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【事例紹介】日々の食を通して、お客さまの生活や人生までゆたかに。 ビジョンを共に実現するアルバイト“仲間”のために立ち上げた奨学金制度


新型コロナウイルスの感染拡大は大学生の経済状況にも大きな影響を与えています。文部科学省が2022年3月1日に発表した調査結果(*1)によると、全国の国公私立大学及び高等専門学校の休学者は昨年より増加しており、そのうちコロナ禍による経済的困窮が理由であるものは15.0%に上りました。

政府や各大学が様々な経済的な支援を行っていますが、残念ながら全ての経済的に困窮している大学生に、それらの支援が行き届いているわけではありません。

そのような状況に対し経済的に困窮する大学生を支援するため、回転すしの「スシロー 」などを展開する株式会社FOOD & LIFE COMPANIESは、2021年10月から独自の奨学金制度を開始しました。

自社でも多くの大学生をアルバイトとして雇用している同社が、「仲間の働きやすい環境を作りたい」と考え、スタートした今回の奨学金制度について、FOOD & LIFE COMPANIESの伊藤氏から設立までの経緯や実績、実際に利用しているアルバイト学生の反応、今後の取り組みなどについてお伺いしました。


【会社概要】
会社名:株式会社FOOD & LIFE COMPANIES
設立:2015年3月
事業内容:フードサービス事業全般、その他周辺事業
ホームページ:https://food-and-life.co.jp/

目次

コロナ禍による大学生の経済的窮状をみて、奨学金制度設立を即決

間口を広げ、学生の将来を制限しない奨学金制度に利用アルバイト生から感謝の声

奨学金制度が仲間と会社の成長につながり、やがて社会へと還元されていく

まとめ

コロナ禍による大学生の経済的窮状をみて、奨学金制度設立を即決

株式会社FOOD & LIFE COMPANIES
人事部 採用課長 伊藤 大雅(いとう たいが)氏

―奨学金制度を設立された経緯について教えてください

伊藤氏:弊社はスシロー、京樽、杉玉などの店舗でアルバイトを雇用しており、例えばスシローではアルバイトの53% が学生です。(*2)多くの学生アルバイトと一緒に働いている中で、学生の奨学金受給率が増えているなど、経済的困窮はずっと気になっていました。コロナ禍によってその状況に拍車がかかっている現状に対し、弊社として何かできないかと今回の大学生向け奨学金制度を設立しました。

FOOD & LIFE COMPANIESのビジョンは「変えよう、毎日の美味しさを。広めよう、世界に喜びを。」です。日々の食を美味しくすることで、お客さまの生活や人生までゆたかにしたいという想いがあります。このビジョンを実現するには多くの仲間が必要ですから、”仲間”の働きやすい環境を作りたいとシンプルに考えました。

 

―この奨学金制度を、どのように活用してもらいたいとお考えですか

伊藤氏:素晴らしい大学生活を送っていただくことが、この制度を作った私たちの願いです。大学生活を充実させたい、大学で実現したい目標や夢があるなど、「想い」がしっかりある方を応援したいと考えています。とはいえ、基本的にはいろんな方に応募していただきたいと考えているため間口はできるだけ広げています。例えば応募条件に作業の習熟度を問うことはないため、アルバイトに入ってすぐの方でも応募・受給が可能といった具合です。この制度をきっかけに、弊社のアルバイトに興味をもってくださる方が増えれば非常に嬉しいです。

間口を広げ、学生の将来を制限しない奨学金制度に利用アルバイト生から感謝の声

―あらためて、奨学金制度の詳細についてお話をお願いします
伊藤氏:応募資格は4点あり、以下の全てに当てはまる方であれば応募が可能です。

① FOOD & LIFE COMPANIESの店舗で働いている方
② 日本国内の4年制大学に在籍している1年から3年の方
  ※通信教育課程及び夜間学部を除く
③ 日本学生支援機構の奨学金を受給している方(給付/貸与の区別なし)
④ 生計を同一にする世帯の年間所得が400万円以下である方

応募を希望される方には、まずFOOD& LIFE COMPANIESの店舗に入社していただき、その際に案内する従業員向けの「人事部LINE@」から直接応募をするようお願いしています。応募後は書類確認・面談の選考へと進みます。

給付金は月額2万円。給与と一緒に毎月給付します。給付型のため返済の義務はなく、かつ「大学卒業後は弊社に入社しなければならない」といった制約なども一切ありません。すでに日本奨学金支援機構(JASSO)で奨学金を受給している方を応募対象としていることから、返済しなければならない金額が増えることは学生にとってメリットではないと判断しました。

返済不要は将来に不安を覚えず、大学で様々な挑戦をしてほしいという弊社代表取締役社長CEO・水留浩一の想いでもあります。同様に、奨学金を支給することで学生の将来を制限するような制度も、弊社のビジョンに反すると考えています。

―採用予定人数は何名でしょうか

伊藤氏:既存の奨学生と合わせて、学年ごとに25名で最大100名です。もちろん外国人留学生の方でもご応募いただけます。

―毎年、決して少なくない金額が必要になると思いますが、社内で反対意見などはありませんでしたか

伊藤氏:制度の詳細に関して意見の相違はありましたが、「世の中のため、お客さまのため、仲間のために当制度を実現する」という大きな方針については担当者全員が一致していました。そのため導入までのスピードも非常に早く、話が出てから半年後には社内全体に告知しているほどでした。

