改善と同様に、採用したスタッフが早期退職せず長期的に勤務できる職場環境を整えることも重要な課題と言えるでしょう。

では、アルバイトスタッフの定着率を上げるためには具体的にどのようなことに気をつければよいのでしょうか? 今回はマイナビの調査結果をもとに、アルバイトスタッフとして働くフリーター、主婦(夫)、外国人、大学生の4つの属性について、不満を感じやすいポイントとやりがいを感じるポイントをそれぞれ解説していきます。

目次

アルバイトスタッフが不満を感じやすいポイント

どんなことにやりがいを感じるか

まとめ

アルバイトスタッフが不満を感じやすいポイント

モチベーション管理を上手におこなう上では、モチベーションを上げる要因と、逆に下げてしまう要因を正しく理解することが必要であると思われます。まずはアルバイトスタッフが不満を感じやすいポイントや退職を検討する理由について、フリーター、主婦(夫)、外国人、大学生の順に見ていきましょう。

■フリーター
出典:2019年10月 株式会社マイナビ 社長室 リサーチ&マーケティング部 アルバイトリサーチチーム「フリーターの意識・就労実態調査」

フリーターの離職の決め手として、全体では「職場の人間関係における不満」が69.3%で最も多く、次いで「給与に対する不満」が50.6%、「上司や店長に対する不満」が50.1%です。TOP3はいずれも5割以上の人が当てはまると回答しているため、特に気をつける必要があるでしょう。

■主婦(夫)
出典:2019年5月 株式会社マイナビ 社長室 リサーチ&マーケティング部 アルバイトリサーチチーム「主婦アルバイト調査」

主婦(夫)の場合、アルバイト先の人間関係について「不満は無い」との回答が46.7%と、半数近くが円滑な人間関係を築けているようです。不満がある対象としては「上司」が26.1%と最も回答が多く、「同僚」が14.9%、「先輩」が8.7%という結果でした。上司としての関わり方が主婦(夫)層のモチベーションには影響が大きいと思われます。

■外国人
出典:2019年4月 株式会社マイナビ 社長室 リサーチ&マーケティング部 アルバイトリサーチチーム「在日外国人へのアルバイト意識調査」

外国人がストレスを感じるときは、全体では「職場の人とコミュニケーションがうまくとれないとき」と「外国人に対する偏見を感じたとき」が最も多く、ともに29.6%でした。3割近くの人にとってストレス要因になっています。また、「相応の給与がもらえないとき」が26.9%、「仕事の指示がわかりづらいとき」が25.9%と、これらも4名に1名がストレス要因であるようです。

■大学生
出典:2019年4月 株式会社マイナビ 社長室 リサーチ&マーケティング部 アルバイトリサーチチーム「大学生アルバイト調査」

大学生がアルバイト先の変更・退職を検討する不満の調査では、全体では「職場の人間関係が悪い」が35.7%で最も多く、約3名に1名が当てはまるという結果でした。TOP3は以下、「シフト・時間の融通がきかない」が29.7%、「時給が低い」が28.3%と、いずれも3割近くにのぼります。

すべての属性に共通しているのが、「職場の人間関係」について不満を感じている割合が高いです。フリーターは「上司や店長に対する不満」が離職の決め手になると答えた人が約5割いること、主婦(夫)では不満の対象が「上司」が最も多いことから、職場の人間関係の改善に取り組む際には、まず上司や店長といったマネジメント側から見直すことがより有効であると考えられます。

また、近年は外国人労働者が増加傾向にあります。外国人はコミュニケーションや偏見に対して敏感なため、その点にも理解があり、他の社員やアルバイトスタッフを指導できる人物が上司や店長である職場がなお良い環境だと言えるでしょう。

どんなことにやりがいを感じるか

続いて、アルバイトスタッフのモチベーションを上げる要因について考えていきましょう。各属性ごとの調査結果を見ていきます。

■フリーター
出典:2019年10月 株式会社マイナビ 社長室 リサーチ&マーケティング部 アルバイトリサーチチーム「フリーターの意識・就労実態調査」

フリーターにアルバイト先でやりがいを感じたときについて尋ねたところ、「感謝のことばをもらったとき」という回答が最も多く61%でした。自分が誰かの役に立っているという実感がモチベーション向上につながるようです。「感謝の言葉をもらったとき」に次いで「給料が上がったとき」が46.6%、「目標を達成できたとき」が45.1%と、これらも5割近くの人がやりがいを感じると答えています。

■主婦(夫)
出典:2019年5月 株式会社マイナビ 社長室 リサーチ&マーケティング部 アルバイトリサーチチーム「主婦アルバイト調査」

主婦(夫)がアルバイト先でやりがいを感じたときは、「感謝の言葉をもらったとき」が最も多く63.2%でした。次いで「仲間と楽しく仕事ができたとき」が36.3%、「仕事の成果を褒められたとき」が33.9%という結果になっています。

■外国人
出典:2019年4月 株式会社マイナビ 社長室 リサーチ&マーケティング部 アルバイトリサーチチーム「在日外国人へのアルバイト意識調査」

外国人は「給与をもらったとき」が41.8%で最も多く、次いで「仕事ができるようになったと感じたとき」が41.2%、「お客様から感謝の言葉をもらったとき」が37.1%でした。給与や仕事の上達など報酬・成果をやりがいとして感じる人が多いようです。

■大学生
出典:2019年4月 株式会社マイナビ 社長室 リサーチ&マーケティング部 アルバイトリサーチチーム「大学生アルバイト調査」

そして、大学生がアルバイト先でやりがいを感じた要因は、「感謝の言葉をもらったとき」が最も多く52.2%でした。次いで「自分の成長を感じたとき」が30.3%、「仕事の成果を褒められたとき」が22.7%でした。仕事でのポジティブな言葉をもらったときや成長を感じるときがモチベーション向上につながっているようです。

各属性ごとに特徴はありますが、共通して多かったのは「感謝の言葉をもらったとき」という回答でした。接客の必要がない業務など、お客様から感謝の言葉をもらう機会がない職場もあるため、その場合は社内で、特に上司から積極的に声かけをするとアルバイトスタッフのモチベーション向上につながると思われます。また、主婦(夫)と大学生のTOP3に入った「仕事の成果を褒められたとき」という回答はフリーターでも4割強の人が当てはまることから、職場での声かけはモチベーション管理において重要であると言えるでしょう。

まとめ

アルバイトスタッフが不満を感じやすいポイントは「職場の人間関係」であり、やりがいを感じるポイントは「感謝の言葉をもらったとき」であることがわかりました。これらのポイントを意識的に改善していくことは職場環境の改善につながり、アルバイトスタッフの定着率の向上だけでなく、新規採用時に求職者の方へのアピールポイントにもなり、より良い採用活動に繋げることも期待できるでしょう。

ナレビでは豊富な調査・データをもとに、属性ごとの特徴を細かく解説した記事や、アルバイトスタッフの採用活動に取り組む企業が定着率向上のためにおこなった施策と効果をまとめた資料なども提供しています。アルバイトスタッフの早期退職に悩んでいる方、定着率を向上させたい方は、それぞれ課題とするテーマに合わせてぜひ参考にしてみてください。

参考

*1:統計局ホームページ/労働力調査(基本集計) 2019年(令和元年)12月分結果https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.html

 

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