新型コロナウイルスの流行により、テレワークが急速に普及しました。
通勤時間がなくなり、残業時間も減ったことで、プライベートが充実した方もいると思います。
一方で、整わない自宅環境やコミュニケーションの難しさから、ストレスが増えたと感じている方もいるのではないでしょうか。
長引くコロナ禍で、テレワークはもう少し続きそうです。
そこで今回は、テレワークにおけるストレスの原因や対処法などをまとめました。
テレワークと健康の両立に悩んでいる方の参考になれば幸いです。
目次
テレワークにおけるストレスは、働く環境とコミュニケーションの難しさが大きな要因
テレワークにおけるストレスは、働く環境とコミュニケーションの難しさが大きな要因
テレワークでのストレスは、具体的には何が原因なのでしょうか。
まずは、テレワークを経験した人がどのように感じているのか、データを見てみましょう。
内閣府のデータによると、
「今後、どの程度の頻度でテレワークを利用してみたいですか」
という質問に対して、「ほぼ100%」から「不定期にテレワーク」まで幅があるものの、39.9%がテレワークを希望しています。*1
引用)内閣府 「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」
https://www5.cao.go.jp/keizai2/manzoku/pdf/shiryo2.pdf p26
では、テレワークが好評なのかというと、そうとは言い切れないようです。
「あなたの職場において、テレワークで不便な点と考えられるものに関し、重要なものから順に回答してください。(最大3つ)」
という質問では、
「社内での気軽な相談・報告が困難」
「取引先等とのやりとりが困難(機器、環境の違い等)」
「画⾯を通じた情報のみによるコミュニケーション不⾜やストレス」
が挙げられました。*2
このように、テレワークではコミュニケーションの難しさを感じている人が多くいます。
他には、
「在宅では仕事に集中することが難しい住環境」
「仕事と⽣活の境界が曖昧になることによる働き過ぎ」
「同居する家族への配慮が必要」
といった、働く場と生活の場が同じことによるストレスを挙げる人もいました。*2
引用)内閣府 「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」
https://www5.cao.go.jp/keizai2/manzoku/pdf/shiryo2.pdf p27
なぜテレワークではストレスを感じるのか
テレワークでストレスを感じる要因は、主に4つあります。
(1)テキストでのコミュニケーションが増える
テレワークでは、メールやチャットツールでのコミュニケーションが増えます。
会話と違い微妙なニュアンスが伝わりづらいため、伝え方を気を付けないと勘違いがおこります。
また、慣れていないと会話より時間がかかるため、煩わしく思う人も少なくありません。
(2)従業員と顔を合わせる機会が減る
従業員がそれぞれの場所で働くので、顔を合わせる機会が減ります。
会話も減り、孤独を感じやすくなります。
(3)雑談する機会が減る
テレワークで連絡する内容は、業務連絡が多くなりがちです。
オフィス勤務であれば、一息ついたときや移動の途中で雑談できますが、それもなくなります。
そうすると人間関係が希薄になりやすく、特に信頼関係が築けていない間柄だとギクシャクしがちです。
(4)同じ環境で過ごす時間が増える
テレワークは、仕事をする場と生活の場が同じになるので、気持ちの切り替えが難しくなります。
朝食をとり、仕事をスタート。その後少し休憩をして、また仕事…。気づいたら、終業時間までずっと同じ部屋にいたということも珍しくありません。
同じ環境にいると気持ちの切り替えが難しく、集中力が低下しやすくなります。
テレワークでストレスが続くと何が起こるか
テレワークでは、さまざまな要因によってストレスを感じやすいことが分かりました。
では、ストレスが続くとどのような問題が起こるのでしょうか?
(1)チームワークが悪くなる
仕事内容にもよるかもしれませんが、仕事を円滑に進めるためにチームワークは欠かせません。
「今、質問したら嫌がられるかな?」「どうして指示が伝わらないのだろう」と、コミュニケーションのストレスが増えると、チームワークが低下します。
(2)生産性が下がる
ストレスは生産性を低下させます。
独立行政法人経済産業研究所によると、調査期間中に在宅勤務を行った回答者を対象に、「仕事の生産性が下がる要因」について選択してもらった情報(複数回答)を用いて分析しました。
その結果、「整っていない自宅の仕事環境」と「(社内外の)コミュニケーションの不足」を、仕事の生産性が下がる要因として挙げています。*3
生産性は企業の業績に直結するので、見逃せないポイントです。
引用)独立行政法人経済産業研究所 「ポストコロナ時代の新しい働き方~在宅勤務は果たして普及するのか」
https://www.rieti.go.jp/jp/columns/s21_0013.html
(3)精神疾患を発症する可能性がある
ストレスがあっても、適切に対処できていれば大きな問題は起こりません。
しかし、そうでない場合は適応障害やうつ病などの精神疾患を引き起こすことがあります。
精神疾患は、回復するまで時間のかかる病気です。
一番つらいのは本人ですが、会社としても貴重な労働力を失うことになるので軽視できません。
テレワークで健康を維持しながら働く方法
では、テレワーク特有のストレスを軽減し、健康的に働くためにはどうしたらよいでしょうか?