―制度の詳細に関する意見について、どんな相違があったか教えていただけますか

伊藤氏:例えば経済的に困っているといってもレベルは様々です。いろいろな価値観がある中で、給付決定の標準をどこに置くかについては悩みました。最終的には奨学金を設けておられる他社の応募資格を拝見し、現在の軸である「日本学生支援機構の奨学金を受給していること」を条件にすれば、本当に困っている学生に届くのではないかという結果に落ち着きました。

日本学生支援機構は審査の際に世帯年収を含めて明確な基準を設けていらっしゃったので、とても参考になりました。

―現在は何名くらいのアルバイトが、この制度を利用しているのでしょうか

伊藤氏:現時点(2022年3月)で応募者は30名、選考を通過したのは22名となっています。応募者数はまだ少なめですが、スタートしてからまだ半年程度 ということもあり、しばらくは現状のままで進めようと考えています。

現在もアルバイトの面接時に店長が説明したり、アルバイト募集メディアに掲載したりしていますが、今後はさらに告知に力を入れていく予定です。あるいは応募資格を見直した上で、もう少し基準を緩めにするかもしれません。

―まだまだ伸び代がある制度なのですね。実際に利用されている学生アルバイトの反応について教えてください

伊藤氏
「奨学金制度を利用してから生活に余裕ができ、精神的に楽になりました。余裕がある時は返済用に貯金もしています」

「家族の負担が少しでも軽くなるよう、他のスタッフにも勧めたいです」

などの嬉しい声が届いています。

 

奨学金制度が仲間と会社の成長につながり、やがて社会へと還元されていく

―お話を伺う中で、御社の「仲間」に対する想いの深さを実感しました

伊藤氏:私たちのビジネスモデルは、社員・アルバイトなどのスタッフに加えて、ご協力いただいている多くの会社様によって成り立っています。皆様に対する感謝があるので、「チームFOOD & LIFE COMPANIES」といいますか、そういった仲間意識は昔から強かったです。

―具体的に、アルバイトという「仲間」に対してどのような配慮をされていますか

伊藤氏:初めてアルバイトに入ってもらった方が溶け込みやすい環境づくりについては強く意識していると思います。弊社は店長の裁量権がかなり大きいので、店舗ごとにいろいろな取り組みを行っています。

「スシロー」の例を挙げると、入社前にアルバイトの方に自己紹介シートを書いてもらい、それを用いて既存スタッフとの交流をしやすくする取り組みをしている店長もいます。
自己紹介シートによって、そのスタッフが初出勤した際に皆がちょっとした声かけができますから、新人さんでも「皆に仲間として受け入れてもらっているんだ」という意識をもちやすくなります。そんな風に、アルバイトの皆さんにどうやって「仕事が楽しみ」だと思ってもらえるか、各店で工夫をしています。

実際に、「スシロー」で高校生から3年間、アルバイトをしてくれている学生から「職場は高校生も含めてみんな仲が良く、仕事中もしっかりコミュニケーションが取れます。たくさんのお客様がいらっしゃる土日にちゃんと対応ができるとやりがいを感じます」というコメントをもらったこともあります。

―御社はアルバイトから社員になる方が多いと伺いましたが、その理由はどこにあるのでしょうか

伊藤氏:根本にあるのは、やはり「仲間を大切にする」という文化だと思います。その文化が形となって表れている一例が、社員に利益を還元できる給与設計 がされていることです。

また店舗の定休日を設けていることも理由の1つです。定休日を2日間設けた場合、売上において少ないとはいえないマイナスが出ますが、それでもスタッフの満足度アップには代えられません。

さらに労働時間の管理をしっかりすることで、働きやすい環境を作る努力をしています。

―飲食業は休めない、残業が多い、給与が少ないという世間的なイメージとは、少し違うのですね

伊藤氏:アルバイトの方々も、社員に対する会社の対応を見て「FOOD & LIFE COMPANIESは他とは違う」と、就職を希望してくれているのではないかと思います。

―今後も今回ご紹介した奨学金制度のような、仲間の幸せを追求する取り組みを続けていかれますか

伊藤氏:そうですね。奨学金制度についてはしばらく現状のままで進める予定ですが、より働きやすく長く勤務しやすい環境を整え、グループの中で働いていただければ嬉しいので、引き続き仲間のための取り組みを行っていきます。

 

まとめ

今回のインタビューでは、FOOD & LIFE COMPANIES様の奨学金制度について解説していただきました。
“仲間”を大切にする同社の社風からスタートしたこの奨学金制度は、現在利用されているアルバイトだけでなく、今後、より多くの若者を支援する社会貢献となっていくはずです。さらに同社の志に共感し、「食を通して多くのお客様の生活や人生まで豊かにする」仲間になりたいという人材が増えれば、採用はもちろん企業としていっそう良い結果につながっていくのではないでしょうか。
この制度についてご興味のある方は、FOOD&LIFE COMPANIESの奨学金制度についてもご覧ください。

 

*1 【文部科学省】学生の修学状況(中退者・休学者)に関する調査【令和3年12月末時点】(PDF)
 https://www.mext.go.jp/content/20220301-mxt_kouhou01-000004520_1.pdf

*2 https://akindo-sushiro-job.net/jobfind-pc/

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