人材育成・マネジメント
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年上のアルバイト・パートにどう接したらいい?ミドルシニアをいかすマネジメント方法

超高齢社会を迎えている日本。アルバイト・パートにおいても、40~50代のミドルシニア層や60代以上のシニア層などが増えている状況です。中には、雇用主・上司の方が年下となる場合もあるでしょう。

今回は、株式会社マイナビが実施した調査結果をもとに、ミドルシニア・アルバイト採用の重要性や、年上のアルバイト・パートとの接し方のポイントを紹介します。

目次

※各目次をクリックすると、読みたい内容をすぐにご覧いただけます。

ミドルシニアのアルバイト採用が注目される理由
 
労働市場の変化
 ミドルシニアの特性
年上のアルバイト・パートのマネジメントのコツ
年上のアルバイト・パートの強みを生かすマネジメント術
トラブルシューティング:年上のアルバイト・パートとの衝突を避ける方法
まとめ
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ミドルシニアのアルバイト採用が注目される理由

現在、アルバイトやパートにおいて、ミドルシニア層の採用を検討する企業が増えているようです。このような状況が起こっている背景には、主に2つの理由があります。

労働市場の変化

非正規雇用労働者数の年代別推移を見てみると、2019年9月と2024年9月を比較した場合、35-44歳は59万人、45-54歳は38万人、労働力が減少していると分かります。一方、55-64歳は19万人、65歳以上は25万人増えており、非正規雇用の労働市場において、ミドルシニア層・シニア層が活躍していることが分かります。

引用)株式会社マイナビ「2024年9月度労働市場レポート」P.8

ミドルシニアの特性

早期離職経験率を見ると、40~60代のミドルシニア層は「4.9~6.6%」となっているのに対し、10~30代は「7.7~15%」となっており、ミドルシニア層の方が低いことがわかります。

引用)株式会社マイナビ「アルバイト就業調査(2024年)」P.6

また、ミドルシニア・シニア層は、1日あたりの平均アルバイト時間を「6時間以上」と回答した割合がフリーターの次に多いです。他の属性と比較して、1日あたりの勤務時間が長いことが分かります。

引用)株式会社マイナビ「アルバイト就業調査(2024年)」P.14

さらに、「ミドルシニア層・シニア層の学びなおし(リスキリング)実施状況」を見ると、「必要性を感じており、すでに取り組んでいる」との回答率は19.3ptで、過去最多となりました。

引用)株式会社マイナビ「ミドルシニア/シニア層のアルバイト就業調査(2024年)」P.13

これら3つの調査結果から、ミドルシニアは豊富な経験から安定した仕事観を持っており、学びなおし(リスキリング)にも意欲的であることが分かります。

年上のアルバイト・パートのマネジメントのコツ

年上のアルバイト・パートは、これまでに経験してきた社会情勢や価値観が異なるため、同じ言葉でも違う捉え方をしてしまう場合があります。そのため、時には「コミュニケーションが円滑に取れない」「業務指示がうまく伝わらない」「依頼内容と違った成果物が出てしまう」といった状況が起こることがあるかもしれません。マネジメントをスムーズにするためのポイントを理解しておきましょう。

1.年齢や経験を尊重し、敬意を持って接する

ミドルシニア層以上の方の多くは、豊富な人生経験や社会経験に誇りを持っており、それに対する自信も備えています。接するときにへりくだる必要はありませんが、敬意が伝わる対応を心掛けましょう。もちろん、入社したばかりの新人であっても、話すときは敬語を使うのが原則。上から目線で話したり、接したりすることのないよう注意しましょう。

2.双方向の対話を促進するコミュニケーション

人は誰しも、自分の知識やスキルが尊重されるとうれしいものです。経験豊富なミドルシニア層ならば、なおのことでしょう。業務上で知らないことがあれば「どうすれば良いでしょうか」「アドバイスいただけますか」など、素直に相手を頼る姿勢で接してください。相手を尊重することで信頼関係の構築がスムーズになるでしょう。

3.適切なフィードバックで業務のズレを解消

前述した「依頼した内容と異なる成果物」を解消するためには、細やかなフィードバックが重要です。客観的な数字や具体的な行動といった事実を踏まえ「SBI」(Situation:どのような状況で/Behavior:どのような行動をし/Impact:どのような影響・成果をもたらしたのか)を意識して、分かりやすいフィードバックを行いましょう。相手の立場を考え、人前で行わない配慮も大切です。