筆者の経験も交えながら、4つの方法を紹介します。
(1)気軽にコミュニケーションがとれるよう配慮する
同じ空間で、顔を合わせていれば気軽に聞けることも、テキストだとためらってしまうことがあります。
「何かあったら気兼ねなく連絡してよい」という、チームの雰囲気を作っていきましょう。
特にチャットツールは、使い方が慣れないと難しく感じてしまう人もいます。
事前に使い方やルールを周知し、コミュニケーションが円滑に進むよう配慮しましょう。
(2)定期的に体調や困りごとの有無を確認する
従業員と一緒に過ごす機会が減るので、定期的に体調や困りごとを確認する機会を設けることをおすすめします。
例えば、
・朝会や夕会ような機会をつくり、それぞれの状況を把握する
・業務上の困りごとを気軽に相談できる時間を設ける
といった方法があります。
これらは、テキストよりもウェブ会議で導入すると、顔を見ながら話せるのでより従業員との距離が近くなれます。
(3)雑談する機会を取り入れる
オンラインでランチ会やお茶会などを開き、ぜひ雑談する機会を設けてみてください。
実際に筆者も経験し、従業員との心理的距離が縮まり、チームワークがアップしたと感じています。
筆者は、コロナ禍に新しいチームで働くことになりました。
もともとテレワークが基本でしたが、緊急事態宣言が発出されてからは全ての業務がオンラインに移行しています。
メンバーがどのような人なのか分からないなか、加入した当初は分からないことだらけなので質問しなければいけません。
これが、精神的に大きな負担でした。
しかしその後、チーム内でランチ会を開催することになったのです。
ざっくばらんに話し、メンバーの興味関心や人柄が知れたことで、その後のコミュニケーションがスムーズになりました。
このような機会を定期的に設けることで、テレワークの孤独感も緩和されます。
雑談は大人数でなく、できれば3~5人程度の少人数で行うことをおすすめします。
その方が、一人ひとり話せる時間が確保できます。
(4)テレワークにおけるストレスへの対処法を共有する
テレワークで生産性を高めるためには、
・生活リズムを整える(規則正しい生活で、精神面が安定する)
・休憩時にストレッチをする(血流量がアップすると、集中力が増す)
・自宅の労働環境を整える(可能であれば、仕事をする場と生活する場を分ける)
といった方法があります。
他にも、テレワークの期間が長くなり、自分なりのストレス対処法を身に着けた人もいるかもしれません。
その知恵を、ぜひ他の従業員にも共有しましょう。
雑談の機会に話すテーマにしても、面白いと思います。
そうすることで、チーム全体のストレス対処力がアップします。
まとめ
オフィスと異なる環境やコミュニケーションの難しさから、テレワークでストレスを感じる人がいます。
コロナ禍で大変なときではありますが、従業員一人ひとりの様子に気を配り、健康で働けるよう環境を整えていくことが大切です。
職場の雰囲気や従業員の様子に合わせて、ぜひ新たな仕組みを導入してみてください。
*1
参考)内閣府 「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」
https://www5.cao.go.jp/keizai2/manzoku/pdf/shiryo2.pdf p26
*2
参考)内閣府 「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」
https://www5.cao.go.jp/keizai2/manzoku/pdf/shiryo2.pdf p27
*3
参考)独立行政法人経済産業研究所 「ポストコロナ時代の新しい働き方~在宅勤務は果たして普及するのか」
https://www.rieti.go.jp/jp/columns/s21_0013.html
著者:浅野すずか
プロフィール:フリーライター。看護師として病院や介護の現場で勤務後、子育てをきっかけにライターに転身。看護師の経験を活かし、主に医療や介護の分野において根拠に基づいた分かりやすい記事を執筆。
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