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外国人労働者の採用 候補者にどうアプローチする?在留資格ごとの特徴

少子高齢化が進む一方である状況の中、日本人の労働力人口は先細りになっていくことが見込まれます。
そのため、必然的に外国人労働者への需要が年々高まっていくことになるでしょう。

外国人労働者をアルバイトとして採用したいと考える経営者の方は、どのようにして外国人労働者に対してアプローチをしていけばよいのでしょうか。

外国人労働者が日本国内で働くためには、一定の在留資格の認定を受けていることが必要です。
在留資格には、外国人労働者の受け入れ制度によって複数のパターンがありますが、それぞれに人材の特徴があり、アプローチの方法も変わってきます。

この記事では、外国人労働者の在留資格に応じて、採用を検討する経営者の方がどのようにアプローチをしていけば良いかについて検討します。

目次

外国人労働者は10年で3倍に

外国人労働者の在留資格のパターンについて

求める外国人労働者の像に合わせた採用活動を

外国人労働者は10年で3倍に

近年、日本国内における外国人労働者数の伸びは目覚ましいものがあります。
下の図は、法務省の入国管理局が発表している、わが国における外国人労働者数の推移です。
平成20年の時点で48万6,398人だったものが、平成29年には127万8,670人にまで増加しています。


(出典:首相官邸ホームページより 法務省入国管理局「在留外国人を取り巻く最近の状況と課題」(平成30年4月)p3
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/suishinkaigo2018/koyou/dai5/siryou6.pdf

なお、最新の統計データでは、平成30年10月時点で146万0,463人にまで増加したことが明らかになっています。
(参考:厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況【概要版】(平成30年10月末現在)」
https://www.mhlw.go.jp/content/11655000/000472891.pdf

つまり、日本国内における外国人労働者の数は、10年間で3倍に増加したことになります。
特に最近になればなるほど伸び率が増していることを考えると、今後もこの傾向が加速することはほぼ確実と言ってよいでしょう。

そのため、外国人労働者を採用することの重要性はどんどん増していくことが予想されます。

外国人労働者の在留資格のパターンについて

外国人労働者が日本国内で事業や労働を行って収入を得るためには、以下の2通りのパターンがあります。

・事業活動や労働活動を行うことのできる在留資格を得る
・資格外活動として事業や労働を行うことができるように許可申請をする

下記の図は、厚生労働省の発表による平成30年10月末時点の在留資格別の外国人労働者の割合を示しています。

(出典:厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】(平成30年10月末現在)」p4
https://www.mhlw.go.jp/content/11655000/000472892.pdf

割合が多い順に、以下のとおりとなっています。

①身分に基づく在留資格(33.9%)
②資格外活動(23.5%)
③技能実習(21.1%)
④専門的・技術的分野の在留資格(19.0%)
⑤特定活動(2.4%)

これらの在留資格に加えて、平成31年4月より「特定技能」が、日本国内での労働を行うことができる在留資格として追加されています。
これは、今後外国人労働者に対する需要が増加することを見据えた在留資格の追加されたものであり、今後制度の活用が期待されています。

◎在留資格ごとの外国人労働者の特徴とは?
一概には言えないものの、在留資格ごとに外国人労働者としてどのような特徴を持っているかには大まかな傾向があります。
アルバイト採用を念頭に置いて、在留資格別に外国人労働者の特徴を解説します。

なお、既に高い専門性を身につけており、アルバイトとしての就労をあまり検討しないと思われる「専門的・技術的分野の在留資格」と、外国人労働者全体に占める割合の少ない「特定活動」「特定技能」は除くこととします。

(1)身分に基づく在留資格
身分に基づく在留資格には、「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」があります。
いずれも日本に生活の拠点を置いている期間が長いか、日本との結びつきが強く生活の拠点を日本に置く必要性が高い人たちです。

身分に基づく在留資格に基づいて日本に在留している外国人には、日本国内における活動に制限がないのが最大の特長です。
そのため、あらゆる事業主にとって採用できる可能性があるといえます。

身分に基づく在留資格に基づいて日本に在留している外国人は、家業に従事していることも多いのが実情です。
しかし、パートタイムの労働力としては十分に活用の可能性があります。
また、日本語が堪能なケースも多く、企業にとっては貴重な人材になり得るでしょう。

日系人なども、このカテゴリーに該当するため、採用を検討する際には、日系人コミュニティへの求人広告を出すなどの方法が有効と考えられます。

(2)資格外活動
本来就労を目的としていない在留資格によって在留している場合に、収入や報酬を伴う活動を行おうとするときは、入管法19条2項に基づく資格外活動許可申請を行う必要があります。
「資格外活動」のカテゴリーに属するのは、この資格外活動許可に基づき日本国内で労働などを行う外国人です。

資格外活動許可申請を行う際には、原則として就労先を特定することが必要です。
しかし、在留資格が「留学」または「家族滞在」であれば、就労先を特定せずに包括的に申請することができます。
この特例を利用して、多くの留学生が資格外活動許可申請を行い、日本国内で労働を行っています。

一般に留学生は10代から20代が中心です。
また、わざわざ日本に来て学問を修めようという姿勢を持っていることからもわかるように、学習意欲が旺盛で、非常に優秀であるケースも多くなっています。
さらに、日本語も比較的堪能な傾向にあります。
また、留学生は就労先を特定せずに資格外活動許可申請を行うことができるため、活動の許容範囲が広いのも大きなメリットです。
ただし、学生である関係上、就労時間に制限があったり、一部就労できない業種があったりする点に注意しましょう。

(3)技能実習
技能実習生は、主に東南アジアなどから、日本の技術を学ぶために来日している外国人です。自国で当該業務の経験がある人材なので、即戦力になることが期待されます。

ただし、技能実習生は受け入れ可能な職種が限定されています。
どのような職種で受け入れが可能であるかについては、下記のページを参照してください。
(参考:OTIT 外国人技能実習機構「移行対象職種情報」
https://www.otit.go.jp/ikoutaishou/

技能実習生を受け入れるためには、海外に事業所があるなどの場合を除き、監理団体に加盟して受け入れの希望を出す必要があります。
実際に受け入れが実現するまでには、かなりの期間がかかることが通常です(おおむね2年以上)。

 

求める外国人労働者の像に合わせた採用活動を

外国人労働者をアルバイトとして採用する際には、「どのような外国人労働者を採用したいか」ということを考える必要があります。

たとえば、頭脳労働であれば有名大学の留学生、接客などのコミュニケーションが重視されるポジションであれば日系人コミュニティの日本語が堪能な人の採用を目指すなどが考えられます。

今回は在留資格ごとの外国人労働者の特徴を大まかに解説しましたが、他にも多様な観点から外国人労働者へのアプローチ方法を検討すべきでしょう。
外国人労働者の採用を検討する際には、「求める外国人労働者の像」を意識して採用活動を行ってください。

弁護士YA
大手法律事務所にて企業法務、金融法務に従事。
退職後、現役弁護士としての活動と並行して、ライター活動を開始。
法律・金融分野を中心として、幅広いジャンルの記事を企業のオウンドメディア等へ寄稿している。

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