年上のアルバイト・パートの強みを生かすマネジメント術

強みを生かした働き方につながる、具体的なマネジメント術を紹介します。

1.メンターシップの活用

メンターシップとは、経験豊富な個人(メンター)が、比較的経験の少ない個人(メンティー)に対して、知識やスキル、キャリアのアドバイスを行い、サポートする関係のことを指します。これまでの経験や知識を生かせるため、ミドルシニアのアルバイト・パートを「メンター」に設定するのがおすすめです。スキルや経験がある分野に関する指導役を任せ、活躍の機会や居場所を提供しましょう。

2.プロジェクトへの積極的な参加やリスキリングを促す

仕事へのモチベーションを高めるためには、強みや経験を生かせるプロジェクトに積極的に参加してもらうとともに、リスキリングを通じて新たなスキルを身に付ける機会を提供することが有効です。自律性を重視し、責任感を持たせることで、業務に対してさらにやりがいを感じてもらえるでしょう。ただし、業務の方向性にズレが生じないよう、進捗状況をこまめに確認し、状況に応じて目標を見直しながら適切なフィードバックを行うことが重要です。

3.明確な目標設定

職場にはさまざまな立場の従業員がいますが、どの立場においても「仕事の目的」は同じであり、職場全体で共有すべきものです。「仕事の目的」を明確に説明し、その上で、相手のやりたいことや先々の展望も聞き入れ、目標設定を明確にすると良いでしょう。お互いにとってベストな働き方を見つける一助となります。

トラブルシューティング:年上のアルバイト・パートとの衝突を避ける方法

年齢差のある年上のアルバイト・パートとは、価値観の違いから衝突が起こったり、誤解が生じたりすることがあります。これらの具体的な対策を紹介します。

1.価値観の違いを理解する

年齢差が大きくなるほど、価値観の違いも大きくなる傾向にあります。価値観の違いを理解し、相手の意見を尊重する姿勢が大切です。特に、相手のミスを注意する際は、意見の押しつけにならないよう注意が必要となります。「なぜミスが起こったのか」「どのような改善策が有効か」など、課題解決をサポートする点に集中して、ミスの指摘や改善案の提示をしましょう。ミスを指摘する際は相手の立場を考え、人前ではなく個別に行う配慮も重要です。

2.丁寧なアプローチで誤解を解消

年上のアルバイト・パートは経験が豊富であることから、上司やマネージャーの意思決定や指示の仕方に違和感を覚えることがあります。特に、過去に上司などの意思決定で行った業務がうまくいかなかった経験がある方は、そのようなケースが発生しやすいでしょう。違和感から誤解が生じ、衝突に発展することもあります。こうした事態を防ぐためには、まず相手の過去の経験や意見をしっかりと聞き、尊重した上で意思決定を行うことが大切です。なぜそのような決定を下したのか、背景や理由を丁寧に説明し、理解を得るようにしましょう。
また、指示を出す際には、正確に行うべき業務については、具体的なやり方を示し、相手の裁量に任せて良い部分は「ここから、ここまで」と、明確に線引きして行いましょう。相手も納得しやすく、スムーズに進めることができます。

3.仕事の全体像を伝える

同じ目的に向かって大きな仕事やプロジェクトに取り組んでいても、業務は個々で進める場合があります。すると、自分の行っている仕事の意義が見えにくくなり、単なる一作業に感じられることから、熱意がそがれる場合もあるようです。
仕事のクオリティの低下を防ぐためにも、仕事の全体像を丁寧に伝え、自分に任されているのも「大切な仕事の一部」であると自覚が持てるようにするとよいでしょう。

まとめ

経験豊富で安定した仕事観を持つミドルシニア層は、早期離職経験率が低く、知識やスキルを生かした働き方が期待できる貴重な人材です。
雇用主は、ミドルシニア層に限らず、すべての年代の従業員に対して、敬意を持った接し方や、適切なフィードバック、双方向のコミュニケーションを心掛けるようにしましょう。
ミドルシニア層を雇用した際は、本記事の内容を参考に、マネジメント方法を検討してください。

 

<監修者プロフィール>
社会保険労務士法人 最首総合事務所 代表
社会保険労務士 土井 美由紀 氏
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千葉県社会保険労務士会所属。社会保険労務士のほか、司法書士・行政書士・土地家屋調査士・弁護士・税理士等の士業法人・介護事業を総合的に対応する「最首総合事務所グループ」において、主に労働社会保険手続業務や労務管理の相談指導業務、年金相談業務などを行っている。

 

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